キム・ナムギルが チョン・ドヨン、オ・ウンスク、ハン・ジェドクと交わした会話(feat. 無頼漢)②


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<無頼漢> ヘギョンとジェゴン


<無頼漢> は、雰囲気で読まれる映画です。表に出せない曖昧な感情が衝突して奇妙な情緒を作り出す。この中で最も手に負えないものはキム・ナムギルが演技した刑事チョン・ジェゴン。チョン・ジェゴンはジャンルでいうと推理ドラマに近い。まったく本音を見せない。殺人犯の女(チョン・ドヨン)に「俺たち一緒に暮らさないか?」ちらっと心をほのめかしたが、「本気なの?」と問う女性の言葉に再び心を隠してしまうこの男は、まるで傷つかないために自ら先に傷の中に入る男のようでもある。いつも振り出しに戻るような生活を送っているチョン・ジェゴンはキム・ナムギルに会って、より孤独になって深まった。


キム・ナムギル: ドヨンヌナ(姉)に会う前に、チョン・ドヨンという名前から来る期待と不安がありました。チョン・ドヨンの前では、おそらく多くの俳優たちがそうでしょう。私は演技するとき「誰に勝たなくてはいけない」など思ったこと無いのに心配になるんです。ジェゴンキャラクターをもっと上手く表現したい、そんな「必死」をドヨンヌナには気付かれたくなかったんです。それと同時にドヨンヌナに心理的に頼って行ったこともありました。

チョン・シウ:チョン・ドヨンは男優を緊張させることのできる珍しい女優だと思います。実際多くの男優たちがチョン・ドヨンの前では緊張されるとおっしゃいます。相手のそのような緊張感が感じられますか?

チョン・ドヨン: (彼女だけの軽快な鼻声で) そだね~ どれだけ気を使ってるのかしら。(一同(笑))

キム・ナムギル: 以前にジョンミン兄がそうだったって。自分ではなにかよくやったと思ったのに「あん、まだ不十分か?」とさせるのがチョン・ドヨンだと。

ハン・ジェドク: 映画告祀の現場や試写会打ち上げにチョン会長が現れたら大騒ぎになるんだよ。仰いで見る俳優もいて(笑) ソン・ガンホ、チェ・ミンシクのようなベテラン演技者たちも会長の前では違うんだよ。

チョン・ドヨン: あぁ~ 先輩たちとは私が未熟な頃から一緒にしてたから。私はフィルム時代を一緒に過ごした女優じゃないですか。疾風怒濤の時期を共に通過したので、お互いがとても楽なんです。私はむしろ後輩たちがもっと難しい。「ヌナ(姉さん)、ヌナ~」といわれても気が気でないんてす。オッパ(お兄さん)達と演技したら生き返ることが確かにあります。

キム・ナムギル: 私は相手俳優にうんと乗っかるスタイルです。<モダンボーイ> のときのチョン・ジウ監督も「自分は良い俳優としたら演技もいいだろ。それでこそ、おまえが肯定的なエネルギーを吸収することができる」とアドバイスしてくれました。だから、ドヨンヌナ(姉)に会って本当によかった。何よりも私が悩んでいる点をヌナ(姉)があまりにも明確に見ていて何度も驚きました。ヌナ(姉)が「カンヌ審査員」を訳もなくしたのではないんです。映画と人を見る目がとても冷静です。助けをたくさんもらいました。

チョン・ドヨン: あまりにも演技に欲が多い友ですね。いい俳優に対する正解があるわけではないてすが、「今のキム・ナムギル」を越えたいというのがみえました。側で見守ってきたナムギルは極端的な魅力を持っているようです。世間知らずの子供の姿もあり、逆にとても男らしい姿も持っています。う~ん … 中間もちょっとあったらよかったのに~(一同(笑))

キム・ナムギル: 私は元々計算して分析するスタイルでした。ドヨン姉に会って変わったんです。現場をもう少し感覚的に見るようになったというか。未熟なときも現場感覚はありましたが、マニュアルを代入する方だったので、今では現場の変化をもう少し柔軟に受け入れられるようになりました。




───── 続く ─────