楽園か忘却か (Paradise or Oblivion) | 〜人類の覚醒は近い〜

〜人類の覚醒は近い〜

我々人類は今まで多くの間違った概念を
長期に渡って植え付けられてきた。

その間違った概念をこのブログで
見直すことができたら幸いです。

※基本、他のブログやHPのコピペですが
後で情報を探しやすいようにテーマ分けしてあります。

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楽園か忘却か (Paradise or Oblivion)


ヴィーナス・プロジェクト プレゼンツ
ロクサーヌ・メドース制作会社
ジャック・フレスコ作

ジャック・フレスコ:
貨幣制度に支配された物質主義の社会は、
虚偽の社会だ。
我々の社会は、人類の歴史上最悪の後退を遂げるだろう。
我々は全く新しい、実現可能な文明を築くための、
知力も、方法も、技術も持っているのに。

楽園か忘却か

ジャック・フレスコ:
1929年の大恐慌の経験をきっかけに、
私は社会への関心を持つようになった。
この時、経済に反して、地球は良い状態だと気付いた。
製造工場はそのまま残り、資源もあったのだ。
なのに人々には製品を買うだけのお金がなかった。
我々が生活する上で設けたルールは、
時代遅れで不適切だと感じた。
貧窮、苦痛、戦争を見かねて、私は生涯に及ぶ試みを始めた。
政府と学問界の無能さや、
科学者による問題解決が不十分であることも動機になった。
1つ1つ改良するより、文化を再設計するほうが、
ずっと効率的であることに気付いた。
これが、生涯に渡る探求の始まりだった。
我々が抱える問題の解決策を探すのだ。

ナレーター:
これは、実現可能な社会変革により、
人類、技術、自然が共存する、
平和で持続可能な文明を築く計画である。
これは人権の獲得を、
紙での宣言だけでなく、生き方にも
求めることでもある。
これがヴィーナス・プロジェクトだ。

創立者のジャック・フレスコは、
文化を分かりやすく再構築することで、戦争や
貧困、飢餓、負債や不要な人間の苦痛を、
避けられるだけでなく、許容できないものとみなすよう求めている。
さもなくば、同じような問題に、
何度も直面することが徐々に明らかになっている。

『代案のない不平は何も生まない』

ヴィーナス・プロジェクトの研究センターは、
フレスコとロクサーヌ・メドースによって建設され、
ヴィーナス・フロリダに位置し、
苦難の根本的な原因に取り組んでいる。

さて、問題の真の起源とは何だろう?

『破綻したシステム』

現在、生産手段をめぐる衝突は避けられず、
代替策はほとんど残っていない。
最近の解決策も、もはや不適当だ。
環境へ与えてきたダメージの強さを考えれば、
我々は後戻り出来ない地点へと急速に近づいている。
その時は少ない資源に踊らされるのだ。
時代遅れの社会的慣習と、考え方を抱き続け、
それによって未来を脅かすのか。
それとも、持続可能な社会に適した価値観を当てはめ、
機会と自由を得るのか。

ジャック・フレスコ:
アメリカ人は、社会によって次の習性を植え付けられている。
1年と待たずに他種の車を手に入れ、
新しいテレビセットやテープレコーダーを買う。
やけに急いているが、政治や社会組織は
何も変わらず停滞している。
その理由は、新しい思想を共産主義や管理統制だと片付け、
新しいものを恐れるよう、躾けられているからだ。

ナレーター:
世界中のいかなる経済システムも
社会主義も、共産主義、独裁主義、自由企業制度も、
問題を取り除けていない。
エリート主義、民族主義、人種差別主義、
そして何より、欠乏の問題が残っている。
これらの主な原因は、経済の不均衡さにある。
資源を統制・流通させ、利益を生む目的でお金が使われると、
人々や国家は羽目をはずし、
何がなんでも有利に立とうとする。
そのために競争力を保つか、または
軍事的な介入をする。
戦争は国家の堕落を象徴するものだ。
不和の解消方法としては最悪だ。
極めて実利的な視点から言えば、
これ以上効率的に命と資源をドブに捨てる方法を思いつかない。

ジャック・フレスコ:
ほとんどの戦争は、資源を管理し、
職の差別的優位性を保つためにある。
「人間の尊厳」に基づいたものでなければ、
人類の向上のためでもない。
勝利した国の人々は陽気になるだろう。
しかし世界中の他の人々にとっては、
巨大な犠牲となる。

