キム･ナムギルと彼の「行きつけの漫画喫茶」で語り合った話 ①
───── 続き ─────
- 漫画を原作にした映画が多いです。もしかして実写で演じてみたい漫画がありますか？
= たくさんありますね。特にやってみたいのは<るろうに剣心>。日本で同名の映画が作られたりもしました。アニメーションを実写化することは本当に難しいのに <るろうに剣心> は本当に良いです。事実、以前に <るろうに剣心> の版権を買おうと日本に問い合わせしたんです。韓国の歴史に合わせて脚色すれば面白いだろうと思ったんです。ところが、売らないとのことでした。残念だった思い出があります。
- キャラクターのインスピレーションも受けて、映画化に対する考えまで… 聞いてみると、あなたの漫画喫茶は一種の「創作空間」ですね。
= そのような面があります。
「ジャージマニア」であるキム･ナムギルはこの日、上下のトレーニングウェアを着ていた。
- とにかくジャージですね。「ジャージマニア」という話を聞いて今日どんな服を着てくるか内心期待していました。(笑)
= 服のほとんどがジャージです。季節ごとにジャージを取り揃えていますが、夏が最も曖昧ですね。
- なぜでしょう？「着こなし」が要らないから？
= そうですよ！(笑) 体を整えていれば半袖白Tシャツ一枚でも感じがいいのに私は痩せているのでさらに貧相にみえます。ハハハ。
= いえ、何て言うか …「フィット(Fit)」感があるのですが？
= フィットさすには、それなりに気を使うんですよ(笑) もしかして知っていますか？ジャージにもファッションがあるということを。私はブランドものは知りません。だから、ブランドショップを通りすぎるときも淡々としています。その代わりにスポーツ店を見ると足が止まります(笑) あまりにもジャージを礼賛するので、インタビューの時「ジャージの着こなし」を聞いてくる記者の方たちもいらっしゃいます。それでは詳しく説明しましょう。パンツは一つ小さめサイズを着てこそ「フィット」感がいいです。膝が出ないようにするには長く座っていてはいけません 等々。（大笑い）
‐ あなたにとってジャージは楽な服というより、個性の一部である感じですね。
= はい。もうシグネチャー(signature) な感じで受け入れてくださる方々が多いです。以前はジャージのために女優に誤解されたことが山ほどもあります。ジャージを着て現れた私を見てから「この人何？私を馬鹿にしてるの？」だって(笑) 十分にそんなことがあるんです。それでその後は「誤解しないでください。私の相手を馬鹿にしているのではなく、本当に服はジャージしかないんです～」と話してたら、ある瞬間からそのような話をする必要がなくなりました。まず笑いながら「聞きました。ナムギルさんジャージで通うこと、誤解しないから心配しないで」ってね（大笑い）
‐ 本当にシグネチャーになりましたね。
= 私は過去に事故で肩と膝の手術をしました。故障箇所が多くなり整った服を着ると体が苦しいようです。最初はリハビリのためにジャージを着たのにそれが意図せぬ方向へと発展したのです。私も運動が元々好きでそんなこともあって。
‐ 中学校の時、陸上選手だったんですか？
= 学校に短距離陸上部が正式にあったのではありません。ところが、僕が走るのが早かったため、試合に選ばれて出たりしました。一等になったこともあります。そうしたら高校にスカウトもされて(笑) 記録ですか？非公式記録で100m 11秒9を出しました。しかし、それは公式の100mトラックより少し短かったと思います。
‐ それでもすばらしいですね。悪役を演じた <殺人者の記憶法> でソルヒョンさんが演じたウニを追撃する映像がインターネットに出回っているんですよ。速度か早く歩幅がとてつもないためか 「ソルヒョン,本当に怖かったね」とネチズンのコメントが...(笑)
= ハハハ。僕も見ました。最近撮影した <奇妙な家族>（下半期封切り予定）でも僕が走り回るシーンがあります。スタッフたちが僕を見て大笑いです。一人で高速で走ってるよって。
‐ 運動DNAは誰から受けたんですか？
= 父親がバスケットボール選手でした。大学までバスケットボールをしていましたが、その影響ではないですかね。
早朝サッカーを通して親しくなったサッカー選手、キム･ドンジン ‐ チョ･ジェジン両選手にもらった国家代表選手のバッグ。一時、あまりにも熱心に通ったのでサッカー選手と間違われたという
サッカー場のキム•ナムギル. 服装とポーズは間違いなくサッカー選手
‐ しかし、運動はバスケットボールより、サッカーですか？有名なサッカー狂ですね。サッカーは今もよくされるんですか？
= 週に 一、二度 近所の早朝サッカーをします。たまに夜に練習しに一人出かけることもあります。人々に「お前、プレーヤーでもないのに、なぜそんなに熱心にしてるんだ」と言われるのですが…
‐ そうなんですか？
= 時々、演技よりもサッカーをもっと上手くなりたいと思うこともあります（大笑い）
‐ 攻撃型サッカーですか、守備型サッカーですか。
= 攻撃型ですよ。ウイングフォワード
- 演技ではどうですか。やりとりする演技においてあなたは投げる方だと思いますか、レシーブしていると感じる方ですか
= 演技するときは「ミッドフィルダー」を追求しようとしています。ミッドフィルダーは、攻撃と守備を見て配球をしなければならないポジションだが、演技もそれと同じだと感じました。特に演技経験が少ない仲間と合わせるときにはたくさん与えてあげようとします。相手俳優が映えなければいけないシーンでもそうです。見え透いた発言もできなくはないですが、アンサンブルは本当に重要です。
- 欲を下ろし、全体の図を見るというのは事実、簡単なことではないですよ。
= それが俳優自身にも悪いということをわかっていたんです。作品全体をよく見せてこそ、その中にいるキャラクターも見せられるものであり、ひとりで目立つことをしていては作品も一緒に崩れてしまうことになります。欲が全くないと嘘ぶりましたが、けっこう我慢しようとする方です。そのためか、親しいスタッフたちが、たまにこう言います。「あなたは少し利己的になる必要がある。あまり気を使って合わせようとしないで」と、です。
‐ このような容貌は天性のものですか、後天的な努力の賜物ですか
= 天性でもあるし、先輩たちの影響でもあります。まだ未熟なとき出会った (ソル) ギョング兄、(チョン) ジェヨン 兄、(キム) ヘス姉たち俳優がそのような姿勢だからです。そして本当にセンスがあり聡明な俳優たちはどうすればそのシーンを自分のものにできるかを知っています。作品のために呼吸を重視して、相手を合わせさせてくれるだけです。それを知らずそんな俳優の前でひとりで利己的に目立とうとしていても何の意味もないでしょう。
‐ 例えばどんな …？
= 編集ポイントそのものでカットが相手にまわらないように、自分から終わるようにすることもできるからです。
シグネチャーアイテムのジャージ. 季節の色別.用途別に備えができている.
もう少し楽に会話を交わすために近くのコーヒーショップに席を移すことにした。漫画喫茶を出て自然光の下に立ち、太陽の光を存分に浴びたキム･ナムギルのジャージが本来の威容を発揮する。「 ジャージにもファッションがある 」というキム･ナムギルの言葉をしばらく復唱してみよう。
───── 続く ─────