【サブスク全盛でもタワーレコードの業績好調】二極化するCD・レコードの“現物”を買う人たち 「推し活で特典求めるアイドルファン」と「中古盤を買い漁る音楽ファン」
とある男性アイドルグループのファンだという会社員のAさん(30代女性)は、複数用意されている特典のために、同じCDを何枚も購入している。
「たとえばシングルなら“初回盤A/初回盤B/通常盤”みたいな形で複数バージョン発売されるのが基本です。しかもチェーン店別で異なる特典があったり、あるいは全バージョンセット購入をしたらまた別の特典があったりなど、特典の種類もたくさんある。できればその特典すべてを手に入れたいので、いろいろなお店を回ったり、ネット通販を駆使したりして、たくさんCDを買います」
メンバー別のトレカやクリアファイルなどが特典となることもある。どのメンバーのグッズが当たるかは指定できず、ランダムで配布されるケースも多い。
「ランダムの特典の場合は、それもコンプリートしたいので、とりあえずメンバーの人数分を買って、ダブったらファン仲間とトレードしています。結構お金はかかりますが、そのため仕事をしているようなものですから」(Aさん)
フラゲ日にはタワレコに大行列
こういった推し活に心血を注ぐ熱心な音楽ファンが増えたことも影響してか、CD小売大手のタワーレコードは、2024年2月期(第43期)に前期比85.5%増となる18億8300万円の利益を計上し、過去最高益を記録した。エンタメウォッチャーの大塚ナギサ氏も、タワーレコードの好調ぶりを感じているという。
「学生時代から何十年も渋谷や新宿のタワーレコードに通っていますが、年々K-POPを含むアイドルグループの売り場が存在感を増しています。CDの発売前日となる火曜日、いわゆるフラゲ日ともなると、男性グループのファンと思しき若い女性たちがタワレコのレジの前に大行列を作ることも珍しくない。“CDが売れない時代”とは言うものの、同じCDをたくさん買う人が増えているような感覚は、確かにあります。実際、私自身も好きなアイドルグループのCDを複数形態買うこともよくあります。
ただし、洋楽の新作CDなど、どんどん減っているジャンルもある。たとえば渋谷のタワレコでも20年くらい前に比べると洋楽の売り場は小さくなっています。昔は渋谷のタワレコで海外アーティストの旧譜を探すこともよくありましたが、最近では探してもお目当てのCDがないことも多い。そもそも旧譜が廃盤になってそのままというケースも多く、欲しいものが手に入らないのは仕方ないのでしょう。そういう意味では“より売れる新譜”に軸足を置くことで、タワレコが好調をキープしているのかもしれません」
中古アナログレコードを買い漁る40代男性
推し活としてたくさんCDを買う音楽ファンだけでなく、いまなお“モノ”としてのCDやアナログレコードにこだわる音楽ファンもいる。都内の広告代理店に勤務するBさん(40代男性)は、アナログレコード目当てにタワーレコードに足繁く通っているという。
「10代の頃からずっと音楽が好きで、当時からジャンル問わず、有名無名問わずCDやレコードを買い漁っています。最近は、渋谷タワレコのアナログフロアーのレコード棚を何日かかけて隅から隅までチェックしています。新品もあるし、中古盤もたくさんあって、探しているだけで楽しい。レコードの棚を掘り続ける楽しさは、昔から変わりません」
そんなBさんだが、以前はタワーレコードを利用することはあまりなかったという。
「昔は渋谷や新宿に、いろいろなジャンルに特化した小規模のレコード店がたくさんあったんです。マニアックなレコード、レアなレコード、流通数の少ない最新のレコードを手に入れるなら、そういったお店に行くことが多かった。
でも、そういうお店もどんどんなくなっていき、今となってはアナログの中古盤を探すなら、ディスクユニオンか、渋谷のタワレコか、渋谷のHMVか、みたいな感じ。つまり、中小規模のレコード店が減った結果、タワレコで買う機会が増えたという側面もあるんです」
10代からレコードを買い続けているBさんだが、最近は購買意欲が増しつつあるという。
「若い頃はやっぱりお金もあまりなくて、欲しくても買えないレコードがたくさんあった。いまはそういったレコードが中古盤になって、結構安く出回っていたりもするんです。めちゃくちゃマニアックなものに出合えることは減ったけど、若き頃の淡い思い出を呼び戻す感覚で、思わず買ってしまう中古盤は結構ありますね。
https://www.moneypost.jp/1219067/3/
知人の娘さんはCDプレイヤーを持っていないけれど特典欲しくてCDを購入
10万円位つぎ込んだそうです。
一度も聞いたことなく400円位で売却。