ナレーター:
国際的な不和を、粗雑かつ暴力的に解決しようとするのは、
より不吉な前触れでもある。
コンピュータ化された核の配送システムや、
致死性の生物・化学兵器が登場しているのだ。

"10万以上の企業がペンタゴンに依存しているが、
そのビッグマネーは一握りの巨大企業に渡る"

複雑な軍事産業に関わるのは、
棚ぼたの儲けるチャンスだ。
戦争がもたらした利益の恩恵に、
我々が預かれると思ったら大間違いだ。

ジャック・フレスコ:
国のために徴兵されるとき、(国に命を差し出すとき、)
軍事産業からは物が差し出される、
大砲やマシンガンの製造者、自動車、
ジープ、軍艦からもろもろが集められ、
兵と同じ支払い基準が適用される。
これが現実だ。
戦艦やマシンガンを兵に売り、
億万長者になれば、誰しも堕落するだろう。
もし私が、百万の兵隊を思い通りにできるなら、
学校へ送り、他の国家と友好的になれるような、
問題解決者に育てる。
殺すのではないのだ。
兵隊は殺すだけの機械だ。
殺すための訓練を受けているのだ。
私ならこう訓練する。
メキシコへ行き不和解消の橋渡しをし、
アラブへ行って紛争解決の方法を模索できるようにさせる。
そして全ての国家に団結をもたらすのだ。

ナレーター:
人々に対する暴力は、戦争だけに留まらない。
飢餓、貧困、ホームレスや失業もしかりだ。
「これが人間というものだ」と言って状況を容認するのは、
よくある誤りだ。

『環境からの影響』

ジャック・フレスコ:
貪欲さ、職務、人種的偏見は、遺伝子と関係ない。
私達のあらゆる行動様式は、教育の結果であり、
読んだ本、従事している役割のモデル、尊敬する人物の影響を受ける。
遺伝子は関係ない。
せいぜい、目の色や鼻の形や、両親からの特徴くらいにしか
影響しない。
遺伝子は価値観を規定しない。
仮に脳が生まれつき優れていて、
良質な受容体や細胞組織を持っていたとしても、
独裁的な国で生まれた頭の良い人は、
より早く独裁的になるのではないか。
脳に差別のメカニズムはない。
適・不適の判断基準は、脳自体にはなく、
経験のみで決まる。

ナレーター:
脳は、生まれつき貪欲、嫉妬、嫌悪、偏見を持っていない。
我々の行動と価値観は、属する文化を反映したものだ。

ジャック・フレスコ:
もし貴方がアマゾン川の首狩り族として育てられたなら、
貴方は首狩り族になるだろう。
「5つの干し首を持っていては困るのでは?」と問われれば、
「まったくさ、兄には20個あるのに。」と答えるだろう。
狂っているのか?いいや、彼の文化ではそれが普通なのだ。

ナレーター:
わずかな国家が地球上のほとんどの資源を管理する限り、
社会と環境の問題を乗り越えることはできず、
人々の幸福より利益が重要視されるようになる。
利益を第一とする考えが、不要な苦痛を生み、
今日の異常行動の原因となる。
問題を排除するには、法律が必要だと多くの人は考えている。
我々はおびただしい数の法律を制定しているが、
いつも破られてばかりだ。
紙での布告や条約を作ったところで、欠乏状況や、
不安感は消えない。

ジャック・フレスコ:
今起きていることの傾向を知れば、未来の概形を予測できる。
海洋汚染や、耕作地の欠乏を見ると良い。
この卑しいシステムが力を持てば、
暴動と殺人が増えるだろう。
周囲の環境こそが、人間の行動を形作るのだ。
例えば水不足になれば、水は貴重とみなされ価格が上がる。
システムの面から欠乏状態を議論しよう。
3日間、金のちりが空から降ってきたとする。
人々はシャベルで金をかき集め、家中に貯めこむだろう。
屋根裏や引き出しを金で埋め、そのために衣服すら廃棄するだろう。
金が1年間降り続け、そこら中が金で溢れかえるようになると、
人々は家から金を掃き出して、指輪を引っ張りだして捨てるだろう。
ここで人間の行動が、環境によって変化した。
警官のいる場所は、人々が欲しているのに利用できない物の
前にしかない。だから警備するのだ。
しかしレモンやオレンジ、リンゴの木が、
そこら中で育つなら、それは売れない。
もし豊富な資源ある島に上陸し、
10人で住めば、誰でも何千の魚を獲り放題、
クマノキの実やバナナも好きなだけ採れるのだから、
お金など存在しないだろう。
私有財産も存在しない。
島が十分に大きければ、10人に対して8,000エイカーあれば、
誰も馬鹿げた境界線で土地を占有したりしない。
行動様式は生きるために変化し、
価値観や考え方は社会状況によって変化する。
環境についての考察なしには、人の行動欲求を
論じることはできない。
だから、環境を気にかけるべきだ。
お互いを気にかけるべきだ。
そして人々を社会的にするために、
能力が許す限りの教育を、
施すべきなのだ。

