KTV投稿作品【チョコレート行方不明事件 ① 】の続きになります。

まだお読みになってないかたは①からどうぞ!

ではでは続きへGO!

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***


一度、教室に戻ろう
そう思って、階段を上ると踊り場であやねとちづに遭遇する。

「あれ?風早」

「あんたどこ行ってたの?」

「矢野、吉田」

爽子と一番仲がいい二人。
何か手がかりを知っているかもしれなかった。
だけど、
仲がいいだけに聞きづらかった。

どう切り出せば・・・
言葉を捜して迷っていると、

「爽子が探してたよ」

「えっ!?」

ちづからふいにかけられた言葉に、
風早は反射的に顔をあげた。

「なんか大事な話があるとかなんとか」

「大事な話?」

(ま、まさか俺がチョコをなくしたって黒沼知ってしまったんじゃ・・・)

嫌な汗が手に滲んだ。

「妙に神妙な顔してたけど・・・もしかして、あんた、なんかしたんじゃないでしょーね?」

「えっ!」

あやねの言葉にドキッと心臓が飛び跳ねる。

「ちょっと、うちのかわい子ちゃんになにしたのよ!」

「な、なにもしてないって!」

「本当に?」

何もしていない。
するはずがない。
大事にしてる。
誰よりも大切だから・・・好きだから。

(でも、もしも黒沼がチョコをなくしてしまったことを知ってしまったのなら、傷つけてしまったかもしれない・・・)

風早はいたたまれない気持ちになった。

「・・・・」

無言になった風早をみて、あやねが思いついたようににやっと口の端をあげてから、

「まさか別れ話だったりしてね~」

わざといじわるな言葉を冗談まじりに言ってみた。

「えっ!!」

「あははじょーだんよじょーだん・・ってあんた何マジな顔してん・・・あ、ちょっと風早!?」

それに真剣な顔で反応する風早をみて、
あやねは、まさか本当に何かしたのか?と思ったのだが、
言い終わらないうちに、風早が走り去ってしまったので聞く暇もなかった。

「何あれ?・・・爽子と本当に何かあったの?」

凄い勢いで消えた風早の行った方向をちづがあっけにとられながら見送る。
隣にいたあやねが

「どうだろ、でも爽子の様子から察するに・・まあ、いつものアレでしょ。たいしたことじゃないわよきっと」

と、肩をすくめた。

「ああ、なるほど。」

ちづもあやねの言葉で、なんとなく理解したようだった。


***


(とにかく黒沼に謝ろう)

元々、隠したりできる性分ではない、
自分の不注意でなくしてしまったのは間違いないのだから、
正直に話して謝ろうと風早は心に決めた。

全力で走って急いで教室の前までくると、
丁度廊下反対方向に歩いていこうとしている爽子を発見する。

「く、黒沼!!」

その背中に向かって、風早は声をかけた。

「あっ・・・か、風早くん!?」

弾かれたように振り向いた爽子は
足を止め、風早の方に向かって2、3歩歩み寄った。

風早も息をきらしたまま、
爽子に近づく。

「・・・俺・・・」

「私・・・」

向かいあったまま、少しの沈黙ののち、

「「ごめんっ!」なさい」

まったくほぼ同時に同じ言葉を発していた。

「「えっ!?」」

それに驚いて、再び言葉が重なる。

(なんで?黒沼が謝るんだ?)

