名曲はサビの歌詞で思いっきり心を掴むケースが多いけど、キュウソは歌い出しから容赦ない。
今日はそんな話。

これから書く内容はただただ一ファンの感想です。

歌詞カードを改めて開いて読んでいると本当に面白いから記事にしたいと思いました。

ブログは「モバイルlog」なので、これも私のキュウソファンとしての記録として。

ですので言わずもがな、個人の見解です。

素人が四の五の言うのもナンセンスなので、早速いくつか挙げてみよう。


【絶妙な言葉選び】
天才だと思う。
「え?なんて?」となる。
もしくは歌詞カードを読んで「そう来たか!!」と気付かされる。
最高です。

そんな作品をいくつかご紹介。

推しのいる生活
生物学的な定説を超えた もう人間は溢れかえっている

すごくないですか?
なに、なに、何の話?ってなる冒頭。
もう人間は溢れかえっている
だから人間以外の話かな
そう、始まるのは推しの話
推しが人間の人も多いと思うけど(私が好きな人たちも人間です)、人間という枠を超えているのかもね。
もしかすると「推し」は生物に分類しがたいもので、そう、「推し」という概念なのかもしれない


KMDT25
そう私の名前は「生真面目童貞25」!(冒頭)
椅子に座る君 それを後ろから眺める僕は(Aメロ)

いつかこの曲だけで一つ記事を書いたのでその時にも書いた気がするけど、冒頭からすごい。
戦隊ものか、怪獣ものか、そのあたりの主題歌かのような……
男性にとってかなり勇気のいる告白だと思うけど、とても真面目に いや生真面目に、淡々と歌っているのが良い。
余計怖い。

Aメロでいきなり好きな女の子にフォーカス絞っているところも盲目的に怖いね!(世界観に合っているという誉め言葉です)


NEKOSAMA
今に始まった事ではない 猫との歴史は一万年
 

逆にしても成立するのに、「今に始まった事ではない」から始めるのいい。巧妙。


春になっても
時の過ぎる早さが 年々加速している気がする


春の切なさや沸々とした葛藤がこの一行ですごい表現されていると思うのですがどうでしょうか?
明るい季節が訪れたはずなのに、過ぎていくことばかりに目が行っているのです


秋エモい
結局今年は海に行くことなく 特には話せる事も無く


秋の曲なのに夏を振り返って憂いている
四季四部作大体切ない



冬幻狂
冬の中迷ってる 誰にも見つからないままだ

 

「雪の中」じゃないけど、浮かぶ情景は吹雪です。
見通しが全くつかない。絶望的。うまい。

ちなみにAメロ歌い出しは「冬 who are you?」
うますぎる。痛快。


MUKI不MUKI
打たない投げない蹴らない転がさない回さない


……何もしないやん!!
こんなにも何もできないことを詰め込めるフレーズはあるだろうか?いや、ない。(反語)
この1行に歌詞の内容を浅く広く網羅しているのがニクい。
余談だけどタイトルのローマ字部分だけ取るとムキムキになるところが個人的にツボです。


ポカリ伝説
Po(カリス)w(エット)

打ちながら大笑いしました。笑
もはや歌詞というか掛け声だけど。
これをあえて歌詞カードに載せるということに意味がある。
発想と遊び心がいいよね、セイヤさん!


DQNなりたい、40代で死にたい
産廃のごとき不必要


すごくないですか?
産業廃棄物扱いですよ
本当にすごい、すごい怖い。
その割にすぐに世界はDQN中心に廻るって認めているのが、チキン丸出しで憎めない

ちなみにこの記事を書きながら気付いたのですが、赤盤の歌詞カードでは「DQNになりたい、40代で死にたい」なのね。


ハッピーポンコツ
一生懸命やっているのになんかズレてる


もう、一行目からほほえましさ全開
ズレてることを先に出すんじゃなくて、一生懸命やっていることを先に出すからこの主人公は本当に愛されているんだね
 

歌詞からは話が逸れるけど、この曲は冒頭のリズムもいい
「一生懸命」を「い・しょ・けん・めい」と詰め込んで(つ、伝われ……!)その後の「なんかズレてる」で「ず・れ・て・ー・る・ー」と穏やかに流れている
キャッチ―で楽しい


【単刀直入型】
曲のテーマ・結論を言ってしまっているパターン
タイトルになってもいいほどの分かりやすさ
その代わり、タイトルが少しひねっていたり、タイトルでは少し引いたワードチョイスをしているケースもみられる