ナレーター:
平和条約を結んでも、その根底にある
問題に対処しなければ、戦争は防げない。
人々の幸福のために働く倫理的な人間が、
政府に必要なのだろうか。
しかし最も倫理的な人が偉い地位に選出され、
資源を使い切ってもなお、嘘や不正、
盗みや腐敗が絶えない。
必要なのは倫理的な人間ではなく、
皆の幸福のために地球資源を管理する、
聡明な方法なのだ。

『不適切な社会』

私達の社会の取り決めを調査しよう。
経済を維持するには、絶えず製品を売り続ける必要がある。
これを確実にするため、摩耗や故障が起こるよう意図的な設計がなされる。
保証が切れた直後に、
よく物が壊れる経験はないだろうか?
これは「計画的陳腐化」と呼ばれる汚い手法だ。
意図的に効率性を見放すのだ。
最高の学校を卒業した革新的な人間が、
計画通りに物が摩耗・故障するように、
設計をさせられる。
これが資源とエネルギーの膨大な無駄につながる。
利益のために、地球から資源を強奪しているのだ。
よく考えれば、人々が欲しているのは、
仕事ではなく、給与で買う物を使いたいだけだ。
カネは現実の物とは関係ない。
金も銀も、その他資源も後ろ盾になっていない。
カネは食べられないし、家の材料にもならない。
この星で生産できる物やサービスの、
総量と関係したものでもない。
貨幣システムは何世紀も前の遺産であるのに、
疑問も持たずに使い続けているのだ。

「国のカネの支配権さえ手にすれば、誰が法律を作ろうとも止められまい。」
マイヤー・ロスチャイルド

ジャック・フレスコ:
このシステムによりみるみる自動化が進み、
大多数の人は購買力を失う。
もうすぐ次の段階に入る。(ガウス関数に基づくが、)
雇用が伸びないのに、生産性は跳ね上がり、
購買力が地に落ちる。システムは止まる。
銀行は倒産し、何も機能しない。
我々はその地点に急速に近づいている。

映像:
この2011年でいよいよ、
機械が人より優れていると明らかになってきた。
 ごく少人数で、とてつもない生産性が発揮されている。
かつてない程に生産性が上がり、費用対効果が高くなっている。
1つのiPadアプリが4人分以上の仕事をする。
仕事は減る。賃金がさらに安くなるのは
明白だ。何故なら多くの人が、
少ない職を求めているのだから。
賃金が下がれば、中流階級に大きく影響し、
そのショックは広く波及する。

ジャック・フレスコ:
我々は社会の崩壊へと近づいている。
これは世界中で起きるだろう。ここだけではない。
政府を崩壊させる活動などなくても、
流れるままにするだけで、独りでに崩壊するのだ。
メディアを支配すれば、人々を冷静にできるだろう。
しかし大多数が解雇されれば、購買力がなくなり、
システムは崩壊する。なすがまま機能を止める。
すでに、国にも止められない地点まで来ている。
年金のような、国家の安全保障は
厳しい状況に陥る。
持っている以上の支出をしてきたのだから。
唯一できる事といえば、銀行からますますお金を借りて、負債を膨らませることだ。

映像:
今日の険しい兆しをお届けします。
ここマンハッタンのミッドタウン付近で、
国家負債時計の示す負債額が増えすぎています。
1989年には、国家の負債額は3兆ドルに満たなかったものの、
近年は負債が急速に膨れ上がるので、標識を降ろして、
増えた桁のために表示枠を増やし、今や10兆ドルを超える値が
表示されています。この額は毎秒ごとに増加しています。
新たにできた2桁の表示枠に数値が追いつくのは、来年の見込みです。

