本を読んだり、人と教育について話をしたりしていると、たまにこんな話が出ます。
「塾や予備校が、子供の考える力を奪っている」
はたしてそうでしょうか?
多くのの進学塾や予備校では、来てくれている生徒の成績をあげる、力をつけることを
まず第一に考えています。生徒それぞれの第一志望校合格という目標を実現させるために、
より良い授業の進め方を考えたり、さまざまな宿題を課したりするわけです。
そういう意味では、通ってくれる生徒さんは、塾・予備校に来て授業を受け、その宿題を
きちんとこなしていけばそれだけで志望校合格に近付いていくわけですから、受験に向けての
日々の過ごし方や学習法などで必要以上に悩まなくていいわけです。
そういう部分が逆に考えると、「生徒が自分で考えない」「塾や予備校が与えすぎるから子供
がダメになる」などという批判につながるのでしょう。
確かに、与えすぎている面は否めません。授業用のテキスト以外にも、様々なフォローアッププリント
や自習用テキストを渡したり、担任制などというシステムから生徒一人一人の受験プランを作成してやったり
していきます。生徒やその親が自分自身で時間をかけて調べあげたりしなくても必要な情報が手に入るため、
中には自分たちが受験をするのにえらく受動的だな、と思われる生徒・親も実際にけっこういるわけです。
しかし、だからといって、それが塾や予備校のせいということになるのでしょうか。
塾や予備校はあくまで頑張って受験勉強していこうという生徒・親をサポートしていくところです。そのサポート
に頼りっきりになって自分たちが考えなくなってしまうなどということがあるとすれば、本末転倒もいいところです。
しっかりとした目標をもって、その実現のために塾・予備校を活用しよう、そういった主体的な姿勢で取り組めば、
自分たちの考える力が奪われているとかバカなことは言わないはずです。逆に、受験に合格するために、目標実
現のために、どれだけ効率のいいシステムの中にいるかということに気づくのではないでしょうか。
すべては、本人たちの気持ちの問題、主体的に、積極的に塾や予備校を活用するという立場で日々過ごせてい
るかどうかだと僕は思います。
「塾や予備校が大量の宿題・プリントを渡すから、生徒が自分で参考書を選んだり自習したりしない、そのこと
が生徒の考える力、選ぶ力を奪っているのでは」という話もあるますが、どうでしょうか。自分で参考書選んで取り
組んだからといってうまくいくとは限りません。むしろ、失敗したり長続きしなかったりすることの方が多いのでは
ないでしょうか。特に基礎レベルからの自学自習というのは非常に困難で、その時々で学習についてアドバイスし
てくれたり、授業を通して少しずつ学んでいくほうがはるかに効率がいいし、失敗する可能性も少ないと思いま
す。
そもそも、学校も含めて、授業を受けるということ自体、ある意味受身の学習ですよね。「考える力」というのは、
勉強を通してだけでなく、スポーツや遊びなど、自分が真剣に取り組んでいるものを通して少しずつ身についてい
くものなのではないでしょうか。