バトルゴルファー唯Ⅱの原案 第三章の続き初公開 | 魔界の夕焼けは飛んでいる蚊をパーン!した色Ⅱ

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それでは第三章の続き初公開です。

第三章「ウツゴロウと不愉快な仲間たち?」

 

前ホールと同様に目を閉じて精神を集中する。そしてまた唯の

体の奥から不思議な感覚が沸き上がり鮮明なビジョンとなって

唯の脳裏に黒い炎を纏った竜の映像が映し出された。

「黒い炎で焦がしてあげる!」

ピキーーーーン!空気を切り裂くようなショット音を発して

ボールは再びグリーンを目指す。

そして一直線にピンに向かって飛行するとピンを直撃しそのまま

意思を持ってピンを這うかのようにカップに吸い込まれていった。

「エース...」

唯は静かな口調でそうつぶやいた。それはまるでの熟練の

スナイパーが標的を仕留めた後に発するかのようで聞く者を

ゾッとさせる凄みがあった。

「くぅーうう!だけどこれで終わりじゃありませんよー!このホール

猿竹がエースを決めればイーブンで貴女の負けですからねー!」

「はあ...!?何言ってんの?」

「残念ですが彼の言っている事は本当です。契約書にもその旨が

記載されております唯様サインされておりますが」

「えー!?嘘っ!そんなのサギじゃん!普通はサドンデスに

突入じゃないの!何で!?」

「申し訳ありませんがルールですから」

「ないない!絶対にない!やだやだ!私聞いてない!もう帰る!」

唯は駄々っ子のように拗ねたがルールが変更される訳もなく

その様子を見て奥井は

『この子、将来絶対に保証人とかで苦労しそうだなあ....』

と思った。

「さあ猿竹!お前の必殺技を食らわせてやりなさい!」

「ウキーーーーッ!」

猿竹は雄叫びを上げるとアドレスに入りショットした。

しかし猿竹の打ったボールはグリーンとは、まるで方向違いの

森の中へと落ちていった。

「えっ?」

あまりの意外な展開に唯は唖然として状況が理解出来ない

といった様子で立ち尽くしていたが暫くして何が起こっているのか

理解した唯はウツゴロウに詰め寄った。

「ちょっと!何が必殺技を食らわせてやりなさいよ!こんなの

完全にロストボールじゃない!勝負は私の勝ね!」

「果たしてそうですかなー?まあ見てなさいー!」

ウツゴロウがそう告げると猿竹のボールが落下した辺りの樹々が

ガサガサと動き始めた。

暫くして猿竹のボールを持った1匹の猿が1本の樹の天辺に現れた。

ボールを持った猿は気合を込めるかのようなポーズをとると全身が

青色のオーラのような光に包まれた。

「何?何なのあれ?」

「まだまだこれからですよー!もっともっと気合を込めるのです!」

「ウキーーーーッ!」

ウツゴロウの声に呼応するかの様に猿竹も雄叫びをあげた。

ウツゴロウと猿竹の声援を受けた猿はさらに気合を込めると

オーラーの色は青色から緑色へ、そして赤色へと変化した。

「いいですよー!さあ!もう一息ですー!」

猿のオーラーはより大きくなり、赤色から金色へと変化した。

「やりましたー!ゴールドモンキーですー!さあカップに向かって

突き進むのですー!」

金色のオーラーをまとった猿はこくり!とうなづくとボールを

咥えてカップに向かって樹々の上を飛び跳ねだした。

「ちょっと!何よこれ?説明してよ!」

「これこそが猿竹の必殺技モンキーマジックですねー!」

「何よこれ絶対にチートじゃない!無効よこんなの!」

「いいえー!森の中の猿は局外者なのでまったく問題

ありませんねー!

「あの猿も猿竹の仲間っ....ていうか全部おじさんの調教した

猿達でしょう!これがインチキじゃなくて何なのよ!」

「この森に棲んでいる猿達は全部野生の猿ですねー!ですから

まったくインチキではありませんねー!さあー!猿竹もエースで

イーブンですねー!貴女の負けですねー!覚悟しなさいー!」

「このクソじじぃ!」

「本当にしつけが出来てませんねー!たっぷりとお仕置きを

してあげますからねー!覚悟しなさい!」

ウツゴロウは嫌らしい顔でそう言うと舌をペロペロさせていた。

 

