■一晩100万円接待・運転手付き外車で送迎
東京・西麻布の会員制カラオケバーで顧客を接待し、運転手付きの高級外車で送迎-。複数の投資家から多額の資金を集めたまま出国した慶大の男子学生は、大学生とは思えない行動で話題になっていた。
「英国人の資産家から2億円預かり、5倍にした」
平成23年3月ごろ、都内にある投資会社の40代の男性社長は、知人を介して紹介された男子学生から、こう実績をアピールされた。
身長170センチぐらいのやせ形で、地味なスーツ姿。「雄弁というわけではないが、言葉遣いもしっかりしていて礼儀正しい印象だった」(男性社長)という。
男子学生は社長に「国内の中小型株を中心に、取得した銘柄情報を1秒ごとにパソコンのサーバーに転送し、適切なタイミングで株を売買できる」と説明。投資額は最低1千万円で、1年間で5~6倍に資金を増やせるなどと勧誘した。
複数の関係者によると、男子学生は米国にある慶大付属高校時代に株取引を始め、大学進学後に「株の勉強をしないか」と同級生らを誘って東京都中央区に合資会社を設立した。
当初は数百万円の自己資金で株取引をするサークル活動のような形だったが、同級生らが会社に顔を出さなくなった22年夏以降、男子学生は独自に投資を募るようになったとみられる。
同級生の一人は「株の専門用語をたくさん知っていて『株の先生』という感じ。投資を募っていたことは知らなかった」と話す。
商談には会社事務所のほか、都内の高級シティーホテルなどを利用。西麻布の高級会員制カラオケバーで顧客を接待することもあり、「一晩で100万円近くを使うこともあった」(男性社長)。ベンツやBMWを自家用車として所有、運転手付きのドイツ製高級車「マイバッハ」を顧客の送迎に使っていた。
昨年夏ごろには江東区のビルに事務所を移転。事務所内には世界の経済ニュースを流す大型モニターが設置され、十数台のパソコンが並んでいたが、男性社長は「人が働いている気配がなく、本当に運用をしているのか疑問に思った」と首をひねる。
頻繁にシンガポールに渡航していた男子学生に、社長が理由を尋ねると「現金を運んでいる」などと説明した。男性社長は結局、出資を見送ることにした。
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