第3次世界大戦は必ず起こる!!

第3次世界大戦は必ず起こる!!

中国は、今まさに経済発展中ですが、中国人の脳裏には、第2次世界大戦で「小日本」から傷め付けられた苦い記憶が、PTSDのように深く刻み込まれているのです。中国人は、もう一度日本と戦争をして、日本人をこてんぱんにやっつけないと気が済まなくなっているのです。

 昨年の暮れから年始にかけて、南米に行ってきた。さるツアー会社の旅行で、参加者は3名。東京からの私と、大阪からの夫婦2名、女性の添乗員を含めても、たった4名の、ツアーと言っても、まるで個人旅行のようなノリであった。私は、あまり旅行記を書くのは好きではないが、今回行った、ボリビアのウユニ塩湖があまりにも素晴らしかったので、どうしても書きたくなったのである。

 ウユニ塩湖は、12月から2月あたりが雨季で、雨が適当に降ると、塩湖に水がたまり、あの「天空の鏡」が見られる。もちろん雨が降らなければ、この現象は見られず、逆に雨が降り過ぎても、水かさが増して、4WDのジープと言えども、湖の中ほどにあるインカ・ワシ島に行けなくなるのだ。一方、ウユニ塩湖で、もう一つ旅行者が楽しみにしている、いわゆる「トリック写真」を撮るためには、塩湖が乾いている必要もある。ウユニ塩湖に滞在するのは、12月27日と28日の2日間だけ。両方楽しむためには、27日は日中晴れて、その晩適当に雨が降り、28日は、朝ぐらいには雨が止んで、午前中晴れる必要がある。本当に、そんなにうまく計算通りに行くのか? 私は、「トリック写真」には、それほど興味がないから、雨だけは適当に降ってくれよな、と、成田空港でも南米へ向かう機内でも、祈るばかりであった。

 さて、問題の12月27日。首都のラパスから飛んだ国内線は、ウユニ空港に朝8時ごろ到着した。ウユニは快晴。到着後、定番通り「列車の墓地」や「コルチャニ村」を観光した後、念願のウユニ塩湖に向かう。ウユニ塩湖の最高地点は、標高3760m、ほぼ富士山と同じ高さに、この巨大な湖があるのだ。塩湖の大きさは、約120km×約100kmあり、面積は約1万2000㎢ と、大体新潟県や秋田県ぐらいの広さがある。そして、ウユニ塩湖は、広いだけではなく、高低差もほとんどなく(50cmしかないという)、人工物も全くないので、もう見渡す限り、真っ白で真っ平。ジープでどこまで飛ばしても、白い大地に六角形の塩の模様が延々と続く。この日は、車を適当なところに停めて、コーラのペットボトルの上に横たわっているような写真とか、人間がカップヌードルのフォークで摘ままれて食べられる、といった、いわゆる「トリック写真」を何枚か撮った。

 さて、27日の夕方ぐらいから曇り模様となり、夜の星空観賞は、星が見えないということで、中止となった。そして、念願通り、夜10時ごろから雨が降り出したのである。「塩のホテル」の天井に雨音が、心優しく響く。「やったー! もっと降れ降れ!」と、添乗員の言葉を借りれば、完全に「八代亜紀の歌の世界」である。ところが、翌28日の朝6時ごろになっても、まだ雨は降り続いたのだ。「オイオイ、もうそれぐらいでいいよ。ちょっとお祈りが効きすぎたかな。今日、日中も雨が止まなかったら、天空の鏡どころか、インカ・ワシ島にも行けなくなるな」と、だんだん心配になってきた。朝9時に迎えのジープが来る予定だけど、何とかそれまでに雨が止んでくれないかな、と、今度は晴れの天気を望むのだから、全くいい気なものである。朝8時になって、ホテルの部屋から外を眺めても、まだ雨は止まない。「あーあ、今日は、このまま一日中雨なのかな。八代亜紀が効きすぎたな。まあ、しゃあないか、あきらめましょう。お天道様には勝てないし・・・」と思っていたら、何と、部屋のドア入り口近くのクロゼットの天井から雨漏りがしているではないか! ホテルのフロントに電話したら、雨が滴る床に、タオルを敷いてくれただけであった。ところが、9時ごろ、迎えのジープがホテルの玄関に着いたころ、何とラッキーなことに、雨はほとんど止み、傘なしでも歩けるぐらいになってきたのである! ジープは2台やって来た。添乗員を入れて、たった4名の観光客である。私が乗った先頭の1台目のジープには、前の座席に現地運転手と現地ガイドが乗り、後部座席は、私一人であった。後からついてきた、2台目のジープには、現地運転手と、添乗員、大阪の夫婦の4人が乗った。現地ガイドが英語で言う。「これからインカ・ワシ島まで、60km走ります」と。「60キロ!! 島までそんなにあるんですか!」と私が言う。「そうです」とガイド。車が走り出すと、雨は完全に止み、次第に晴れてきた。20~30キロぐらい走っただろうか、人工物も全くなく、距離感が全くつかめない。先頭車両なので、車の前を見ても、窓の左右を見ても、見えるのは、白い水面と、綿雲のような純白の雲、そして紺碧の空、それだけである。いくら走っても走っても、それしかない。そのうち、私は、何とも言えない幸福感に包まれて、涙が止まらなくなった。ガイドに言って、車を止めてもらい、うしろに向かって歩き出し、2台目に乗っていた添乗員に、私は泣きついた。「添乗員さん、ありがとう。私は、世界中いろいろなところに行ったけど、涙が出るほど、感動したのはこれが初めて」と。

 私は、南極にも行ったし、イグアスの滝にも行った。アメリカのグランドキャニオン、あるいは、ローマやミラノの荘厳な教会、パリのエッフェル塔、中国の万里の長城、・・・・・。こうした”普通の”観光地では、巨大な氷山があったり、あふれんばかりの水しぶきがあったり、長大な峡谷があったり、素晴らしい建築物があったりする。観光客は、その壮大さに感動し、誰しもが、嬉々として、カメラでパシャパシャ写真を撮るわけである。しかし、どこの観光地に行っても、感動で泣いている客など何処にもいない。ところが、ウユニ塩湖は違う。360度辺りをゆっくりぐるりと見回しても、2台のジープと現地の人3人、我々日本人4人を除いては、視界に全く何もないのだ。あるのは、純白の水と、純白の綿雲、そして純青の空、そして遠く向こうに小さな黒い島影がいくつか・・・・・。ここはいわゆる普通の観光地ではない。人工物はおろか、山も川も滝も峡谷も何もない。ちょっと妙な言い方だが、いわゆる「自然」さえ全くないのだ。富士山のてっぺんにある「天空の世界」。大阪の女性がこう言った、「木村さん、ここは天国のようですね」と。まさしく、天国というのが本当にあるのなら、私も、この世から消えたとき、魂をウユニ塩湖に連れてきて欲しい、と心から願ったのである。

 

平成30年1月24日(水)