人の痛みがわかるようになる
外国人に日本語を教えていますと、
「中国語話せるの？」とか
「英語話せるの？」とか
100億回くらい言われますが、
私は、小中高、大学も
ずっと日本の教育を受け、
大学は美術系だったので、
高校時代はずっと
デッサンをしていました。
親は香港にいたので、
広東語は１～１０までと、
タクシーに乗って帰れるくらいの
語学力しかありません。
大学は短大（芸術学科）→4年制大学（文化財保存）
→大学編入（教育学部）と、
３つも大学へ行ったけれど、
という履歴からは、外国語には関係なく、
じゃあなぜ英語ができるのかと次に聞かれます。
答えはずばり「苦労したから」です。
元夫の駐在で、アメリカとオランダに、
合計１０年滞在し、
子どもを生み、ほぼ一人で
外国で子育てをして、
最初のうちは、全く話せなかったけど、
震える思いで、車のディーラに連絡したり、
何度も突き返されながら、immigration officeにいったり
泣く子供を連れて病院へ毎週通ったり。
今となっては、これもすべて役に立っています。
みなさんも、初めは語学学校で
日本語を勉強したかもしれないけれど
今の日本語のレベルになったのは、
日々の苦労があってのこと。
日本語能力試験N1を持ってますと言っても
合格した当初の日本語力と、
今の日本語と比べたら
今のほうがずっといいですよね。
好きで来た日本で
苦労しながら日本語を鍛えてこられた。
当然、仕事での失敗や、
日々深夜まで日本人の習慣に合わせて
残業したり、
資料を日本語で完成しても不安だったり、
当然、自分の翻訳に自信もなくて、
徹夜した仕事も先輩にダメ出しされて
わずかなプライドも踏みつけられ、
日本語がダメだと、
けちょんけちょんに酷評されたり、
２０年前の日本企業だったら、
きっと、厳しい環境だったと思います。
じゃあ、国に帰る？
というと、絶対にそれはできない。
「日本語ができる人でいたい」
という、今まで続けてきた意地
というか、こだわりというか、、、
何なんでしょうね。
３０歳になる前、４０歳になる前、
節目の年ごとに一念発起して、
なけなしの貯金で
自己投資して、日本語を習ったり
スキルアップしたり。
働きながら勉強するのは
本当に大変なことですよ。
時間的・体力的にも
辛いときが多いと思います。
それでも、勉強を続け、
はじめてあった日本人に、
「日本語上手ですね」といわれると
うれしくなるし、
「もう一回言ってください」と
言われるとがっかり。。。
ここで何が言いたいかというと、
それが不通だということです。
苦労した分だけ、
今後の生活に役に立つことがある。
苦労した分だけ、
人の気持ちがわかる。
日本語で、「人の痛みがわかる」
という言葉がありますが、
苦労や大変な思いをしなければ、
相手の気持ちはわかりません。
人生、ムダになることなどないと言いますが
本当にその通りだと実感しています。。。
今は大変かもしれないけれど、
絶対に無駄ではないと
信じてください。
日本語発音矯正コーチの
Kimikoです。
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