きな迷子捜索報告とは無関係でございますが、応援してくださった皆様のお気持ちが嬉しく、また長らく留守にしてしまいました状況を綴らせてくださいませ。

前回、危ない状況をお伝えしたきり、ブログを留守にいたしました。

その間にコメントや、お気にかけてくださいました皆様に心よりお詫び申し上げます。

大変失礼をいたしまして申し訳ございません。

どうしても。どうしてもブログが開けず、まるちゃんを失った現実から潰され、天国に旅立ちましたのご報告が出来ずにおりました。

長くなりますが、お付き合いくださいますと幸いでございます。

11月1日午前11時

マルコ(まるちゃん)は、天国へ旅立ちました。

31日の夜は、あまり鳥に詳しくない主人に「もう長くない」と伝え、一晩中手の中にだっこしておりました。

手の中は、鳥ちゃんの体温を吸いとってしまう為、保温に適していないのですが、まるちゃんは非常に甘ったれでございまして、なにがなんでも手の中で眠ると聞きませんでした。

まるちゃんを手の中に包み、手の甲からカイロを当て、まるちゃんの大好きなストールで軽く覆って一夜を明かしました。

幾度も幾度も呼吸を確認し、お水を与え、声を掛け、ごめんねと言いながら体勢を変える一晩でした。

まるちゃんは筋金入りのラブバードで、私１人にしか手の中に入ること、触れられることを許しませんでした。

好き勝手、自由奔放で、とても賢い子です。

一階になにがある、二階になにがある、ケージはどこにあると、たまに移動するケージも完璧に記憶し、夕方には家のどこに居ても、自ら飛んでお部屋に帰ることができました。

かくれんぼが大好きで、しょっちゅう隠れてはみんなを驚かせました。

幼稚園の制服の上着の中、干しているバスタオルの間、Tシャツの袖…。

寒くなると、決まって私のパーカーのフード部分に潜りこみました。

お互い暖かい、夢のぬくもりです。

手の平を返して、にぎにぎして待っておりますと、手の中に収まってくれます。

まる寿司、とよんでおりました。

と、こう綴っておりますと、なんと可愛いらしい穏やかなボタン君…なのですが。

真実は違い、果てし無き暴れん坊でした。

たまにボタンインコではなく、まるちゃん実は軍鶏なの？という程に…。

触れてもいいのはママだけ。

でも、触れていい時はボクが決めるから、それ以外の時に手を出したら、全員ぎったんぎったんにしてやる。

が、まるちゃん法律でごさいました。

まるちゃんが亡くなった時、号泣しながら息子が聞きました。

「まるちゃんは天国にいくの？」

私はそうだよと泣きながら答えました。すると、

「あんなに悪かったのに？

みんなの指を血が出るまで噛んで、パパの髭を抜いて痛がってるの見て喜んで、爪を剥がそうとして怒られてたのに？？」

泣きながら吹き出しました。

実際、まるちゃんは悪党インコだったのです。

ご機嫌ななめの時に触れようものなら、指に釣れた魚みたくぶら下がります。

まる釣りです。入れ食いです。

私の元に来てくれました時は、既に大きく、一人立ちしておりました。

周りがおっとりオカメさんだらけなのもあり、まるちゃんは直ぐに頂点に登り、非道の数々を行いました。気性が荒かったのです。

オカメ隊やインコ隊に幸いケガはなかったものの(私の手指はズタズタ)、みんな怯えてしまい、まるちゃんは日に日に孤独になっていき、これはいかんと実家の母に預けました。

環境が変われば性格が変わると聞きましたし、私は毎日実家より出勤しておりましたので、ゆっくりと相手をすることも可能でした。

母から信頼という感情を知ったのだと思います。

みるみる内にまるちゃんは変わり、肩に乗るのが大好きになり、お辞儀を覚え、「グッ」とお返事を覚え、ティッシュを丸めたプレゼントを覚えました。

皮肉なもので、愛を知ってしまったまるちゃんは、ちょっとでも目を離すと毛引きを始めてしまいます。

あっという間におしりにおハゲが出来てしまって母は狼狽し、「可哀想で預かれない」と言い、私もこれはまずいとその日に引き取り、自宅に引っ越ししてもらいます。

病院にも通いましたが、まるちゃんの悪癖は治らず、四年完治しなかった毛引きは結果体力を奪いました。毛引きを覚えなかったら、まだ寿命があった筈です。私の力不足でした。

一晩、眠れない夜を越して。

家族を送り出し、家事もほったらかしでまるちゃんに付き添いました。

何度も臨終を見ておりますと、大方の余命がわかる時がございます。

朝9時。

日なたぼっこは最後だろうなと思い、暖かい朝の光、眩しい煌めきを一緒に浴びました。

まるちゃんは目を細めてお日様を眺めた後、オカメ隊のケージに飛ぼうとして、完全には飛べませんでした。

ケージに入れてやると、オカメパパ、ママだけに近づき、何かを伝えたように見えました。

最期の挨拶だったのだろうと思います。

直ぐに私の手の中に戻りたいと意思表示しましたので、暖かい部屋に行き、ずっとお話しておりました。

深く浅く眠っては、私の声にパッパッと羽を震わせてお返事をしてくれます。

これは長い間、まるちゃんと私の合図でした。

気持ちよくて動きたくない時の合図です。

10時。

頭が上げられなくなりました。

主人に、「ごめん。夜までもたせられそうにない」と連絡いたしました。

まるちゃん。

まーちゃん。

だいすき、ありがとうね。

また遊ぼうね。

大丈夫だよ、こわくないよ。

その内ママも行くからね。

大好きだよ、ずっと大好きだよ。

そればかり繰り返して言っておりました。

もうひとつの二人の合図で、まるちゃん大好きという時に、鳥の愛情表現のくちばしコツコツを真似ていましたので、いつものように何度も爪の先でコツコツと合図を送りました。

