今回はイベントや委託先であった質問や、そこから連想できる質問に答える回です。
実は昨年のドールショウの後にも同じタイトル、あまり変わっていない内容で記事を書いているのですが、
前回ドールショウでMISAをお迎えしてから、同じようにMISAをお迎えした方から
「MISAに着せられる服が欲しくてきました!」とお声がけいただくことが多いので
改めて記事を掲載しました。
品物を選ぶときに参考にしたり、
「はぁ…舞台裏ってそんななんだ…」と想像して楽しんでいただけましたら幸いです(笑)
タイツ、ニーソックス関連について
Q:なんで面積小さいのにタイツよりニーソックスが高いの?
真剣にご覧くださいましてありがとうございます。
ニーソックスは作業工程上、履き口に糸が出てしまいます。
その糸はぎりぎりの長さできりっぱなしにするとほどけてしまうため、
縫い目に手作業で糸を仕舞いこんでいます。
これが固くて、そのくせ繊細で大変なんです。
この最後の仕上げと、最初の縫い合わせを1ミリのズレも出さないようにするのが難しくて
エラー品が非常に多く、生き残ったわずかなA品が皆様の前に並んでいる為に
ニーソックスは高くなっております。
そんなに大変なくせにかわいい色柄を見つけると作りたくて仕方ないのです。
Q:じゃあタイツの薄手のものが厚手のものより高いのは?
こちらも縫製の難しさが響いています。
薄くなる程股の縫い合わせが上手くいかず、
かろうじてそこが成功したとしてもミシンの送り歯に生地が引っかかりやすくて見た目に影響が出る程ほつれたり…orz
特に「ストッキング」と銘打っているシリーズは殆ど見かけない上にイベントで3000円、
委託は5000円という価格で出させていただきましたが、あちらはA品率が5足に1足がいいところで、
捨てるに捨てられないB品の山がうちにあります…
Q:どうやって作ってるの?
布を縫って作っています。
これ以上は秘密です。
わかった人も答え合わせはご遠慮ください(笑)
Q:シースルーニーソックス、他所より微妙に柄滲んでない?
数ある販売先から検討候補に選んでくださいましてありがとうございます。
あのシリーズ、転写プリントという技術を使ったものなのですが、
色により布と塗料の相性が悪く(特に黒と青)、ひどいものは触って色粉が指につきました。
濃紺プリントの完成品を50ボディに着せて太ももに青い指紋が残ったときは、別の意味で私の顔も同じくらい青かったはず。
勿論この色は問答無用で生地を全て破棄し、店頭には並んでおりませんのでご安心ください。
店頭に並んでいる色柄は全て4回洗剤で洗い、
塩素系漂白剤で色を少し抜いているため、「色写り」を防止する前段階の「色落ち」が
これ以上起きないであろうレベルにしたものばかりです。
洗いまくった結果、柄が少し滲んでしまいました。
ご理解いただけますと幸いです。
…と、ここまで手はつくしましたが、「色落ち」とソフビボディへの「色写り」は別物ですので、
やはり着せっぱなしにするのは避けてくださいませ。
委託に関して
Q:なんで委託は値段がはね上がるの?
私も以前疑問に思ってました。それ。
委託販売は、委託主が委託先のお店に委託手数料を支払って成立します。
委託手数料は主にお店の人件費や場所代になります。
貴重な時間や場所を割いていただく代わりにこれを委託主は支払います。
委託手数料の決め方はお店により異なりますが、売り上げの何割、というところが多いので、
私は価格差を作らない為、商品価格を一律に引き上げさせていただいています。
あまり安くしすぎると委託手数料の他、輸送費や材料費、梱包資材の費用や交通費が回収できず、
次の制作につなげることが難しくなります。
かと言え高いと手にとってもらえない、という結果にもつながります。
委託販売、という手段に限らず、値段つけに関してはどのディーラーさまも
(ドールジャンルに限らず)この悩みを抱えていることを頭の隅で理解していただけると
とても嬉しく思います。
案外長くなってしまいました。
他、気になることがございましたらイベントやコメントからどうぞ。
可能な範囲でお答えします。