時間が経つと薄れて行くものがあって、変化していくいくものがあって、美化したりね。
もう一度聞くことが出来たら、聞き間違うことなんてないだろうけど、ママの声はどんなだったかな?
今日のは、甘めだね なんて言ってたお稲荷さんはもう食べれなくて、作りたくても、同じ味にはならなくて。 どうにかこうにか、やっと、一年。
今になったら、こうしてあげたら良かったかな?
もっとあぁした方が良かったかな?とか、あれで良かったのかな?って思っちゃうのよ。
その時の1番を考えて、出来ることをやってたんだけど、他に出来たんじゃないか?違う方が良かったんじゃないか?ってさ。ほんとにこれで良かったのかな?
生きることって、とても簡単なのに。だって、目を閉じて眠ったら朝がきて、なんだかんだと時間は過ぎて、また昨日と同じ時間に私は居るじゃない。
耐え難い悲しい事があっても、必要なら笑う事も出来る。でも、またすぐに戻ってしまうの。これで良かったのかな?って。
いろんか時にママは私の中に現れるの。
同じ車にすれ違った時とか。私が処分したのに。
同じ位の年齢の人がいた時とか。一緒に出かけるなんてほとんど無かったのに。
名前の一文字を見つけた時とか。前はそんな事思うなんてなかったのに。
母の日とか。誕生日といつも一緒にしてたくせに。
知ってるつもりだった。わかるつもりだった。
なのに、ママの煮物の味にならないの。
ママが好きだった食べ物がわからないの。
また今も、なんだかんだと時間が過ぎてる。