「黒沼?」

風早は爽子に謝られた理由がわからず戸惑った。

「・・・あの・・これ・・・」

爽子は少し迷いながら、ポケットの中からそっと包みを取り出す。

それは紛れもない、
朝、爽子からもらったチョコレートだった。

青色の包装紙にくるまれた、
ずっとずっと
自分が求め探していたもの――

「えっ!?・・これ・・・チョコ!!・・・ど、どうして!?」

風早は驚きあまり、声が上ずってしまう。

「・・・私、忘れてしまって・・・」

「?」

「朝、風早くんに会ったとき、嬉しくて、慌ててしまって・・・」

何を言っているかわからなかった。
でも、爽子は何か言おうとしている。

風早はとりあえず、何も言わずに爽子の次の言葉を待った。

「本当はこれも一緒に渡したかったの・・・」

そういいながら、爽子は再びポケットから取り出したものを
箱の上に重ねておずおずと差し出した。

「これって・・・」

受け取りながら、
風早はその重ねられたものに釘付けになった。

それは真っ白な封筒だった。
表には、丁寧にきっちりとした文字で

風早翔太様

と書いてある。

「手紙だけ後から渡すのはなんだかとても恥ずかしくて、こっそり風早くんのカバンに入れようかなともおもったのだけど・・・でも、やっぱりもう一度、きちんと一緒に渡したいなってそう思って・・・」

「・・・」

「・・・そしたら、ちょうど師匠が風早くんのカバンから滑り落ちたチョコを拾っていたので」

「三浦が?」

さっきアイツそんなこと一言も・・・
と一瞬思ったが、そういえば、

『あ、言っとくけど、俺は持ってないよ。・・・でも、知りたかったら教えてやってもいいけど』

あの含みのある意味深な言葉はこのことだったのか。

(三浦のやつ、知っててわざと!)

だが、

「本当は風早くんにすぐに返すべきだったのだろうけど、どうしても一緒に渡したくて・・・。師匠から勝手に私が預かってしまいました」

「そっか・・・そうだったんだ・・・」

「さっき、高橋さんから風早くんが何か探してたって聞いて・・・もしかしたら、このチョコなのではないかって・・・本当にごめんなさい!」

爽子の言葉に、風早は
一瞬でそんなことどうでもよくなってしまった。

風早のさっきまでの緊張した心がみるみる緩んでいく。
暖かいものがこみあげてきて、
自然と唇の端が上がっていった。

爽子はそんな風早の様子に気づくことなく、ギュッと両手を握り締めながら
本当にごめんなさーいとペコリペコリと何度も頭を下げている。

「そんな、謝らないで黒沼!!・・・そっか・・・そっかぁ~よかった~~~!!!!」

真相がわかって、とたんに力が抜けるように、その場にしゃがみこむ風早。

「えっ?」

その言葉に今度は爽子が目を丸くした。

「俺、黒沼に嫌われたんじゃないかって思った」

「どどど、どうして?」

「だって、無意識とはいえ、もらったチョコなくしちゃうなんて・・・そんなの彼氏失格じゃん・・・謝るのは俺のほうだよ。本当ごめんな」

「そ、そんなこと!」

彼氏失格だなんてそんなことあるわけないよっ!
両手をブンブンと振って一生懸命否定する爽子は

「チョコくらいいつでも作るよ!!」

そういって、座り込んだ風早を心配そうに覗き込む。

バチッと視線があって、
風早は頬を赤らめた。

「ははっ、ありがと。・・・でも、やっぱり俺にとっては、初めて黒沼からもらったチョコレートは特別だから・・・よかった。また黒沼からもらえて嬉しいよ」

風早はゆっくり立ち上がると、
改めて、受け取ったチョコをまじまじと見つめた。

「このチョコって俺のために作ってくれたんだよね?」

「う、うん、もちろん!・・・あまり美味しくないかもしれないけど・・・」

チョコレートが食べたかったわけじゃない。

(黒沼のだから。黒沼からもらったものだから)

彼女が心をこめてつくったものを危うく失うところだった。

「ねえ、これ、今開けていい?」

もう我慢できなかった。
さっきから、
やっと手にしたその中身を見たくてうずうずしていたのだ。

「あ、ど、どうぞ」

風早は爽子の言葉を聞くや否や、やった!と言って箱の包装に手をかける。

(このラッピングも自分でやったんだろうな・・・)

