思い出す。
毎日毎日嫌ってほど思い出す。
初めて会った日のこと。
初めて遊んだ日のこと。
初めて家に連れてきた日のこと。
告白したあの日のこと。あの瞬間のこと。
君と行った場所。
君とだらだら過ごしたこの部屋で、
くだらないことで笑い合って、くだらないことで喧嘩して、
このベッドで、幾度もなく唇を重ねて体を合わせて。
離さないように強くきつく、あの小さな肩を抱いて。
一瞬一瞬のなんてことない感触も感情も思い出せる。
まるで今自分がそれを体感してるかの如く。
なんてことないような瞬間が、世界一輝く宝石のような価値を持って、
世界一鋭い刃物のような鋭利さで突き刺さる。
なんだろう。なんでだろう。
君は今どんな気持ちでどこに誰といるんだろう。
笑っているのか泣いているのか。
どちらも俺は願えないんだ。
ただ、君を苦しめた病気だけは治っていて欲しいって。
君がただ素直に笑えて、素直に泣けるようにただなっていて欲しいと。
それは俺の幸せであって、君の幸せはその先にあるのかもしれないけど、
俺にはその先の幸せを願うことはできなくて。
ただ自分の欲求を満たすためだけに、君を願うことしかできないから、
だから君は俺を捨てたんだろう。
違うんだ。
君は悪くない。俺が本当に全部悪いんだ。
君に悪いところなんてない。
君はこう言った。
「俺はなにも悪くない」
そんな馬鹿げたことないんだ。
だったら君はなく必要なんてなかった。
俺と過ごさなければ流さなくてよかった涙を、
抱かなくていい不安を与えてしまったんだ。
俺が全部悪いんだ。
謝りたい。会いたいんだ。
部屋にある君の化粧品や服を返したいだけ。
ごめんなさい。