今年は町内会の当番役員を務めていることもあり、

年末の夜回り警戒に引っ張り出されました。

 

子供のころの記憶には、年末の夜になると

「火のよーじん」の声と甲高い拍子木を打つ音、

それに合わさって何やら金属がぶつかり合うような

「ガチャ」という音が残っています。


 

普段の夜にはそういうものは回って来ず、

年末になると聞こえて来るものは、

怖いものではないものの、

お正月という何か違う世界が近づいてきている足音のようにも

感じがしたことを覚えています。


 

町会の集会所に集合時間に行ってみれば、

私と同年代の人たちが集まり、数人で班を2つ作り、

それぞれのルートを1時間ほどかけて回るとの説明を受けます。

 

拍子木とライト位を持って普段の格好で歩くものと思っておりましたが、

お揃いの帽子、反射テープ付きのベストを身に付け、

交通整理の人が使う赤く長いライト、

町会の名前入りの提灯、それに金属音を発するものを持って歩きます。

何をするにも外から見て、

この集団が何ものであるかをハッキリさせるのは大事なことです。

 

 

 

 

「ガチャッ」とも「ジャラッ」とも音のするものの、

正式な名前は皆さんご存じないとのこと。

 

オールステンレスで頂部には丸い輪があり、

そこに小さい6個の輪がセットされています。

これが杖をつくたびに「ガジャッ」音がします。

多分仏具の「錫杖(しゃくじょう)」と同じ形なので、

その夜回りバージョンだと勝手にきめました。



 

これは太いところで2センチ程度の太さがあり、

頭にステンレスの輪が6個も付いておりますので結構な重さです。

これを歩きに合わせて、ついて持ち上げてついて持ち上げはできません。

おまけに冷たいと嫌なので、手袋をしてたので少し滑りやすく、

余計力を使いました。

 

9時過ぎに町会の事務所を出発し、二手に分かれて歩きましたが、

住み慣れた街ですがほとんど通ったほどのない道を進みます。


 

本当にン十年も前に通ったきりの道を久しぶりに歩きました。

毎日家を出て外を歩いていますが、

駅やスーパーへの道がメインで通っていて、

それ以外の道はこの何年も歩いたこともないことがよくわかりました。

 

 



 

いつも通っている大通りから1本入ったところに、

空き家問題そのものの、庭に雑草がうっそうと茂っている

建物があることに気づかされました。それも2軒。

 

かと思えば、新しくできた家は明るく目立ち、

古い家はあまり電気もつけず薄暗いせいか、

うちの街はこんなに新しい家が多かったかと感じます。


 

また、子供の頃によく行っていた家が、

取り壊され更地になっているのを見ました。

遊び仲間は遠くに引っ越し、

まだそこに残っていたお母さんに時々会って挨拶をする程度でしたが、

最近見ないと思ったらそんな状態になっていました。

お亡くなりになったのか、どこかの施設に入られたか、

いずれにしろ時の流れを感じたことでした。


 

夜回りデビューは気温も風もほどほどで、

 メンドウくさい人などにもからまれず、

何人かからは「ご苦労様です」と言う声をかけていただきました。

 

小一時間ほどのお役目は何とか果たせました。