ジャック・フレスコ:
連邦政府にお金を刷る権限はない。
お金を貸すことも、金融業もできない。
これは銀行員だけの特権なのだ。
例えば空軍に2,000の飛行機を提供したい時、
政府がする事と言えば、
専属の貸出機関からお金を借り、
署名欄を埋める。それで戦争に失敗すれば、
借金の負担は民衆に降り掛かる。

「歴史に拠れば、両替商はあらゆる限りの権力乱用と、
陰謀、詐欺、暴力の限りを尽くし、政府を支配し続けてきた。
カネの支配はそれほどに強力なのだ。」
ジェームズ・マディスン

ナレーター:
私達と社会の仕組みは、
今や移行期にある。社会を進化させる時だ。
この激動の時代を切り抜けたいのなら、
変化に適応しなければならない。
全ての物は変化する。社会システムもだ。
アルバート・アインシュタインが言うに、
「問題を見つけた時と同じような考え方をしていては、
問題は解決できない。」
地球の資源は、まだ豊富にある。
貨幣支配の元で資源を分配する慣習は、
もはや不適切で、生きるのに逆効果だ。
今は高度に発展した技術があるが、社会と経済システムが、
技術の潜在能力に付いていけていない。
これを改善すれば、誰もが苦役や負債から解放される、
豊かな世界を容易に作ることができる。
ではどのように作るのか?
地球上全ての人に食料と家を提供できるだけのお金は存在せず、
それ以上の水準など望むべくもない。
しかし地球には、全人類のニーズを満たすだけの資源がある。
ただし、賢く管理されなければならない。

『全く新しい社会』

ナレーター:
ジャック・フレスコは、自身の解決策を
資源ベース経済と名付けた。
この社会経済システムでは、あらゆる物やサービスを
誰でも利用でき、お金は不要で、
物々交換も、負債も、いかなる苦役も存在しない。
これは全く前例のない社会システムだ。
フレスコは75年に及ぶ研究と実験の末、
この思想に辿り着いた。

ジャック・フレスコ:
資源ベース経済では、資源利用の根本にメスを入れ、
値札や対価をなくすことで、地球上の全人類が、
資源を利用できるようになる。
今日の我々には、より発達した社会を築けるほどの
十分な資源があるのだ。
これは限られた寄付金をやり繰りするような話ではない。
私は非常に発達した文明について語っているのだ。
資源があり、技術もある。あとはそれを適用さえすれば良い。

ロクサーヌ・メドース:
ヴィーナス・プロジェクトの重要な見地の1つは、
欠乏をなくすことだ。ここで技術が生かされる。
資源ベース経済を立ち上げても、
人々の間に混乱があれば失敗する。
資源ベース経済を立ち上げても、
社会に資源がなければ失敗する。
今日の技術があれば、欠けることなしに、
あらゆる物を利用でき、豊かさを築くことができる。
豊かである限り、貪欲な利己心は消え、
幾多の犯罪も、異常な振る舞いも除去できるのだ。

ナレーター:
社会システムを、豊かで
建設的になるように設計することは可能だ。
そのためには科学技術の力を、
人間と環境のために注ぎ、負債ベースの
金融制度による人工的な欠乏状態を乗り越える必要がある。
全ての人は、究極的には政治哲学にも社会的慣習にも依らず、
宗教の違いも関係なく、同じ資源に依存している。
清潔な空気や水、耕作地、医療と、適切な教育だ。

ジャック・フレスコ:
地球とそこに住む全人類への忠誠を誓うのが、
未来への道なのではないか。

ナレーター:
人類は皆1つの家族であり、地球こそ皆の家だ。
国も人も、もはや分断されたままでは共存できない。

ジャック・フレスコ:
国で分けることを止め、誰もが何処へでも行けるようにしよう。
州同士が団結しない時代では、領土を囲い、
軍隊を率いて戦った。その理由と言えば、
「ここは俺達の領土だ!」「おい、侵入者め!」
州同士が団結した時、政府は、州の境界線を解くことで合意した。
これで領土紛争は終わった。
戦争を止めたければ、地球は共有の財産であると宣言しなければならない。

"地球資源は、全人類の共有財産であると宣言しなければならない。"

ロクサーヌ・メドース:
エリートが世界秩序を形成し、大企業を手中にする中、
残った人類がそれに盲従するやり方では、理想に近づけない。
対照的に、グローバルな資源ベース経済では、
全員のポテンシャルを最大限に引き出し、
環境を保護・保全する社会の一員として、すくすくと成長できる。
我々は等しく、自然の一部であると理解できる。