貧困ビジネス
奨学金に殺されそうだ

要するに飽きた
離婚届に判を押せ

記憶にございません
嘘つき

もう、すごい。……すごい。
(ちゃんとコメントして!!!)
毎日シャッフル再生しているのですが、偶然一曲目にこのあたりが来たらビクッとします。笑
朝子ちゃんはかわいい。


そしてもう一曲、こちらも紹介しておきたい。

私飽きぬ私
不安だ不安だ不安なんす

まぎれもない名曲。
セイヤさんは自分たちの楽曲を「名曲であり、迷曲」ということがあるけど、この曲は名曲でしかないです。
「私飽きぬ私」というタイトルももちろん、考えるとかなり分かりやすいものなんだけど、不安なんすと言われるともっと分かりやすいよね。
歌い出しが「不安なんす」。

一見ネガティブだけど、不安に向き合いまくってぶっ飛ばすこの曲は明るい。キュウソは強い。

5RATSでこの曲が初披露されたとき、歌い出す前のセイヤさんの一言が
「不安も全部、自分だ。」
だったと記憶しているんですよ。
自分を丸ごと受け止めて立ち向かう、なんてかっこいいんだろう。

今これを打ちながら泣きそうになっている。

何なら「わたしあきぬわたし」と発音するだけで、ちょっと疲れているときなんかは私泣いてしまう。

それくらい寄り添ってくれる曲です。
以前メディアのインタビューを受けてキュウソの魅力を語った時にもこの曲この歌詞について話したけれど、話しながらグズグズしてしまった。
本当にいい曲。大好き。



【窮鼠猫を嚙む、が体現されている歌詞たち】

説明するまでもないと思うので、早速。


5RATS
💥魂💥(冒頭)
勝ち組に生まれたわけではない から努力は必要さ(Aメロ)


冒頭の「魂」は「ソウル」と読ませているけど、その後の同じ部分は「魂」ではなく「SOULS」と表記しているものが2回。
しかも5匹のネズミの絵文字と一緒に綴られている🐭🐭🐭🐭🐭
1つの魂が5匹のネズミになったかのような。
いいね。

「勝ち組に生まれたわけではない」と一度認めた上で
「から努力は必要さ」と繋げる。
このスペース「 」の場所が本当にまじめだなと。
ちゃんと一度落とし込んだ上で対策するのね。
しかもその対策が、「努力は必要さ」。真面目。
努力するキュウソネコカミの姿勢が好き。


困った
クラブやディスコに怖くて行けぬ


誰がこんな歌詞書ける?
この曲歌詞は救いようなく最後までネガティブだけど
(結びは「人がこわい!!!!!!」)
この曲の特異なライブパフォーマンスでキュウソがキュウソらしさを見つけたらしい
そんなエピソードも含めて「窮鼠猫嚙」を回収しているのがすごい。


3minutes
密集!密閉!密接!!!


コロナ禍で出したCDの一曲目がこれって最高じゃないですか?!
しかも10周年イヤーのCDだよね?
言わずもがなタイトルは3密
タブーとされることをしっかりと歌う。
さすがパンクロック!
そしてしっかり3分
遊び心も満載。最高。
これがDMCC2023(ほぼ週末ツアー)の一曲目として演奏されたところまでが完璧なシナリオすぎる。


The band
おもしろいのは大変ね、同じことじゃ飽きられるから


客観的なように見せながら、いつも面白くて飽きさせずにいようとしてくれるキュウソの想いが詰まっているようにもうかがえる
実際いつもおもしろいし、全く飽きません。ありがとう。

 


あいつホンマ
あいつはめちゃくちゃバカだけど 命をつなぐ心に灯す


2022年12月の5RATSのライブ序盤でも演奏。
この「あいつ」はキュウソを支えた人かもしれないし、はたまたキュウソメンバーかもしれないね。

この曲は、結びの歌詞も紹介してこの記事を締めくくりたいと思います。


誰かにとって光になれるなら
誰かにとって希望になれるなら


キュウソネコカミにたくさんの光と希望を。
そのために、ずっと大切な人と過ごせる環境の中にいてくれますように。





歌詞引用 キュウソネコカミ
ここに掲載している曲はすべて作詞ヤマサキセイヤ氏によるものです


 

 

 

 



追伸
インディーズの頃のとがりまくった歌詞が痛快で潔くパンクでめちゃくちゃ好きだけど、冒頭だけじゃなくいろいろ触れたいし書き出したらごちゃごちゃするので今回は割愛!