土曜日の午後7時近く、我が家の固定電話に着信がありました。

登録されている番号ではなく、ディスプレイを見ると03からの発信です。

受話器を取ると、区役所の保険課と名乗る男性の声。

以下、その声の主とのやり取りのです。

 

声:区役所保険課の○○と申します

医療費の過去5年間の累積額が基準を超えた方に電話をしています。

お宅様は、基準を超えているので、還付が受けられます。

ひと月ほど前に、区役所から対象者に緑色の封筒で

還付金請求の用紙を送りました。ご覧いただいたでしょうか。

私:見ていないし、記憶にない。

声:そういう方が多い。実は請求の期限は先週まで、

そこで請求のなかった方に個別に電話をしています。

請求期間が過ぎると銀行、それも大手を通じないと還付ができません。

メガバンクに口座はありますか。

私:○○銀行に口座がある。

声:それではこちらから銀行担当者に連絡しておきますから、

月曜日午前中には銀行から電話が入ります。

私:わかりました。

 わからないことがあるときはどちらに連絡すればよいですか。

声:03○○・・・・ 区役所保険課○○あてお願いします。

と、こんな感じでした。

 

月曜日は仕事で出かけましたので、直接電話には出られませんでしたが、

着信履歴を見ると、土曜日と同じ番号から二度ほど着信がありました。

留守番をセットしておきましたが、伝言はありませんでした。

 

念のため、伝えられた保険課の窓口と称するところに、

公衆電話からかけてみると、

「現在使われておりません」のアナウンス。

 

ネットで、保険課のHPを見ると、

還付金詐欺について警告が書かれていました。

念のために問い合わせてみると、よほど問い合わせが多いのか、

またかよ、という感じで、「累積医療費などという制度はありません。

詐欺です。」とのこと。

 

こういう詐欺グループから電話がかかってくるというのは、

私の家電が、引っ掛かりそうな高齢者のリストに、

載っているということなのでしょうか。

 

電話機のディスプレイに表示されている都内の番号も、

中国やタイなどから、

電話をかけ、それが転送されている可能性があります。

 

それにしても、今回は比較的簡単に見破れるようなケースでしたが、

眉唾物の話でも、何かのタイミングで、

すっかり信じてしまうことがあるかもしれません。

 

詐欺グループがかけまくっている電話の中で、

どのくらいの割合で騙される人がいるのでしょうか。

 

まともな営業のコールセンターなどでも成約率は数パーセント。

ほとんど、千に三つの「千三つ」に近い話ですし、

さらに、塾などの生徒募集広告は一万枚配って一人獲得する、

まさに「万が一」の世界だと聞いたことがあります。

 

時間の余裕があってこちらで、確認が取れるようなケースなら、

何とか気づくことができるでしょうが、

パニックに落とされるような仕掛けをされれば、

それをかわすのは難しいかもしれません。