『動機』

ナレーター:
ここで疑問が生じる。何らかの仕事を強制せずに、
どうして需要を満たせるのだろう?
この問いは、人間には基本的欲求しかない事を仮定している。
もしこれが本当なら、次のような発明家や、
作家・講師はいなかっただろう。
自身の興味と挑戦心に従って、情熱的に働いた人々だ。
全ての人々が、目指せる限り最大の、
挑戦に参加できるようにしよう。
皆のために社会を改善する挑戦にだ。
統一性ではなく、個性を重要視する。
この社会が新しい動機の仕組みを生み、
環境保全と社会的配慮を重視する価値観が生まれる。
浅はかで自己中心的な、富、財産、
権力といった目標は薄れる。

ジャック・フレスコ:
統一は相応しくない。多様性こそが必ず必要だ。
人々が多様性を持つほど、個性的でいられる。
よって、我々は個性や創造性、革新性を重視する。
これが構想の要だ。
人々の行動、生き方、居る場所、何に従事するかを、
科学者軍団に決めさせてはいけない。

ナレーター:
仕事が有意義なとき、やる気や動機が生まれる。
創造的でやり甲斐があって、建設的な努力に従事したとき、
真の成長・発達が生まれる。
しかし給与を稼ぐための、退屈で単調なー
苦労が毎日続いては、動機は死に絶えてしまう。

ジャック・フレスコ:
人々に物を与え、食料も服も家も、必要な分を無料で与えれば、
朝から働くことはなくなる。
不要だからだ。
家も服も、映画も娯楽も手に入るのに、
どうして働くことがある?仕事は苦痛で、単調で、退屈だ。
しかし必要な物を全て利用できる未来で、
やり甲斐ある課題がなければ、人は落ちぶれてしまう。
それで、人々は常に新しいことに挑戦するだろう。
学校では未解決問題を通して挑戦心を与える。
未解決問題は沢山あるのだ。
食料も服も与えられたからといって、脳の働きが止まるわけではない。
仮に止まるとしたら、億万長者は全てを手に入れたことにー
満足して怠けるだろうが、そうではない。
1日 18時間以上働いて、それでも足りないと考えるー
億万長者は沢山いる。これは個人の生い立ちや
教育と関係している。海洋学、天文学などを知るほどに、
さらに興味が湧き、より活発になれる。
食料、服、住居を与えられたら、さあ仕事に行こう。
生活を心配する必要はないのだから、
やる気は激しく押し上がるだろう。
私はこれを革新由来動機システムと名付けた。
貨幣指向ではなく、問題解決指向なのだ。
より良くなる世界を見ることに、喜びを感じるだろう。

『地球資源の聡明な管理方法』

ナレーター:
どうすれば、技術を聡明に用いて、
人々の必要以上のものを供給できるだろう?
これを達成するプランに欠かせないのは、
地球資源を維持する方法だ。
インフラ全体を、一貫的、統合的、全体的な
システムになるよう再構成する必要がある。
つまり、全人類を1つの共同体とみなした上で、
プランを練る必要がある。
技術を用いて資源不足を乗り越え、世界中に豊かさと
環境保護をもたらす唯一の道がそれなのだ。
よって、まず正確に現状を把握するために、地球規模の調査が必要だ。
物理的な資源量、人間の生産性、そして
人々の需要を調べ上げる。
これを元に、必要な物・サービスの総量を決める。
例えば、作物の育つ耕作地はどこか?
様々な土地にどのくらい人々が住んでいるか?
そして彼らの健康状態はどうか?などだ。
ここから、病院を建てるべき場所、軒数が決まる。

ジャック・フレスコ:
これを今行おうとすると、
(全ての国家に地球規模の調査を依頼すると、)不思議がられる。
「お前は何がしたいんだ?資源が十分にあると分かったら、
軍隊やらで戦う気か?」
彼らは疑い深く、情報提供をためらう。
だから今日の文化では上手く行かないようだ。
しかしアイデアが認められ、全ての国に利益をもたらすことが分かれば、
合意を形成する上で、とても有利にはたらくだろう。
認められた時、調査は行われる。
参考にすべきは、私の意見でも、他の誰かの意見でもない。
人口の規模、利用可能な資源、そして
地球のキャパシティ量こそが、できることと
進歩の速さを規定する。
今は全く異なった理論でそれが成されているが、
未来では全て、動的平衡の理論を元に説明される。
つまり環境をおろそかにせず、
かつ潜在能力を最も引き出すように作用させる。

