永遠の片想い
いちばん大切な人の
いちばん大切な人でいられること
大好きな人を独占できること
両想いでいられること
ほど幸せで尊いことはなくて
でもその幸せと表裏一体の悲しみが
どん底に突き落としてくることなんて
かぞえきれないほど日常に転がっている
たとえば、
○○(私)はやさしいね
って言ってくれる時
比較対象は間違いなく彼の昔の恋人で
その人がいなければ
わたしのことを優しいと
思ってくれることなんて
なかったのかもしれない
人はみんな無意識の部分で
昔の記憶がずっと生きているから
いま自分をとりまく事象や感情を
分別する価値観があって、
わたしのことをほめてくれたり
大切にしてもらっていることも
そもそも好きになってくれたことさえ
きっと彼も自覚していないほどの
深くて遠いばしょに
昔の恋人の記憶が
息を潜めてるからなんだろう
優しく頭をなでてくれる手も
涙を拭いてくれる時の心配気な表情も
わたしのことを見つめるその目だって
好きな人にしか見せない彼のこと
わたしだけが知っていたい彼のすべてを
昔の恋人もきっと見ていたんだろう
彼のだいすきな部分を知るたびに
心のどこかで、
これを知ってるのが
わたしだけだったらよかったのに
と思ってしまう
昔の恋人が知らない彼との
思い出を持ちたくて常に探っている
いちばん近くにいるようで
永遠に届かない存在なのかもしれない