なんだか手にしたものすべてが宝石のようだった。

解いてしまうのももったいない気がしてしまう。

破れないように丁寧に包装を解くと、
箱をそっと開けた。

箱の中から現れたチョコレートは
想像以上で、
とても手作りとは思えない、
市販されてるものと見まがうほどのもので思わず息をのむほどだった。

「スゲー、これ本当に黒沼が作ったの?」

「う、うん」

反応が気になるのか、
ひとつひとつの仕草をじっと見つめる爽子の視線に
ドキドキしながら、
風早はひとつ取って、口に運んだ。

口の中で
瞬間的に溶けていくチョコレート

「美味しい!!」

今まで食べたどんなチョコレートよりも
甘くて、深くて、おいしく感じた。
おせじじゃなく、
本当に心からそう思った。

「ほ、ほんと?」

「うん!!ほんとほんと!!!ねえ、もう一個食べていい?」

「よかったぁ~!どうぞどうぞ!!」

風早の笑顔を見て、
爽子もうれしそうに微笑む。

「あ、そうだ。これも・・開けていいかな??」

一緒に渡してくれた
もうひとつの宝物。

爽子からのはじめての手紙。

「えっ、あっ・・・それは・・・ちょっと恥ずかしい・・かも」

真っ赤な顔を両手で包んでうつむく爽子に、

「でも、今見たい。ダメ?」

「えっえっとダメでは・・・」

ねだるように爽子を覗き込む風早。
そんな仕草を見てしまったら、
爽子はダメとはいえなかった。

「ど、どうぞ」

「やった!」

そっとその封筒を開く。
几帳面に丁寧に二つ折りになった便箋を開くと

『前略、風早翔太様・・・』

目に飛び込んできた最初の文字を見て、

(ははっ、前略って)

いかにもそれが、爽子らしくてかわいくて思わず吹き出しそうになる。

そして、その先に綴られていた文字に
風早の心がギュッとつかまれた。

『いつも優しくしてくれてありがとう。風早くんのおかげで毎日がとてもとても幸せです。たくさんの気持ちを教えてくれてありがとう。これからもずっと大事にするので、末永くどうぞよろしくお願いいたします。2年分の想いを込めて。かしこ 黒沼 爽子』

あまり多くない文字。
でも、その一つ一つが嘘偽りない本当の言葉。
爽子のまっすぐな性格がそのまま出ている、そんな文章だった。

手紙を読み終わった瞬間、
衝動的に、
風早は爽子の腕を引いていた。
瞬間的にポスッと爽子が風早の胸に収まる。

「ありがとう」

感動で声が震えた。

今まで、
こんなに誰かのことを愛しいと思ったことはない。
大事にしたいと思う気持ちも、
特別だと感じる気持ちも、
目の前にいる爽子だから感じる気持ちばかりだ。
つきあってからもなお、
未だどんどん膨れ上がる気持ちを風早はどうやって伝えていいかわからなかった。

「あわわわわ、か、風早くん!?」

びっくりした爽子が顔を真っ赤にしたまま、声をあげた。


そんな二人の様子を端から見ていたのは・・・

「あ~あ、結局これだわ」

あきれたようにため息まじりに言うあやねと、

「やっぱりな」

それにうなずくちづ、

(しょーた・・・)

