親指と中指の先を合わせて、中指を親指の付け根(手相で言う金星丘)に強く打ち付け、

音を出す動作を指パッチンと呼んだのはたしか、芸人のポール牧だったと記憶しています。

それまではこの動作のことをなんと呼んでいたのか、記憶がありません。

 

英語ではフィンガースナップというらしいのですが、

自分では使ったことがないので、多分、指鳴らしとでも呼んでいたのかもしれません。

 

ミュージカル映画のウエストサイドストーリーのオープニングで、

指パッチン(ではなくフィンガースナップといった方がいいですね)

でリズムをとりながら不良たちが歩いているシーンは印象的でした。

 

指を鳴らすもう一つのやり方のあることを最近知りました。

親戚の自宅での法事の時、菩提寺のご住職にお経を上げてもらいました。

 

席の都合で、私はご住職をほぼ真横から見る位置に座りました。

そのお宅の宗旨が天台宗ということで、はじめに小声でなにか唱え指を鳴らしました。

 

その鳴らし方が、いわゆる指パッチンとは違っていました。

親指を人差し指の爪の脇あたりにあて、人差し指をはじいて、

親指を中指の横腹に充てて音を出しているようでした。

 

 

弾指 構え弾指 パッチン
もう一つの指パッチン「弾指」

 

 音の大きさはよく知っている指パッチンと比べて少し小さいものの、

音を出した後、人差し指がまっすぐに伸びた形になっていて、

なにか、呪術的な意味があるようにおもわれました。

 

「坊さんが指パッチンをしている。」

それからはよくわからないお経を聞くより、

左手で右手を隠し、今見た、坊さん指パッチンの形を練習していました。

 

宗教上の所作なので、まさか指パッチンという名前ではなかろうと調べて見ると

弾指(「だんし」または「たんじ」と読むのだそうです)というらしく、

もともとはインドでの邪気や汚れをはらうためのおまじない的なものが、

密教、禅宗などに取り込まれているようです。

 

翻って通常の指パッチンにはもともと何か意味があったのでしょうか。

上品な気はしませんし、まして人を呼ぶとき指パッチンをすれば、

犬か、ギャングのボスが手下に指図をするように思えます。

合点がいった時、やったぜ、のような感じで指パッチンをするのは、

問題ないような気がしますがいかがなものでしょうか。

 

ここで想像たくましく、ウエストサイドストーリーをリメイクするときに、

フィンガースナップを弾指にしたらどんなものになるのか、

イメージしてしまいました。

指を鳴らした後は人差し指が伸びているので、

音とともに、方向を示すような演出ができそうなのですが。