11時40分。

微かな痙攣からしばらくして、まるちゃんはお返事をかえさなくなりました。

あまりに穏やかで、正直いつ逝ってしまったのか迷うほどでした。

まるちゃん？まーちゃん？

コツコツ。

まるちゃん？

コツコツ…。

ありがとうね。本当にありがとうね。

また会おうね、絶対に忘れないよ。

だいすきだよ。

散々ひとりで泣いた後、オカメ隊にまるちゃんを見せ、あずかってもらうつもりで部屋に寝かせて、花屋に向かいました。

花屋ではケースの前で涙を止めらないという醜態を見せてしまい、申し訳なかったです…。

最期に苦しむ子も見て参りましたので、穏やかに逝ってくれた事に感謝の気持ちで一杯でした。

感謝の気持ちで、悲しみと寂しさを紛らわすのが精一杯だったのだと思います。

まるちゃんの美しい色の羽根を三枚もらいました。私が愛した深い湖の色です。

風切り羽根、尾羽根、グラデーションの羽根を三枚と、私の髪一束を交換いたしました。

夜、主人が帰りまして、花の中に埋まるまるちゃんを見て、「なんて安心してる顔してるの」と泣きながら笑いました。

息子と三人でお通夜をし、まるちゃんを悼んでみんなで泣いて、暴君まるちゃんの武勇伝にみんなで笑いと、人のお通夜と同じような夜を過ごしました。

泣きじゃくる息子に、主人が「動物と暮らすのは最期までみてあげることだよ。悲しいけど、まるちゃんに会えて幸せだったね。動物は人間よりずっと命が短いから、その分大切に優しくしなきゃいけないんだよ」と話してくれ、息子も涙ながらに頷いていました。

ぴんぴんころり。

毛引きを抱えておりましたが体も強く健康で、私の生涯の目標をまるちゃんは達成いたしました。

本当に食べられなくなったのは、半日でした。

よたよた生き長らえるのはまっぴらご免！

王様まるちゃんらしい、生き様でした。

私としては、一分一秒…もっとと思い、実際そうしてお薬で延々と命を繋いだ子もおりました。

結局お医者様の手の中で逝かせてしまい、大変苦しい後悔をいたしましたので、まるちゃんに任せた今回の最期は、自分を納得させるものでもありました。

一晩、最期の二人きりの時間を作り、思いっきり抱っことお話と覚悟をさせてくれ、さーっと早すぎる程に逝ってしまったまるちゃんは偉大だなぁと思ってしまいます。親バカでございます。

翌日の19時に、葬儀社様がいらしてくださりました。

前日の息子は火葬を嫌がりまして、説得が大変だったのですが、神様からお借りした体を返さなくてはならないこと、お骨という、まるちゃんが頑張った「勲章」を頂けることを長く話して納得してくれました。

いざ葬儀社様がお越しになって嫌がったらどうしようと思っていましたが、すんなりとお願いしますと言えて安心いたしました。

お別れは済んだの？と息子に優しく問いかけてくださるお心遣いがありがたかったです。

小鳥さんやハムスターさんも火葬なさっている葬儀社様は、お骨を残しますと言ってくださいました。

火葬車に小さな体を安置し、花で飾ると、葬儀社の方はまるちゃんに深々と頭を下げられました。

ひとつの命として扱って下さった事を、とても嬉しく思いました。

火葬車は一旦自宅から離れ、火葬を行い、戻ってきてくださいます。

お線香をあげてから、厚い扉が開きました。

独特のにおいが漂います。私の一束の髪も灰になりました。

まるちゃんは、綺麗にお骨を遺してくれました。この子は骨が丈夫でしたね、と誉めてもらいました。

三人でお骨あげを行い、ちいさな壺を抱えて、葬儀社様に何度もお礼を申し上げました。

お骨を分骨しキーホルダーにしてくださいましたので、肌身離さず持ち歩き、夜は握りしめて休んでおります。いいものもらって良かったね！と主人が笑っております。

コツコツ…の合図も送っております。

ひまわりの素敵な素敵なお花は、きなの誕生日に贈って頂いたものです。

まるちゃんも眺めさせて頂いております。

きなが居ない間にまるちゃんを失い、本当に堪えました。

捜索後の時間を支えていてくれたまるちゃんでした。

オカメ隊とセキセイ隊は鳥ちゃん独立国で、まるちゃんときなは、人間寄り？ほぼ人？でございます。

オカメ隊は、邪魔しないでよ！とファミリー徒党を組む事も多く、割りとドライな態度を見せてきます。

が、まるちゃんときなは、決めてくれるこちらとの距離が近いと申しますか、君たち鳥って自覚ないよね？の態度です。

その二大巨頭を一気に失いまして、足元が崩れた感覚がございました。

きなを遠い日に、悼むことが出来ないこと。

きなを看取ってやれないこと。

きなの勲章を頂けないこと。

きなの冷えてゆく体温を感じられないこと。

まるちゃんの穏やかな最期全てが、きなへの無念に繋がり、立ち上がれませんでした。

正確には今も這いつくばったままだと思います。

まだしっかりと歩けておらず、涙が落ちない日がありませんので、ささっとお返事など出来ない日があると思います。

どうか、ご容赦くださいませ。

大変長い独り言に付き合ってくださいまして、本当にありがとうございます。

ボタンインコ君 マルコ、天へ

ボタンインコ君マルコ、天へ