その隣で口には出さないまま、無言で龍も見つめていた。

「う~んベリタイム☆」

いつの間にか高橋千草もその場にいて、二人を見ながらフフフと不適に笑っている。

「貞子ちゃん固い固い♪」

と、どこからか健人の声も飛んできた。

「おーい!みんな~いつもの夢みたいな時間だぞ~~~!!」

ジョーが教室を走り回りながら、
廊下の二人のことを大声でふれまわっている。

集まる
2-Dのクラスメイトたち、
そして
いつの間にか増えていた他のクラスの野次馬たちによって、
爽子と風早は囲まれていた。

周りの声を聞いて、

ガバッ

我に返り、
顔を真っ赤にして、
弾かれたように離れた風早と爽子。

そして、
とどめに

「ほぅっ・・・オレ様の授業の前にいちゃつくとは、溶ろけ太君よ~いい度胸じゃねーか!」

風早の背後から低い声がした。

恐る恐る振り返った風早の目に映ったのは

「しょーた!・・・お前今日はとことんつき合わせてやる!放課後また来い!!」

「えっな、なんで!?」

やはりピンだった。

どっと笑い声と歓声が起こる中、
風早と爽子はさらに顔を赤くしたのだった。


【END】




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と、いうわけで

バレンタインドタバタコメディ(?)でした^^;


久しぶりに書いたお話でしたが、

いかがだったでしょうか?(ドキドキ)

楽しんでいただけたら嬉しいです。


現在

KTVのサイトには

他の方の作品がバレンタインのチョコレートのように

たくさんちりばめられています。

鼻血でそうになります。


皆様の素敵作品もどうぞご覧ください。


※追記:

やはり真夜中に書き上げると確認したつもりなのに誤字脱字の数々・・・。

投稿した作中のは直せませんが、こちらのは若干修正させていただきました。

スミマセン><

アカイホホ*はる様と

紡ぐ詞 つむぎ様によるバレンタイン合同企画


KTV(君届バレンタイン)


For you ~君/に/届/け/2次小説サイト~-ktv

KTV PC版

KTV 携帯版


ギリギリ(というかむしろオーバー)でしたが、

素敵な企画に参加できてとっても嬉しいです。


スイートな作品を・・・とおもったのですが、

どうも私が書くと、こっち方面に行ってしまうようです^^;


風早がなんだかワタワタして、アホの子のようになってますが、

許してください。(ジョーはさらにアホでごめん)


作品としては1本で提出したのですが、

ちょっと長いかなとおもって2回に分けて掲載します。


ではでは早速どうぞ~~


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***


2月14日

(ない!ない!ないないないないないっ!!!!)

風早翔太は盛大に焦っていた。

見たこともないくらい焦っていた。

それもそのはず。

ないのだ。

大事にしまっていたアレが。


アレとはもちろん
去年、自分だけがもらえなかったチョコレート。

今年は、自分だけにくれた、
世界でたったひとつだけのチョコレート。

朝、登校するときに会って、そのときに渡してくれたのに。

「今年は・・・か、風早くんにだけなんだ・・・・」

その言葉を聞いたとき、
嬉しすぎて思わず衝動的に抱きしめたくなった。

「ありがと!!」

そんな念願叶って
ようやく手にした大事なもの。
それが今、ないのだ。

(絶対!絶対ここにしまったはずなのに!!!)

かばんに手を入れて何度もガサガサやってみたのだが、
まったく影も形も見当たらない。

(うそだろ!?)

顔面蒼白とはまさにこのこと。
絵に描いたように青くなったまま、
しばらく動けなくなった。

チラリと視線を送ったのは、
その贈り主。

黒沼爽子だった。

あやねとちづとともにいつものように笑いあってるその姿をみて、

(黒沼に失くしたなんて言えない!!)

ますます焦るのだった。

幸い今は昼休み、
風早は立ち上がるとロッカー、下駄箱
思い当たる場所に探しに行ってみる。

しかし、どこにも見当たらなかった。

青い包装紙にくるまった、
四角い箱。

その中身はいったいどんなものだったのか、
中身はまだ空けていないからわからない。

本当はもらったその場ですぐに開けて食べたいくらいだったのだが、
もったいなくて食べられず、
あえて開けずに大切にしまっておいたのに・・・。

(黒沼のことだから、絶対手作りのはず!!)

あああ~~~どうしよう~~~

風早は頭を抱えた。

が、

(落ち込んでる場合じゃねー!)

