嶌子の日記 -2ページ目

『ファウスト』

年明けからちょこちょこ映画を見てるんですが
明日上映初日を迎える2作品、どちらを見ようか迷ってます。
で、結局METの 『ファウスト』 に予約を入れてしまいました。

METライヴビューイングは、NYメトロポリタン歌劇場の
最新シーズンの演目を、NY上演数週間後に
字幕を付けてスクリーンで上映されるとか。
(本作品も昨年12月10日の演目のようです。)





もうただひたすら、この作品の終盤
マルガリーテとファウストの二重唱を聞きたいが為に行って来ます!!

今回は演出が現代風ですが、個人的にはこんな感じが好みです。





近いうちに見たかったもう一本、デジタルリマスター版の
『ひまわり』 も見たいと思います、マンシーニの音楽を聴いただけで泣けます。

あけましておめでとうございます。

よい年でありますように。


嶌子の日記-2012元旦

『チェーザレ 破壊の創造者』

最近 "うっかり" 国営放送の 『坂の上の雲』 に
はまってしまいましたが、実は嶌子は
司馬さん&塩野さんの歴史小説和洋二大巨塔を
意図的に避けて通って来ました・・・。

だってはまるのが怖いんですものっ!!
そして読んだら最後、十中八九はまるのは目に見えてるんだもんっ!

どうしよう、原作買う?司馬さん解禁??
ずぅーっと読みたかった、塩野さんのチェーザレも行っとく??

なぁーんて、思いながら何故か本屋で手にしたのは ↓


チェーザレ 破壊の創造者(1) (KCデラックス)チェーザレ 破壊の創造者(1) (KCデラックス)
惣領 冬実

講談社 2006-10-23
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『チェーザレ 破壊の創造者』 惣領冬実著

漫画と侮る無かれ、ちょぉー面白いっすわー。これ。

随分前から興味があり、本屋で見かける度に手に取り
思案の後に棚に戻し続けて数年 (多分発売当初から・・・。)
あぁーもっと早くに買えば良かったっ!!

簡単に内容。
今から2000年以上前、古代ローマ帝国の礎を築いた英雄カエサル。
彼と同じ名を持ち同じ野望、全ヨーロッパ統一の為
そして古代帝国の平和と栄光を復活させるべく戦った
チェーザレ・ボルジア (チェーザレはラテン語でカエサル) 

教皇をも輩出したスペイン名門貴族ボルジア家に生まれ
美しく才能豊かな彼の青春時代が描かれています。

正直、この頃の西洋史って宗教と政治の係わり合いだとか
キリスト教徒ではない私には理解し難く、ピンとこないんですが
これは史実を描いているのに面白い!!めちゃくちゃ面白いっ!!

登場人物も、私ですら名前を聞いた事の有る
メディチ家の面々、サヴォナローラ等々・・・とっても豪華な顔ぶれ!!

そしてそれ以上に、主要人物ミゲル、アンジェロの関係性が良い!!

チェーザレに影のように寄り添い、人を手にかける事すら厭わないが
好意的なアンジェロに対し、少しずつ心を許して行くミゲル。

ひょんな事から、彼らと行動を共にする事となった
チェーザレに憧れを抱く、世情に疎い平民のアンジェロ。
(でも時々チェーザレ達を "はっ" とさせる事を無自覚に言う。)

そんなアンジェロの好意を利用し、彼を手駒と言い切りながらも
自分を庇い怪我をしたアンジェロに心を砕くチェーザレ。

チェーザレとアンジェロの関係のみを見れば
漫画 『日出処の天子』 の厩戸王子と蘇我毛人を思い出しますが
(舞台が西洋だからか、オドロオドロシサは薄い・・・)
ミゲルが加わる事で、また違う関係性が保たれています。


史実が有る為、今後のチェーザレ達の運命は既知事実です。
またそれらを予感させるような台詞も、端々に織り込まれています。

個人的に印象深かったのが、チェーザレが
自から仲間の情報を流そうとするアンジェロを評し

『もしも自分がアンジェロに裏切られるような事が
 あれば、それは自分が間抜けというより
 アンジェロが人知を超えた何者かであると言う事だろう。』

『無意識に従っているという事はーいずれ無意識に裏切る。』

あぁー、今後の展開がたまらなく楽しみっ!!
不定期連載の為、次巻の発売が予想つかないのがホント残念。


受験勉強の為、さっぱり本を読めない生活ですが
今年の "嶌子ザ・ベスト" は、これですっ!!これに決めたっ!!