唯とウツゴロウがそんなやりとりをしている間にゴールドモンキーは

カップの前に辿り着いていた。

「さあー!カップにボールを入れるのでーす!」

ゴールドモンキーはこくりと頷くとボールをカップへ入れる

動作を行った。

「やめてーーーーー!」

と唯が叫んだ次の瞬間。

ゴールドモンキーは意地悪い笑みを浮かべると持っていた

ボールを検討違いの方向へ思いっきり投げ捨てた。

「えーーーーっ!?」

ウツゴロウは顎が外れたかの様に大きく口を開けた間抜けな

表情でこの意外な状況を見ていいた。

「そ、そんな...あれはゴールドモンキーじゃなくて...ま、まさかの

ワイルドモンキーだったなんて...」

ウツゴロウはあまりのショックで、その場にへたり込んでしまった。

目の前で起きている状況がまったく理解できない唯は

「えーと...何これ?何が起きているの?分かるように説明してよ」

「分かりました...教えてあげましょう....あれはゴールドモンキー

ではなくてワイルドモンキーという意地悪をする猿なのです。

オーラーの色も青色から金色まであるので私でも見分けが

全くつかないのですよ...」

ウツゴロウはボソボソとした口調で唯に説明した。

「ふーん...金色保留とか金色枠演出で外れってよくあるもんねぇ!

あれマジでムカつくんだよねえ!当たり確定だと思うもんねぇ!」

ウツゴロウの話を聞いた唯は何かを思い出したように呟いた

「あのー唯様?いったい何の話をされているのでしょうか?」

「ああパチンコでさあ!私の大好きなアニメの台があってねぇ!」

「え!唯様!貴女は未成年ですからパチンコは出来ないのでは?」

「アプリよ!アプリ!もちろん未成年だからパチンコ屋さんには

行けないからアプリのゲームでやっているの!」

唯はそう言うと嬉しそうな顔でスマホの画面を奥井に見せた。

それを見た奥井は

『この子、将来絶対に賞金をギャンブルに注ぎ込みそうだなあ...』

と思った。

 

「仕方がありませんー!悔しいけど私たちの負けですー!でも

次の対戦相手はーもっと強敵ですからねー!油断していると

負けてしまいますからねー!覚悟しなさいねー!」

「ウキッ!ウキキッ!」

「猿竹も...そう」

「猿竹もそうだと言っています!でしょう?もう良いわよ!

下手な猿芝居はもう見たくありませーん!」

「ムキー!本当にしつけが出来てない子ですねえー!

まあルールですから仕方ありません...猿竹の必殺技を伝授...

というか、もう既に貴女はモンキーマジックを習得していますよ」

「へえーそうなんだ?じゃあ早速やってみようっと...」

唯はそう言うとまったくやる気のない素振りでボールを

ちょこんと叩いて森の中にボールを落とした。

暫くすると1匹の猿が唯のボールを持って1本の樹の天辺に現れた。

しかし猿は猿竹の時とは違い気合を込める動作をせずに唯の

ボールを咥えたままゆっくりとグリーンに向かって移動した。

「はははっ!まあそんなもんですよ!あれはノーマルモンキー

全く期待なんて出来ませんねー!大体最初からそんなに...」

ウツゴロウが話し終わる前に唯のボールを咥えて移動していた猿は

一気にオーラーに包まれると虹色に輝きだした。

そしてボールを投げつけるとカコン!という音と共にカップに

ボールは吸い込まれた。

「えーーーーっ!?」

ウツゴロウは再び顎が外れたかの様に大きく口を開けた

間抜けな表情でこの状況を見ていいた。

「そ、そんな...あれは滅多に出現しない...レインボーモンキー!

エース確定の超レアモンキーですよ...そんな...バカな!」

「何だあ!意外と簡単じゃん!この技マジで使えるかもね?

あんがとね!キモイおじさん!」

「ムキー!本当にしつけが出来てない子ですねえー!」

この状況を観ていた奥井は

『間違いない!この子、絶対に将来ギャンブルでダメになる人だ』

と思った。

 

第三章はこれで終わりです。途中まで書いて18年間放置していた

シナリオを書き終えたのでスッキリしてます。

実際のゴルフのルールでは猿などがボールを持って移動させた

場合は元の位置にボールを戻して再開ですが、まあバトルゴルフ

トーナメントなのでルール無視で書きました。

 

前作のゲーム内では奥井は最後に正体を現すまで、いるのか?

いないのか?分からない存在でしたけどⅡの奥井は前作よりも

重要な人物なので感想を持たせてみました。

ちなみに奥井の正体は蘭ではありませんよ!

ではいったい誰なのか?ラストステージで明かす予定でした。

前作のエレベーターの後の台詞「ねえ」「なに?」の続きも

ⅡのEDで公開する予定でしたがボツになりましたからねえ。

世に出る事は絶対に無いですねえ。

という訳で「バトルゴルファー唯Ⅱ未完」です。