時間はない。
とにかく見つけることが先決だ。

しかし、
いくら探しても自分の行動範囲にはなにもなかった。
痕跡すらない。

あとは誰かに聞くしかなかった。
人を疑いたくはなかったが、
『黒沼のチョコレート』
という大事なものを探すのに、
なりふり構ってる場合じゃなかった。

とりあえず、
キョロキョロあたりを見渡すと、
ぴょんぴょん跳ねてるジョーを発見する。

(ん?)

よく見ると、口のまわりに茶色いものをつけていた。

「ジョー!!!」

後ろから羽交い絞めにして、ジョーを捕まえる。

「うわあああ、な、何!?風早っ!????」

そのままズルズルと教室の隅に引きずって、
爽子たちに気づかれない位置までくると、

「ジョー、お前・・・食った?」

「は?」

血相を変えてジョーに詰め寄る

「食ったかって聞いてんだよ!」

今まで見たこともないような風早の
そのあまりの勢いに、さすがのジョーもたじたじになってしまう。

「あ、う・・・うん」

答えるやいなや、

「お前なー!!!!」

風早の目が血走った。

「え?・・・風早何怒ってんの???」

何がなんだかさっぱりわからないジョーに向かって、

「だって!お前食ったんだろ?チョコレート!!!!」

知らないとは言わせない!と風早の顔が近づく

「ええっ!!なんでわかったの??」

「口のまわりに証拠が残ってる!!」

「わぁ~~~まじで~~!?」

「出せ!今すぐ出せ!」

口を無理やりあけようとする風早に
うわぁぁと声をあげながら、
それを阻止しようとジョーも必死に訴える。

「えええ~~!そんなの無理だってぇ~!!!・・・だってさ、風早、貞子のチョコ以外いらねーって言ってたじゃん!!」

それを瞬間、風早の動きがピタリと止まった。

しばらく固まる2人。

「・・・・・・・・・・え?」

「・・・ん?」

ジョーも、急に風早が静かになったので、
どこか拍子抜けした顔で空を仰いでいた視線を風早に戻した。

羽交い絞めにして口をあけさせようとしていた体勢を解き
風早は恐る恐るジョーに聞く。

「・・・ジョー・・・お前の食べたチョコってさ・・・」

「なんだよ~~~!平野と遠藤がみんなにって配ってたんだから別に食べたっていいだろ~~!!」

口を尖らせながらジョーは抗議の声をあげた。

「・・・平野?遠藤?」

「そうだよ!今年は俺スゲー期待してたのにさ・・・まだ、一個ももらえてねーんだよ・・・俺の唯一のチョコ吐き出せねーよ!!」

(絶対ジョーだとおもったんだけどな・・・)

あてが外れた。
風早の捜索はふりだしに戻ってしまう。

(でも、よかった・・・黒沼のチョコは食べられてなかった)

ほっとしながら、

「・・・そっか、まあ・・・頑張れ!」

風早はジョーの肩をぽんぽんとたたく。

「うわっ、なんかムカつく!!なんだよ~風早~!!」

「ごめん、悪かった。他あたる・・・」

そう言って立ち去った風早の背中を

「?????」

ジョーはポカンとした顔で見送った。


***


しばらく廊下を歩いていると、
見慣れた背中を発見する。

風早はその背中に向かって声をかけた。

「龍っ!」

「ああ、しょーたか」

振り返ったのは真田龍、
風早が一番信頼して、気心が知れてる相手だった。

龍のことだ。
見つけたチョコを勝手に食べたりなどはしないだろうが、
何か見たり聞いたりしたかもしれない。

(龍にも聞いてみるか)

「あのさ・・・」

「?」

「チョコ・・・」

いいかけた風早の言葉を聞いて

「チョコ?・・・ああ、あれか」

すぐさま反応する龍。

「えっ!龍知ってるの!?」

驚いた風早が即座に食いつくと、
龍は独り言のようにつぶやいた。

「千鶴の作ったすげー形のすげー味のやつ」

「えっ?」

「キョーレツだった」

「・・・吉田のチョコレート・・・」

思わず風早も想像してみた。
でも、まったくイメージできなかった。

「何をどうやったらあんな味になるかわかんねー」

でも、言いながらもどこかうれしそうな顔をしている龍

滅多に変わらない、龍の表情が緩む時は限られている。

(やっぱり吉田だからなんだろうな・・・)

