嗤い ３分で読めるシリーズ２

　私は何でもできる。誰もがそう信じて疑わなかった。もちろん私も。

　昔から私は神童と言われてきた。人の上に立つものだと言われてきた。

　いつも私につきまとう言葉として、『完璧』がくっついてきた。正直鬱陶しかった。

　私のセカイはどこへやら、私のココロはどこへやら。

　私自身のスペックのみしか興味ないみたいで腹がたった。

　いつものように学校にいって、いつものように授業受けて...

　私は何を求めていたか知りそして嘆いた。

　私は、「普通」を求めていた。

　特別じゃなくていい。何も考えたくない...なにも、ナニモカンガエタクナイ。

　いいことを考えれない。何も求めてない。平凡なら何でもいい。

　ただ笑っていればいい。この苦境を、この苦悩をただ笑っていればいい。

優劣

　私の周りの人はみんななにかに優れている。

　Aくんは勉強ができて、Bくんはスポーツができる。

　Cさんは歌がうまくて、Dさんは委員会をやっている。

　そんな環境だからか私の親はよく私に対して怒る。

　なんで？僕が普通なんだよって言っても

　「違う、周りが普通なの」と言われて更にきつく叱られる。

　どうすればいいの？と聞くと、「あの子達を超える勢いで頑張りなさい」

　と帰ってきた。私はまた絶望した。

　世の中で優劣を決めるのは親なのかと言うのが小さな頃の私の疑問でもあり、答えでもあった。

　人が死にたいと思うときはストレスを溜め込んでいると聞いたときにはもう遅かった。

　私...池田由宇はこの日に壊れた。何をしても無駄だと感じてすべてやめた。

　生きることはやめれなくて。何かを信じないと生きていけなくて。

　私は魑魅魍魎、百鬼夜行の類にさえも信用をおいていた。

　10/31に私は初めて光る『なにか』を見つけた。

　それを追いかけたときに私はもう意識さえ保てなかった。

　次に目覚めたのは病院でした。医者からは

　「親御さんから電話です。」

　と言って部屋に一台のスマホをおいて出ていった。スマホからはプルルルルという音がなっていた。それが私のものかさえ分からなくなっていた。

　私は電話に出た。電話の向こうでは、

　「どこいってたの！！早く帰ってきなさい！！」

　という怒号が響いていた。

　私はそこで意識をまた失った。

差別 3分で読めるシリーズ１

　私の学校はとにかく校則が厳しい。

　ヘアゴムの色から学校に持ってくるかばんまで指定される。

　でも恋愛まで制限されるとなったとき、私は嫌になり、ルールを無視しました。

　すると自主退学を命じられました。なぜでしょうかね。私の友達は黙認されるのに。

　私はOOさんを殺しました

Alive and free

　学校とは平均的な人間を作るための場所だ。そんなことよりも死ぬほうがマシだ。

　と私は思っていた。でもあることでその考えは払拭された。

　私は誕生日にとあるアーティストのライブに行った。

　入った瞬間に会場の熱気とライブパフォーマンスなどで私のボルテージは

　一気に最高潮に達した。

　そこから後は私自身もあまり覚えていなかった。

　こんなにも熱狂できたものがあっただろうか？否、なかっただろう。

　私はそこで初めて生きる素晴らしさを知った。

　そこから私は学校が楽しくなった。

　最初はみんな驚いたけど、もうあっという間に溶け込んでいた。

 　そして私は初めて楽しんだ。

君が最後に落としたもの

　君はいつの日か暗い暗い夜に消えてった。

　「どちら様で？」と僕にいって君は消えてった。

　君はいつしか変わった。ある日に突然こんなふうに変わっていった。

　僕がいつものように学校で話しかけても返事さえしない。

　それ以来彼女には話しかけがたかった。

　それから丸二年が過ぎたあたりで君はいなくなった。

