今朝。

外に出ると昨夜からの雪が薄く積もっている。

家の前を流れる川のあちこちにある岩も白く雪におおわれて、それらの上にいる野ガモたちも寒さに耐えている様にじっと動かない。


昔日、父がもらってきたキジを、川辺で焚き火をし、湯をわかし、羽根をむしり、細毛を焼き、湯で洗い、解体した。

その助手をつとめたのは、いつも私だった様に記憶しているのだけれど、長い尾羽根をもらったり、風に吹き散らされた羽毛を眺めたり、筋肉の中から出てきた鉛玉や胃袋の中にあった豆をしげしげと見ていることは心楽しいことだった。

つながっていた時は平気なのに、切り離されてしまったキジの頭とウロコにおおわれた足はふれるのも見るのもいやだっった。

キジの肉はスキヤキのようにして食べた記憶があって、それも私は大好きで堪能して食べたのだけれど、キジをおのが手で解体した父は臭いが鼻につくと言って、あまり箸をつけず、薄く笑ったような顔でコップ酒を飲むばかりだった。