しかし、
どうやら龍は爽子のチョコは知らないようだ。

風早はその話を聞いて、
ますます爽子のチョコが気になった。

(吉田が手作りでチョコをあげたということは、黒沼が教えたのかもしれない。っていうことは・・・やっぱり手作り・・だよな・・・。)

ますます中身が気になった。

早く探さなくては!
龍に別れを告げると、風早は足早にその場を後にした。


***

次に風早が見つけた人物。

(ほんとはあんまり聞きたくねーんだけど・・・)

一瞬ためらったが、
もしかしたら、落し物で届けられているかもしれない。

迷ってる余地はなかった。

「ピン!」

声をかけると、

「ん?なんだしょーたじゃねーか!」

振り返った人物が、
手ごろな獲物を発見したように、
ニヤリと笑った。

「あのさ、チョコ・・・」

言いかけたとたん、

「・・・あっ!お前さては自慢しにきたんだろっ!」

「は?」

まだ何も言っていないのに、
いつもながらピンは人の話を聞かない。

「てめー、一人で幸せそうな顔しやがって!!」

「なんだよいーだろ!別に」

反論すると、
よけいいじられるのだが、
ついつい、ムキになってしまう風早。

そんな反応をすればするほど、よけいに面白がるピンによって、
いつも雑用をおしつけられたり、いいように使われてしまうのだが・・・

「くそっなんかムカつく!!・・・しょーた、ちょっとこいっ!」

「わっなにすんだ!!」

「いいからこいっ!」

わかっていながら冷静になれない風早は、
案の定というべきか、
大きな身体のピンによって
ズルズルとひきづられるように、連れて行かれてしまった――


***


(・・・はぁ・・・ひどいめにあった)


それからしばらくの間、ピンの肩もみをさせられた上に、
どうでもいいような話を聞かされ、
開放された頃にはどうしようもない脱力感が風早を襲っていた。


すると、そこにやってきたのは・・・

「あっ!風早じゃ~ん」

「高橋」

隣のクラスの高橋千草だった。

「どう?貞子とあいかわらずベリ?」

「えっ??」

意味がわからず返答に困っている風早を見て、

「ふふふ」

なぜか不適に笑う千草。
今は隣のクラスになってしまったが、
1年の時一緒のクラスだったので、よく風早のクラスにも顔を出している。
時に、誰も知らないようなことを把握していたりしていることがあり、
見ていないようでいろいろ見ているあなどれない人物だった。

(高橋って結構情報詳しいよな・・・もしかしたら)

「・・・・あのさ」

言いかけたときだった。

「あっ、そういえばさー風早もうチョコもらったの?」

「え!!」

今、自分が切り出そうとしていた話題をさらりと持ち出され、
風早は驚いた声をあげた。

しかし、本当に驚くべきは次の言葉だった。

「青い包みの四角い箱」

千草の言葉に、
風早の目がまんまるく見開かれた。

「ちょ、高橋なんで知って!?っていうかどこでそれを?」

これ以上ないくらい盛大に驚く風早を見て、

「・・・ふふふ」

なぜか、満足そうに不適に笑うと、
そのまま立ち去ろうとする。

「あっ!高橋!!」

慌ててひき止めようと声をかけた風早に

「あ、いっとくけど、私じゃないからねー。・・・知りたかったら本人に聞けばわかるんじゃなーい?」

「き、聞けるか!!」

「だよねーハハハ」

そういい残して、
千草は楽しそうに軽やかな足取りで立ち去っていった。

「・・・・」

残された風早の中でなぜ高橋が知ってるんだと、
よけいにモヤモヤとしたものだけが残ってしまうことになった。


と、そこに、

「何してんの?風早」

呼ばれて振り返ると立っていたのは、

「三浦!」

両手にあふれるたくさんのチョコを抱えた
三浦健人だった。

(なんか、癪に障るけど、一応聞いてみるか・・・)