ナレーター:
全員の豊かさと高い生活水準を実現する鍵は、
短期間で出来る限り自動化することだ。

ジャック・フレスコ:
しかし移行期では、技術を積んだコンピュータで、
働く人々の技術的な能力を動員し、
資源の輸送技術や、資源を扱うのに
必要な工場を建築・設計する技術を
確立しなければならない。

ナレーター:
我々の問題と解決策は技術的なもので、政治的ではない。
多くの問題は、技術と科学的手法により解決する。
ただし選ばれた少数でなく、全員に用いなければならない。
欲しいものは何か?自問して欲しい。

ジャック・フレスコ:
私は、子供が戦争に行ってしまう、
恐れのない世界に住みたい。
剥奪や問題、病癖に満ちた戦争のない世界が良い。
「どうやってその世界を創る?」「いや知らない。」
建築はどうか? 科学の様々な分野から考えを集めれば、
「これが今解決すべき問題点だ」と言える。
科学的な政府とは、科学者が人々を支配するという意味ではない。
輸送システムを構築するより良い方法があって、
空気を清浄する方法、海を復活させる良い方法を、
今の我々が知っているということだ。

ナレーター:
この新しく動的な文化のあらゆる面を、
完璧に自動制御で統合できたなら、コンピュータは、
全ての需要を満たせる。
これは複雑な社会のあらゆる物事をカバーする、
電子的な神経システムとみなせる。
生産と分配のバランスをとる機能を有するから、
不足も超過も無いことが保証される。

ロクサーヌ・メドース:
この高度に技術的な社会では、
環境、人間、工業からのフィードバックに
基づいて判断を行う。
これは環境全体にまたがる、電子センサーとみなせる。
街から、工場から、貯蔵庫から、流通センターから、輸送ネットワークから、
世界中からデータを集め、適切な判断を下すのだ。
考慮されるのは社会に必要なものであって、
会社や私的な利益ではない。

ナレーター:
我々が用心すべきは、自動化された技術や機械ではなく、
利己的な利益のために技術が誤用・乱用されることだ。
機械のもたらす結末を決めるのは、人間なのだ。
もし技術が、努力して、
偉業を成そうとする野心家の助けにならないのなら、
その技術の潜在能力は無意味になってしまう。

ジャック・フレスコ:
実際に環境を変える前には、
賛否両論の研究がなされるものだ。

『未来をデザインする』

ナレーター:
豊かさを実現できるように資源を使用・構築する、
技術的な計画がなければ、これらは空論にすぎない。
これから様々な角度から、ヴィーナス・プロジェクトが提唱する、
方策を示そう。
今日の全人口の半分は、汚染されて危険で、エネルギーを無駄にするー
街に住んでいる。

ジャック・フレスコ:
街を設計する際は、生態系や有機的組織体、
学園都市とみなして行う。
未来の都市は全て、学園都市のように
成長し、アイデアを交換し続ける。
街には組み込みの運送システムがあるため、
事故はなく、
技術的に常に制御可能だ。
医療、生態、農業、全てが1つのシステムにまとまっている。

ナレーター:
古い街を再建・維持するくらいなら、
新しい街を1から築くほうが良い。
フレスコは、新しい街をシステムアプローチで設計した。
住む場所としては快適で、理想的だ。
この知的で総合的なプランでは、画一性を排除している。
街で同じような点といえばせいぜい、
資源消費がはるかに少なく、時間とエネルギーを節約でき、
革新的な変化を受け入れられるほどに融通が利き、
地域の自然環境を維持できることくらいだ。

ジャック・フレスコ:
人間の需要を満たす街を設計すれば、
今日に蔓延る問題のほとんどは消える。
中心のドームには、保育、学校、歯医者、医療がある。
街の設計・制作にあたっては、
都市システムの8分の1を作ってから、それを複製する。
建物、構造を1つ1つ設計する方法では、
気力や才能を非常に浪費するからだ。

ナレーター:
全人類の住居問題の解決に取り組むなら、
今使われている建築技術とは全く違うものになるだろう。
押出成形の自立式構造物により、
建築時間は革命的に短くなる。
この軽量で頑丈な住居は押出加工により絶えず生産され、
大型機によって分割・設置される。
この効率的な建築の外殻には、太陽光発電機や
熱コンセントレータが搭載される。

