観戦記は後回しにして、今回はサンガレビューです。

本当に素晴らしい試合でした。ダゾーンの解説が柱兄というのもよかったですね。ＳＡＰは彼抜きに誕生しませんでしたから。アカデミー出身選手がゴールに関わり、ゴールに鍵をし、勝利した。本当によかったです。それに加え、柏戦、リーグ戦に限れば2002年以来の勝利となりました。いろいろ勝てない相手がいるなかでいちばん相性が悪く、いちばんトラウマを抱えてるんじゃないかというくらいの相手です。

それではゲームを振り返っていきます。

お互いに状態がいいということで先週のリーグ戦と同じスタメンにしてきました。ただ、両指揮官が不在という事態。試合としては序盤、サンガペースだったと思います。そのなかで柏がサンガの最終ラインにプレスをかけてくるとＣＢとＧＫで回避すると、そこからテンポよくボールを進め、12本のパスから荻原の先制ゴール。流れも素晴らしかったです。パス数本で決めきるのがサンガではないというのを示すような得点でした。その後、柏が最終ラインからのロングボールを増やすことでサンガの圧力を回避。サンガとしても後ろに重心を置くなか、やや柏ペースでしたが、前半はサンガリードで終了。

後半、立ち上がりに左サイドでＦＫをサンガが獲得。そのボールは近くにいた武田につけ、ファーサイドへクロス。これを川崎が粘ってキープし、シュート。こぼれ球をウタカが押し込んで2点目。その後はお互いにチャンスをつくる展開に。ただ、サンガのディフェンスは集中してました。よく走っていて足をつる選手が続出。それでも最後まで無失点で凌いで、今季2度目のクリーンシート、初の連勝となりました。Ｊ1での連勝は2010年の3～4節以来だそうです。中山博貴の感動的なループの試合でしたね。

細かな課題はありましたが、本当に素晴らしい試合でした。先行逃げきり型の柏相手に先制点をとるべき時間帯にとれたのがすべてでしょう。しかも、形もよかったです。後半も立ち上がりに加点し、こちらとしては余裕のある展開に持ち込めるようになったからです。楽ではなかったんですけどね。全選手が足と頭を動かし続けましたね。走る柏に走行距離でも圧倒。前節はリーグ連戦ということもあり、スローダウンしながらお互いの運動量を上げさせない試合をしましたが、今回は走り勝ちという勝利でした。本当によく頑張りました。

得点パターンとしてもウタカ任せというところから進化が見えています。2点目を仕留めたのはウタカですが、つくりからフィニッシュまで頼りきらない姿勢が見えてきてますね。特に右で崩して左で仕留めるという形は機能していて、荻原は2ゴールめとなりました。こういう形が増えると思うので、ウタカ以外の選手はフィニッシュのシーンで足を振る、その精度を上げていくことを目指してほしいです。

ビルドアップを含めて最終ラインの選手の安定感はなかなかのものですね。麻田が個人的には井上にいい影響を受けて成長しているように思います。パスやシュートをブロックする場面もありましたから。

リーグ戦は次、29日となります。ルヴァンではアウェイ連戦、北海道から九州という過酷なスケジュールですが、こちらも頑張れば次いける可能性もありますし、何よりリーグで出番のない選手が頑張っているのがうれしい限りです。それがリーグ戦における選手層アップにもつながっていますからね。山田なんか攻撃で欠かせないピースになりつつありますから。

収穫を期待して、締めることにします。

素晴らしき勝利