そう思って、話を切り出そうとしたときだった。

「いーよなー風早、貞子ちゃんから本命チョコもらえて。俺なんて、今年はほらこれだけだも~ん」

ホクホク顔で今にもこぼれ落ちそうなチョコの山を抱えている健人を見て、

「お前それ全部食う気?」

風早は聞かずにいられなかった。

「あったりまえじゃん!俺基本的に女の子がくれるチョコは全部もらって食べる主義、もちろんお返しも全員にするけどね☆」

博愛主義と自称する健人らしいが、

(俺は黒沼のチョコだけで十分だ)

風早はそう思った。

だが、あえて口には出さなかった。
どうも健人と話していると余裕がなくなる。
悪気はないとはいえ、
自分と爽子がつきあってるとわかっててなお、
未だ気軽に爽子に気軽に接する健人をみてるとイライラしてしまうのだ。

「俺も食いたかったな~貞子ちゃんのチョコ・・・絶対うまいぜ!!・・・あ、そうだ、なんなら俺一緒に食べてやろっか」

「絶対やらねー!!」

「ははは、冗談だって冗談!そんなマジになんなよー」

(ダメだ、やっぱり三浦に聞くのはやめよう)

「じゃあ、俺行くから」

風早はそういい残してその場から去ろうとした。
と、

「そういえば、風早そんな必死になに探してんの?まさか貞子ちゃんからもらったチョコ無くしたとかじゃないよね~?」

急に健人に言われた言葉に
ドキーッ
心臓が止まりそうになる。

「三浦・・・お前・・・」

(っていうか、なんでいきなりそんなこと言うんだ?まさか!)

風早に疑惑が浮かぶ。

「あ、言っとくけど、俺は持ってないよ。・・・でも、知りたかったら教えてやってもいいけど」

まるで心の中を見透かされたような返事が返ってきた。
しかし、健人の意味深な含みを残した言い方にカチンときた風早は

「いいっ!絶対いいっ!!」

健人の言葉をまったく聞かずにその場をズカズカと後にしたのだった。

「相変わらず短気なやつだな~」

健人は苦笑しながら、その背中を見送った。


【つづく】

こんばんは、

きんもくせいです。


アニメの感想も

別マも発売も音沙汰なしでスミマセン^^;



日付かわってしまいましたが、

バレンタインでしたね。

皆様はいかがお過ごしでしたか?


私はもうバレンタインにドキドキすることもなくなってしまって・・・

あ~チョコ買う日かぁ~くらいになってしまってる

やさぐれ奥さんなので、

片思いのときのあのドキドキと手作りした甘酸っぱい思い出に浸るのみです^^;


想いを伝えた人・・・届くといいなぁ~。


というわけで、

私は妄想の中でバレンタインをすごしていましたw


実はひとつのお話を書いていたのです。


以前ご紹介した、

アカイホホ*はる様と

紡ぐ詞のつむぎ様共同企画の


バレンタイン企画、


KTV PC版

KTV 携帯版


For you ~君/に/届/け/2次小説サイト~-ktv




に向けた作品を先ほど書き上げました。


間に合うかわからなかったのですが、

暖かいお言葉をいただいて、

なんとか参加できた・・かも。


たぶん数日以内に掲載していただけるとおもいます。

その後、

追ってこちらにも掲載予定ですので、

楽しんでいただけたら嬉しいです。


引越し作業後、

久しぶりに書いたので、ちょっとドキドキしとります。


さて、

これからアニメの感想そして別マの感想をニヤニヤしながら取り掛かるぞと。


妄想補完話も書き上げられるかな?


そんなこんなな状態ですが、

とりあえず待っていてください。