気象庁が、重大な災害を危惧すると脅しをかけている。
かなり暴れん坊な奴だな。
来週の月曜日に直撃するみたいだ。
逢いに行くなら…今日だな。
懐かしの美人で感度も良し。
スープの匂いと美味いチャーシューを思い出すだけで唾液が洪水状態になってくる。
名古屋の南に位置する豊明市にその本店はある。
すぐ近くに境川が流れており、それを越えたら刈谷市になる筈だ。
昔の女に逢うみたいでかなり胸がときめいてくる。
いい女だった。
スラリとしたカモシカのような脚、ウエストのくびれ、手入れの行き届いた艶のある長い髪。
スリムなジーンズは綺麗なヒップラインを際立たせる。
全てに完璧な女だった。
逢いたかったぜ!
『麺達』‼︎
益々美人になっていくよな。
それにセントレアに出店しているぐらいだから、世間も黙ってはいないだろうよ。
胸の高鳴る鼓動を抑え気味に店内に入った。
人気の高さが伺えるってことだ。
営業時間の初っぱなに行くのがベストだ。
なんせ行列が出来ちまうと待つのが大変だからよ。
一番乗りは気持ちがいい。
豚骨スープの匂いがほのかに香る店の一番奥のテーブルに座る。
おしぼりとウォーターが出るやいなや、
「生ビールにチャーシューを、ラーメンは後で」
直ぐにお品書きを見る。
記憶の奥深くに隠れた感覚が戻ってくるのが自分でもわかるから不思議だ。
この感触と舌に残る後味は最高だ。
ビールを飲み始めた頃には客席が結構埋まり出した。
家族連れ、カップル、女同士et cetera。
当たり前だが、他の客はいっさい気にならない。
目の前の女に、いやチャーシューに首ったけだからよ。
何枚でも食べそうだぜ。
前菜でかなり満足しちまったよ。
今から本番なのにさ。
ラーメンはトッピングにチャーシューと煮卵だ。
それとチャーシュー丼。
メイキャップはそれぐらいで良かろう。
ビールのつまみにチャーシューを食べた後なのに……まぁ、お色直しだな。
実に目の保養になる別嬪ラーメンだ。
ねぇ、Kissしてもいい?
自分でも唇がとんがってくるのがわかる。
吸ってもいい?
昔の記憶が脳裏に走馬灯のように回り始めた。
「イイっ‼︎ ウッ‼︎ う、美味い‼︎」
やはり、変わらずいい女だな。
期待を裏切らないのは、時を超越しても嬉しいものだ。
なんせ、スープが絶品だからチャーシューも引き立つし、麺との絡みも最高な演出をしてくれる。
美味いものに言葉はいらないものだ。
スタイルの良さ、いやバランスの良さがピカイチなんだろう。
逢いたかったスープはこの通り一滴残さず啜る。
今度逢う時までしっかりと舌に馴染ませておくんだ。
やはり、俺の愛した女は相変わらず…
いい女だった。
また逢いに来るからな。









