kill-in-kill-inのブログ

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 もう二十年以上も前の話になる。僕には兄がいて、心根の優しい大男であった。夏の終わりの深夜に、その兄が1人で車を運転し、帰宅途中に近所の一方通行を走っていた。突然、正面からベンツが逆走してきて、急ブレーキを踏んだ兄のワゴンRは向き合うように止まった。「ここ一方通行ですよ」兄は、そんなことを無言の相手に何度か言葉かけを繰り返した。相手はいきなり、コンビニの横に積み重ねてあったパンのケースを掴んで、兄の頭に振り落とした。兄は、意識を失い、頭部に17針縫う大怪我をした。犯人はその場から立ち去り、3か月後に別件で捕まった。謝罪もなく、賠償もなく、兄は、心と体を痛めただけの理不尽な話だ。思い出すたびに、僕も怒りに胸を震わせてしまう。その場の対応でやり返すとか、復讐とか、そんな話をしようとは思わない。この話を書いているのは、身近で、避けられなかった(なんどやっても普段の心持ちなら避けられない)理不尽なケースを思い浮かべたかったからだ。日本は法治国家で、我々は法に守られている。その法は沢山の理不尽なめにあった犠牲者の上に成り立っている。誰だって犠牲者になりたくはないだろうし、自分以外の大事な人を思える人は加害者にもなりたくないと思えるはずだ。
 しかし、多様性をうたうこの世界には、守るものもなく自分を大事にもしない孤独な人がいる。それも、すぐ傍にいる。
 つい昨日も、避ける余地があったが、理不尽な相手に温泉施設で出会った。誰でもいいから怒りをぶちまけなければならない状態で、目があった、肩触れた、とかのレベルでその場での人に絡んでいた。最終的には、温泉施設の従業員を殴って逃げ出し、警察沙汰になった……。
 無人島に1人で暮らしていくわけではないので、これからも、素敵なこと、素敵な人と出会う確率と同じだけ、理不尽な出来事、理不尽な人と出会う。試されているようだが、忍耐と冷静さを失わない覚悟を、自分にも、他者にも、限りある与えられた時間の中で、人格を成熟させていくことが生きる歓びであり、意味であると信じて、覚悟をしたい。