ジャック・フレスコ:
この社会で物を所有する必要はない。
お金なども要らない。
好きなときに物を利用できれば良いのだ。
豊かで、物にアクセスできる社会の住人は、
もはや物を貯めこんだりしないだろう。
リサイクルし、アップデートし、良くしていく。
古い車は、新しい車の資源として、
利用されるから、古い車はなくなる。
古い車は危険だ。
もしあなたが非常に高価な車に乗っていても、他人のオンボロの車で、
ブレーキが壊れ突っ込めば、死ぬ。
高速道路で古い車は望ましくない。
故障はしないで欲しい。
保守の手間もなくしたい。

ナレーター:
資源ベース経済では、
誰もが必要な物を利用できる。それも支払いなし、
維持管理の手間なし、財産に保険をかける必要もなしだ。
こうして、人々に物が行き渡るだけでなく、
必要な物が常に利用できるようになる。

ジャック・フレスコ:
必要な物は全て、この外側のアクセスドームで利用できる。
彫像の材料、楽器など、これは公共図書館にやや似ている。
訪れれば、カメラや自転車、腕時計を利用できる。
必要な物が全て利用できる。
値札なしでだ。
このためには、不足のないほどに高い生産レベルを
達成しなければならない。
そうすれば、ほぼ全ての犯罪はなくなる。

ロクサーヌ・メドース:
社会システムは、公平というだけでは足りない。
人権を保証するシステムを作らなければならない。
全員が物やサービスを無料で利用できるなら、
女性の権利や黒人の権利について争う必要はない。
この社会では、自動的に権利が保証される。
「物を盗むな」といった法律は要らない。
そのような振る舞いは回避できる。

ジャック・フレスコ:
中央のドームの周りには、研究センターがある。
これは共同体全体の持続可能性を、保つために役立つ。
研究センターから外側へ行くと、そこには
レクリエーション場がある。
テニスコートなど、人々が欲するあらゆる試合ができる。
さらに行くと、住居地区になる。
地区の至るところに、小川、滝、湖がある。

ナレーター:
家やアパートには多様な種類があり、
メンテナンスしやすさ、耐火性、
悪天候への耐性などを強化できる。

ジャック・フレスコ:
次のセクターに行けば、アパートがある。
人々がアパートに住む理由は、
劇団があり、体育館や医療、歯科医療などが
全てタワーに組み込まれているからだ。
未来では、人々は個々の家から脱し、
より大きな集合体で暮らすと予想している。
さらに外側へ行くと、屋内農業や、
水耕栽培が見られる。
また屋外農業も行われている。

ナレーター:
街ではクリーンエネルギーを活用し、自然と調和する。
例えば風力、太陽光、地熱、
熱コンセントレータ、圧力、波、温度差発電、
海水噴出孔、などなどだ。
未来のエネルギー生産のために重要なステップは、
ベーリング海峡にトンネルや地峡を造ることだろう。
これら水中の構造物で、海流の一部を捕らえ、
タービンを回してクリーンなエネルギーを生み出す。
これらのエネルギー源を用いて、地球上全てをクリーンに機能させ、
全ての人が高い生活水準を謳歌できる時代を、何千年と続かせる。
もう炭化水素で汚染を起こす必要はない。
汚染は過去のものとなるだろう。
運送はすべて、世界規模の運送システムと統合される。
都市内の運送にはトランスベイヤーを使う。
都市間の移動はモノレールで。
長距離移動には磁気浮遊式高速鉄道が用いられる。
効率性を高めるため、磁気鉄道はセクション毎に
取り外し可能となり、移動中にも外すことができる。
航空機には様々な形態がある。
VTOL機(垂直離着陸機)が、
乗客と貨物の輸送に用いられる。
節約や競売人の圧力はないから、
安全を第一にできる。
このモジュール式の貨物機は、セクション毎に
取り外して素早く積み下ろしできる。
セクション数は、運ばれる貨物の、量によって変える。
全セクションが接続されたとき、一個体として駆動する。
船は移動式の製造工場となり、
目的地までの道中で物を生産する。
さらに、これは教育センターとしても機能する。
子供も大人も世界中を旅し、疑似体験による学習ではなく
現実の環境で対話的な体験をすることで、
革新的な教育を享受できる。
広域な運送システムには、他にも
運河、水路、灌漑(かんがい)システムがある。
これは洪水や干ばつの恐れを最小にする一方で、
魚の移住経路、天然の防火線、
緊急時の水源、漁場、レクリエーション場としても機能する。

