昔はいろいろな行商人がいた。


風鈴売り、金魚売り、もちろんの魚屋に焼き芋屋。

ダルマ屋さん、八百屋さん。

今もいる薬売り。

トラックで来る金物屋。

鼓を持ち烏帽子に公家装束の御札売りなんてのもいた。


リンゴ屋さんもいた。

リヤカーひいてリンゴ箱のリンゴを売りにきた。

その太ったおばさんのためにシケモクが集められていた。

インディアンペーパーで巻き直すのだとか。

おばさんと母の話を聞いていて、コウギョクとベニダマ二種類のリンゴがあるのだと思っていたら、じつはどちらも「紅玉」のことだった。

そのことをずっと知らずにいた。

甘酸っぱいあのリンゴが今も好きだ。