　君の家に行っても、学校に行ってもどこにも君はいない。

　君は今どこにいるんだい？僕のことは覚えてるかな？と脳内で問いかけても君は戻らなかった。

　君がいつもいるような感じがして心強かった学校では、今ではただ悲しいだけだった。

　「お前のせいだ」と彼女の友達に言われながら送る学校は心底辛かった。

　どれだけぼくをいじめようとどれだけ傷つけようと彼女は戻ってこない。

　そんな些細なことでさえ彼女の友達は気づけずに僕を攻める。

　僕はそんな辛い現実が嫌でしかなかった。その時、自殺未遂事件のニュースが聞こえてきた。

　その日以降は死ぬことばかり考えながら生きていた。

　このいじめを学校に言おうと思ったりもしたが、どうせ無駄でしかないだろう。

　そして、10月31日に東京タワーの展望台から落ちることにした。もう全てがどうでも良かった。

　そこに君は現れた。ただひたすらに「ごめんね...本当に...」と言いながら僕を止めようとする。

　でももう落ちてるんだな。

　僕は落ちる中で走馬灯を見た。君はいつも一緒だった。

　君のいない世の中に生きる義理なんてない。だって、

　君の脚がないんだから。

　そこで僕は君が何を失ったか気づいた。

庭 ２

　その少女は普段どこにいるのかわからない。でも仲良くなった私は
　学校の帰りにあの庭で集合して仲良く世間話したり追いかけっこしたり楽しい時を過ごす...
..はずだった。
　私はいつものように学校からかえって少女...いや響花ちゃんのもとへ向かう途中、誰かが響花ちゃんがいる屋敷に向かっていくところを見た。
 (誰だろう...)
 と思いながらその屋敷に向かった。中には一人の好青年が座っていた。
　学校でも有名な楽斗くんだ。私はそっと目を伏せた。 

　私は体育の時間によく貧血で倒れる。その時いつも楽斗くんが助けてくれる。

　保健室に背負って連れてってくれたことを知ったとき、私は顔を赤くして、

　「もう絶対倒れないから!」

　というと楽斗くんは

　「倒れられるとこっちも不安で気が気じゃないからさ〜」

　と軽く茶化した。

　どうして茶化す必要があったのかは私がこれから知る内容になる。

　生まれつき心臓が悪くて運動は控えなさいって言われてるのに体育のときは

　「最低限のことはしなさい」

　と怒られてしまった。

　私は少し不安になった。

庭

　私達は学校近くのとある廃墟に来ていた。

　そして誰かがこういった

　「今誰かいたよ...」

　みんなそれについて単なる冷やかしだと思っていた。

　でも私は違った。真に受けて少し体をこわばらせていた。

　みんながズカズカと進む中、私はみんなを見失った。

　一人で迷った私は怖くなり、走った。

　薄暗い夕暮れ時になってるせいか少し寒い。

　そして出口だと思って進んだ先にあったのは、庭の一面に咲き誇る『サルビア』が見えた。

　その中に一人の少女がいた。

　無論誰かは知らない。いまも、これからも。

　その少女は自慢するかのように、

　「すごいでしょ」

　と言ってきた。その少女は近くで見ると色白で、整った顔立ちだった。

　この少女いわく、ここの庭を管理しているらしい。

　「すごいよ」

　と褒めると

　照れくさそうに笑った。

恋愛小説 君が好きだ１

　私が通う高校には完璧男子がいた。

　名前は葉月莉音というらしい。私はあの人のことが入学初日から苦手だった。

　話しかける女子には厳しい言葉を浴びせている。

　そんな君が優しいんだと気づいたのはつい最近のことである。

　ある日、私は雨の日に傘を忘れてしまった。

　「急がなくちゃ...」

　と焦っていたときに君は

　「これ、やるよ。」

　とぶっきらぼうに傘を渡してくれた。

　私は何も言えずに遠くなっていく背中を見ることしかできなかった。