さてと。




あねやの部屋でエロ本でも見つけるか!!


私はあねやの部屋に直行し,早速本棚を探ってみる。


「エロ本エロ本…………なんじゃこりゃ?」



私は本棚を探っていると…アルバムが出てきた。



そこには…



「理沙」と「あねや」の写真が100枚以上…異常なほど凄くアルバムが分厚かった。


そしてそこに写っているのは2人だけの写真。



…そういえばあねやと理沙は幼稚園からの親友って…聞いてたような…

私があねやを知ったのは中1の頃だっけ?


理沙なんでもっと前に紹介してくれなかったんだろ…



それにしてもいろいろな写真があった。



ある写真の下には,「俺と理沙。中3だぜ!!」


と書かれてあり,あねやが理沙にふざけて頬にキスしてるのが写っていた。


私の知らない所でこんな写真撮ってたんだね。



その他には小学校の卒業式の写真があった。

「理沙&あねや,小学校卒業!」と書かれてあり,あねやが理沙をおんぶしているのが写っていた。


仲良しすぎやないか!!


ちょっと嫉妬…



他にもいろんな写真を見ていたら,あねやと義一が帰ってきた。



私は慌ててアルバムを片そうとするが!!!


運悪く,アルバムが落ちてしまい,また戻そうとするが…慌てて,他の本を全部落としてしまった。

そしてあねやが入り…

「愛里?あ,それ理沙と俺のアルバム?」


と尋ねてきた。


「え…ま…まぁ…そそそうだけど…」



「それ!俺と理沙が2人で作ったやつなんだ~」


また嫉妬。


そして私は思わずこういってしまった。


「理沙とラブラブだね~~付き合えば?」



「…えっと…俺と付き合ってるのって愛里だよね?」



「頬にキスしてる写真見つけたよ~!!お似合いカップル!」


「愛里,嫉妬してる?」


「は?嫉妬?いみわかんない!」



自分の言ってることがわかなくなる。


「愛里,嫉妬してるだろ?そのアルバムの中に写ってる理沙に」


私はあねやに攻められ…


「してるよ!嫉妬!!何が悪いの!?あねやはどうせまだ理沙のことが好きなんでしょ!?」


思わず怒鳴ってしまう。


「落ち着けよ愛里!もうあとで話そう…」


2日目じゃないのに凄くイライラする。


「後で?理沙と私,どっちが大事なの!?」


思わず質問してしまった。


「もちろん愛里だ,今は義一がいるから…」


ちょっと待って…

わたしなんでこんなアルバムに嫉妬してんの?



「えと,うん,そうだよね…後にしよっか」


私は一応落ち着いた。








まさか,ね…


2人が裏で付き合ってるとか…ないよね


「…おいあねや,そのあざどうした?」


代表して義一が尋ねる。


「殴られた。」


……私と義一は何もいえないまま座っていた。


そして今度は私があねやに尋ねた。


「…誰に…?」


「お前の元彼に」


元彼…?


私の元彼って…まさか…


「ええとぅ…恭祐って人かな?」


私と唯一関係を持ち続けられた男,花咲恭祐 高校2年生。

今年の4月に,売春してたことを隠し切れずに,「新しい好きな人ができた」
といって別れた。


「多分…茶髪で背高い人。右耳にピアスがある」


「やっぱり,恭祐だ…てかなんで殴られたの?」


訳を訊くと,あねやは私に簡単に説明した。


「喧嘩売られて,買った」


「なんじゃそりゃ」


訳がわからず,もう一度尋ねる。


「だからなんで?なんで喧嘩売られたの?」


「「愛里は俺のもんだぁああ!!」とか叫んでた。そんで「へぇ」っていったら,殴られた」

「…いみわかんない,もうこの話題いみわかんなくなるから,やめよ」

ということで,この事件は未解決のままで終わった。



「んで,義一は何を手伝うの?」


「え,お前の荷物とか…いろいろとな」

とあねやが答えた。

「ていうか,今日学校行ってないの?」


「ズル休みした,っていうか…授業めんどい」


平然な顔をしながら,いろいろと学校の愚痴を私に言っていた。


「あーわかる…特に歴史とかってさ,なんで必要なの?」


「わかんない,将来に必要ねぇし」


2人で話してると,弁当を食べていたあねやが私に言った。


「愛里,食べろよ」


弁当を差し出され,食べ始める自分。


「あ,義一は食うな!」


ニャッと笑い,食べ始めようとした義一の弁当を盗むあねや。


「ちょちょ!なんで!?なんでだめなんだ!?俺超腹へってる!!!」


「お前は今から,俺と一緒に愛里んちにいって,荷物を取りにいくのだ!!
帰ってきてから食べろ!!」


「ざけんじゃねぇええよ!!俺,食べたい!食べさせろ!!」


…そして,家の中で追いかけっこが始まった。


お弁当を食べる自分。義一のお弁当を持ちながら走るあねや。そしてそれをおいかける義一。



なんじゃこりゃ…


ドシャッ!!