ロクサーヌ・メドース:
市場、経済、そして特許の
制限なしに、科学技術の力を
直接社会システムに解き放てば、
短期間でとても高い生活水準を達成できる。
この社会は、新たな技術、発明、アイデアで
絶えず高速に変化し、改善していくだろう。
これは今築かれた社会とは違う、新興の社会だ。

ナレーター:
素晴らしい海洋都市に住むこともできる。
これは海洋環境を修復し、
陸上の人口圧を下げる役割もある。
洋上都市にある大学や研究センターでは、
学生が海洋科学を学べる。
他の役割としては、栽培漁業、養殖漁業、炭鉱、
海洋環境の動的なバランスを維持することがある。
海洋都市は自給可能で、
地理や役割に応じて異なる設計をとる。
この海底観測ステーションでは、海の生物を
自然のままに観ることができる。
養殖漁業・栽培漁業システムによって、
魚などを生み出し、世界中の人々に
栄養が行き渡るようにする。
また水を隅々まで行き渡らせることもできる。
このように技術を用いれば、社会の進歩や
再構築を世界中で、ごく短時間のうちに達成できるだろう。

ジャック・フレスコ:
創られたユートピアは、滅びるか、停滞する運命にある。
対して、私の案とは進化する文化、新興の文化だ。
これが完璧などとは考えていない。
完璧とは何なのかも知らない。
ただ今よりずっと良い方法は分かる。
私はユートピア主義者ではない。人道主義者でもない。
誰もが温もりと調和のうちに生きるだけが至高とは思わないが、
そうでなければ人は殺し合い、地球を破壊するのだ。

ナレーター:
この新たなライフスタイルでは、余暇や
レクリエーションを通して知識や創造性を強化する。
個人の興味を満たすことが成功とみなされ、
富や自己中心的な目標は成功の尺度ではなくなる。
資源ベース経済は、我々の環境をクリーンにし、
効率的で楽しくするだけでなく、
新しい価値観を広めることで、
革新的な取り組みに進んで参加するきっかけを与える。
教育と資源を利用できるようにすれば、
人間は無限の潜在能力を手にできる。
誰もが積極的になれる範囲で努力し、
好きな分野を追求する権利を持つだろう。
今日のような経済的な制限はなくして、だ。
我々は今、決断を迫られている。
現状の変化を望むか? 欠乏と、
浪費と環境破壊を止め、
環境を維持できる豊かな社会への進化を。
未来の可能性に目を向けない国家は、
過去の過ちを繰り返す運命だ。
何度も、同じことを。

ジャック・フレスコ:
我々は傲慢にも、
人類は進化の過程で生まれた最高傑作だと語る。
人類が、海や魚や、大気やもろもろを破壊し、
街の上空でボタンを押せば、
核兵器が街ごと焼き払う。
これが自然の最高の創造物か? 違う!
程遠い、というのが私の意見だ。
我々は地球に楽園を築くことも出来るし、自滅して
全てを忘却の彼方に追いやることもできる。
結末を知るのは未来だけだ。
未来を創るのは貴方だ。

ナレーター:
戦争も欠乏も、遠い記憶となるほどの世界を創ることができる。
あらゆる科学技術が、資源ベース経済の元で、
環境保護と全員の幸福のために用いられたなら、
その時初めて、我々は理解するだろう。
文明化することの、本当の意味を。
ヴィーナス・プロジェクトを現実にしようと
活動している、発展中のコミュニティの一員になろう。
大規模な映画を作る目標を通して、楽観的な未来像を
より多くの人に届ける活動に参加しよう。

ジャック・フレスコ:
これらは全て、今ある知識で達成可能だ。
地球を第2のエデンの園へと作り変えるには、
10年かかるだろう。
決断するのは貴方だ。
核兵器で競争し、武器を開発し、また政治的な解決を試みて、
政党をあれかこれかと選出するのに、
どれも堕落しているのは愚かなことだ。
繰り返すが、共産主義、社会主義、
独裁主義、民主主義、自由主義も愚策だ。
黒人問題も、ポーランド問題も、ユダヤ人問題も、
ギリシャ問題も、女性の問題もない。
全て人間の問題だ!