ソ連のガガーリンがボストークに乗って人類初の宇宙飛行をし「地球は青かった」のセリフが巷で話題になり、アメリカがソ連に負けてなるものかと、マーキュリー計画、ジェミニ計画とガンガンロケットを飛ばしていた頃、私と相棒テッちゃんもロケットを飛ばすことになった。


ロケットと言ってもロケット花火を利用するだけだが、有人飛行の前は、ソ連がライカ犬を乗せて飛ばし、アメリカもサル(?)を乗せて飛ばしているから、俺たちはカエルを乗せて飛ばそうということになり「カエラー計画」が始まった。


さっそくロケット花火を買ってきて、1個ではパワーが足りないからと3本を束にして、アメリカとかのロケットは3段式とか言ってるからせめて2段式にしよう、といことになり、花火をバラして導火線をつくり二段目のロケットの導火線を延長して1段目の導火線3本と束にした。


カエルを帰還させるためのパラシュートは柏屋の薄皮饅頭を包んでいた薄いビニールが良さそうだったので利用した。

カエルはタンボでつかまえてきた。

二人ともこれは得意だったが、なるべく小さなカエルが必要だったので結構苦労した記憶がある。

二段目の上にカプセルを載せ、そこにカエルとパラシュートを詰め込む。

カプセルの切り離しは二段目の導火線からやはり延長してカプセルの下に仕込んだ火薬を爆発させる式。


発射前、カエルにパラシュートを結びつけるためにいじり回すものだから、カエルすでにグロッキー。


そしていよいよ、カウントダウン(この時のワクワク感がいい)。

スリー ツゥー ワン ゼロ!

点火!!


ロケットがこけた!?


そりゃそうだ、3本の花火に同時に点火するわけないじゃないか。