今回は マリコのうさみみ はらします。

-孝二と付き合い出して5年、マリコは悩んでいた。
彼女も29、夜遊びすると次の日の肌の調子にダイレクトに響く年になってきた。
基礎化粧品にお金掛けなければ為らない。切実な問題なのだ、彼女の夢は20代で結婚すること、
孝二をつなぎ止める為には 美しくなければ為らない。

孝二は この頃変わった。
マリコのことを人前で『こいつ』と呼ぶようになった。
マリコのお金で買い物をするようになった。
「なぁ、マリコこれ買わない?ボクササイズターゲット ブルーモヤイ君。
時は現代!

世は70億総バトル時代!!


そんな時代の 一人の 漢(おとこ)の物語。

「再加速パンチ!でぁ~」

闘喬バトルドーム第3試合場、まさに今 勝負が決しようとしていた。

「闘士郎!やん」

「兄ィ!ずら」

八頭家 闘士郎(やずや とうしろう)のスキル『加速』の発動により
再加速した拳はあり得ないうごきをした。








-昭和20年8月15日

ラジオから流れてきた天皇の言葉は終戦を告げた。
青年は膝からその場に崩れ落ちた。
頬を伝う熱いものがある。

「俺は泣いているのか?」

男は泣くものではない、そう教えられた彼にとって初めてのことだった。

「じい様すまない、俺は日本を守れなかった。」

尊敬する祖父が瀕死の床で 彼に遺した最後の言葉

「日本を、この国を頼む・・・」

祖父が死んだ時も流したことが無かった、自分には涙が存在しないとさえ思った。

「俺は何をやってたんだ。」

日本が宣戦布告をして これまで 彼は彼に出来うる全てをこの国に捧げてきた。
それでも この国は戦いに敗れた。
涙は溢れ、止まることを知らない。
彼は天を見上げ 嗚咽を上げた。

やがて 彼の涙は血の涙に変わる

「この日、今日という屈辱の日!忘れぬぞ!
そして、いつの日か 必ず復讐し、日本を世界の盟主にしてみせる!!」



-昭和55年 世界を震撼させる出来事が日本から発っせられた。
某大学 五十木教授のプロジェクトチームの研究の成果は世界の在り方をも変えうるものだった-

"超人類"の発見。

この 一見胡散臭い言葉は、誰もが ジョークの類い・エイプリルフールといいうる
には十分のインパクトだった。