伯母さんの心配してくれる気持ちもよくわかっていた。

少なからず、イヤな方向に私が向かうのではないかという不安もあるのだと思う。


一度、周りの人たちに自分のやってきたことを全部打ち明けた。


すべて失う覚悟で。


でも、誰一人として私を遠ざけることはしなかった。

むしろ、それぞれが私を気遣って、心配して、それまでと変わらない付き合いを続けてくれていた。


ホビもだ。


一度は身勝手に突き放したというのに。


こんな私なのに。

私はこの人たちを裏切れない。

守りたい。


……昔のような事はしないと誓った。何があっても。


「……大丈夫だよ。

あれから、起きてないから。

それに、大事な時に心配掛けたくないし……」


「心配くらいして、何が悪いの!

……家族なんだから。

昨日のことだって……」


「伯母さん、ホビに何送ったの?

大したことじゃないんだから、変なメッセージ送らないでよね。」


「いのり…

……ちゃんと、必要なときは頼りなさい。

私がイヤなら、シオンでもいい。チビヨナちゃんでもいい。ヨナや、ホソクさん。

あなたには味方がちゃんといるんだから。」


「……大丈夫だってばっ!」

思わず、大きな声で答えてしまった。

自分一人でも解決できる。そう思うと伯母さんの言葉に苛立ちはじめてしまった。


「オンマ~」

テレビを眺めていたナナがこちらを振り向いた。

見ると、ジュンもこちらを不安そうに見ている。


「この子たちのためにもね。」


伯母さんはそれ以降、何も言わずに片づけを手伝って帰っていった。



「ハァ……」


テレビの前に座っていた二人が、流れてきた音楽に合わせて踊り始める。

こちらを見ては満面の笑顔で。

こちらの顔も自然と緩む。