という音がし,後ろを向くと…


お弁当が,床に落ちてしまった。


「……2人とも,顔がキモいよ。」


私の一言に二人は私を見つめる。

義一はソファーの近くにある,テーブルに向かい…

そして義一はあねやのお弁当を床に落とす。


「ちょおまッ!!なんで俺の弁当も!?」


「お返しだこんやろー!!」


「で,2人は何を食べるの?」


2人の目には光がなく…


そして私のお弁当を見つめていた。


「え,だめだよ。そんなこと,考えちゃだめだよ?」


体が全体震えた。


あねやと義一は…


私のお弁当を襲い掛かってきた。


「いやぁああああ!!!やめてぇえええ!!!私のお弁当!!!」


お弁当を奪おうとするあねやと義一。


そしてお弁当を奪われる私。


う~き…きついっ…


「ねっ…きつい…息できない!!ちょっと!!立ってよ!!」



「おいそれ俺のだ!!」  「いや俺のだ!!」


ソファーの上で喧嘩しているあねやと義一に私は我慢できなくなり,


嘘泣きを始めた。


「…ひくっ…ひくっ…」


「…愛里…?」


2人が私の涙に気づき,お弁当をテーブルに置いた。


「ええと…あのぅ…愛里…ごめん…」

「あねやが俺の弁当を奪わなければこんなことにならなかったよな…」


2人ともコロっと騙されてる!


さっすが私だね!


「酷いよ…ひくっ…ひくっ…」


なんか凄く戸惑ってる2人…


「愛里!!ごめんっ!マジで!!本当にごめん!!」



何度も謝ってくるあねや…あーなんかいいかも。


でもなぁ…


「嘘,泣いてなんかないよ」


涙を拭き,嘘泣きだったことを告げる。


「え,マジで?ちょっと~愛里,びっくりさせんなよー」


「それにしても嘘泣き,うまいな」


と義一に褒められた。



なんか嬉しくない。


「義一,弁当もう一回買いにいかね?あと愛里の荷物も取りに。」


「いいけど,っていうかいこう。」


「っと言うことで愛里!留守よろしくな!!」


2人は上着を着て,ドアを開け,さっさと出て行った。






1人。





不安で胸が埋め尽くされた。

「昨日…私のお母さんが亡くなっちゃったの…それで,1人じゃ帰れそうになったからね…うん,あねやに電話した。そしたらあねや,すぐに来てくれて…んでね,あねやの家に泊まることになったの」




「ふむ,なんかよくありそうな展開だな」



義一が頷いていた。



「まーそれで,私がお風呂に入ったのね,んで出てきたら,あねやの様子が変で…」




「変って?どんな感じ?」




「なんか無口で,冷たくて,イライラしてる感じ」




「あ!それねー,あねやがなぁ…なんかに納得してないときに起こす行動なんだ。珍しいー」




「え?納得…?」



私は首を傾げた。




「今付き合ってんでしょ?あいつ,理沙のこと好きだったろ?んで愛里のこと好きになっちゃってそれを認めようとしない、んでムラムラ」




と説明された。





確かに…なんかわかるぞ。




「んで,そのあとにキスされて…あねやに不安とかいろいろ打ち明けたんだ…そしたらさ,あねやが…」




「あねやが…」





「真剣に聞いてくれたんだ」




と告げると,



「ちょちょ,え、真剣に聞いてくれただけなんだろ?何が嬉しいんだか…」




「…わかってないね!私…今まで…そんな不安とか誰にも打ち明けたことないの…皆引くかもしれないって思って…」




「あーそゆことね」





二人で話しているとあねやが帰ってきた。




弁当とお茶を3個ずつもって。




「あねや,お帰り」





にこっと微笑み,笑顔を向けると…ってあれ…





なにあのあざ…





頬にあざ…?




あるよね?