「何してるんですか?!」
病室へ入ってきた記者が目にしたのは退院の用意をしている私
「何って見て分かりません?」
「わかるけど…まだ入院してなくちゃ!」
「実家の母が迎えに来てくれてるので大丈夫です。先生にも退院の許可を貰いましたし。」
「…」
ソンギュを忘れるため
自分の中で止まった時間をまた前へ進むために
私はこの街を出て行く
「…色々お世話になりました。」
「…いえ」
「私とソンギュの事、記事にしたいならどうぞ。好きにして下さい。」
「…」
「ぢゃあ。」
私はある物を片手に病院を後にした、、
彼女とは全く連絡をとっていない
「今すぐ社長室へ来い」
突然マネージャーから呼び出され
俺は社長室へ
そこに居たのは
あの時彼女のそばにいた記者
「あの…ソンギュさんと2人きりでインタビューさせて貰いたいんですが」
「ソンギュ、それでいいか?」
「…はい」
マネージャーと、社長が出て行き
社長室に残された俺と記者との間には沈黙が続いた
先に口を開いたのは記者だった
「…彼女、何処かへ行くそうですよ」
「…は?」
「…彼女、僕の昔の恋人に似てるんですよね」
「…」
何を言ってるんだ?
似てる?
…元カレなんだろ?
「僕、昔は一応芸能人だったんですよ。でもデビューが決まらず、仕事探すの必死でこの世界に…。最初はゴシップ担当なんてためらいがありました。当時付き合ってた彼女とも上手くいかず、彼女も
芸能人だったんです。でも…夢を諦め、この世からも消えてしまいました。それを知ったのは後日で…僕はその事を記事にしました。」
「…」
「だから、貴方の彼女が昔の恋人にダブってしまい。余計な事しましたね」
「…あの」
「はい?」
「…あいつの元カレなんですよね?」
「…え?違いますよ?」
「違…う?」
「…彼女なりの嘘…でしょうね。僕から貴方を守るため、自分との関係が記事にならないよう…」
全部嘘だった…
全部…
俺を守るために
全部1人で背負って
なのに…俺は気付いてやれなくて
信じてやれなくて
彼女から離れた…
「貴方達の関係を記事にする気はありません。だから…」
「だから?」
「今からでも間に合います。彼女を迎えに行ってあげて下さい…」
「…」
「彼女1人で守るものではないから…」
「?」
………
記者の言葉を聞いて俺は急いで部屋を出て空港へ向かった
空港へ向かう途中
おばさんのいる居酒屋へ
「おばさーん?」
「あら?!もう退院したの?」
「はい^^ご心配とご迷惑おかけしました」
「もー無事ならいいのよ!ソンギュ君も安心したでしょ?」
「…え?」
「え?あの日、貴女が運ばれた時彼、病院へ向かったのよ?」
「…そんな」
「会ってないの?」
何処まですれ違えばいいのだろう
…もう戻れない
そう確信した自分がいた
「どこかへ旅行?」
「…あ、実家に帰るんです。」
「あらそお!1人で?彼は?」
「…1人…ぢゃ、ないです」
「?」
「また来ますね^^では」
実家へ来て数ヶ月がたった
何も変わらない日々
リハビリも兼ねて外を散歩するのが日課だった
「…」
目の前にあるのはソンギュと出会ったあの公園。
「…え?」
公園にいた彼
「…な、んで…」
黙ってこちらへ近付いてくる彼
ただ、立ち尽くす私
空港へ向かい、彼女を探しに彼女の実家へ
彼女が行きそうな場所…
あそこしかない…
予想は確信へ
俺の目の前に彼女が
「…よ。」
「なんで?ここにいるの?」
「なんで?…仕事だよ。」
「そ、そっか…」
探しにきた…わけではない
そお。私達はとっくに終わった関係。今更…
「元気だったか?」
「元……」
その時とっさに見えてしまった
彼の左薬指に輝くものを
「ソンギュ…それ…」
「…ん?あーこれ?」
「…幸せなんだ…ね。良かった…」
良かった?
これは嘘だ。
本当は…本当は…
「…?!」
突然投げられた物を反射的に取った私。
手の中には
「…指輪?」
「これさ、ペアリングなんだよ。ペアで付けなきゃ意味ねーの。だから…」
指輪をよく見ると
2人の名前と…別れた日の日付が彫られていた
「…ソンギュ……っ。これ…」
「…やっと渡せた」
その言葉と共に彼の腕の中へ
「…っ…ソンギュ…っ」
「お前以外誰がその指輪はめんだよ」
「……っ…ん」
「俺は、お前ぢゃないとダメなんだよ」
「………っ…うん」
「…結婚しよ?」
「…うん」
「……3人で幸せになろ?」
「…….…な…んで知ってるの?」
あの時の記者の言葉
「俺が幸せにするから」
「………産んでいいの?」
産む事を悩んだ彼との命
「当たり前だろ?」
彼女と、そして新しい命を守ると決めた
「…愛してる」
やっと取り戻した2人の未来
「私も…愛してるよ」
3人の未来を守る
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