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木工房 KIKKA WORKSのブログ

キッカワークスの家具制作風景から日々のことまで。

ここしばらくは、オリジナルのベビーチェアを製作してました。
ご注文を数件頂いたので、在庫も含めて8脚製作しています。





今回で製作するのは4回目なのですが、少しでも加工がスムーズに進むよう毎回試行錯誤しながら製作しています。
可動部が多くただでさえ手間がかかるので、今回は接合部のほぞ組を合理化しました。
強度的に不安もありましたが全く問題なく、組立て時の圧締方法を工夫すればかなり早く進められそうです。

工房には1脚サンプルもありますので、気になる方はお気軽に連絡下さい~




年明け新入りが加わりました!
前から欲しかったルーターマシンです。



私よりも先輩の中古機械ですが、状態は良好。
破格の金額だったので去年の秋に衝動買いしてしまったのですが、
狭い工房なので設置場所が確保できず、ずっと預かってもらっていました。

今回は運搬設置も自分でやることにしたので、800kgの巨体にかなりヒヤヒヤしましたが無事設置できました。
陽重器具に結構お金がかかってしまったので、依頼するのと比べてあまり節約になりませんでしたが、何事も経験、これで工房の機械は全て自分で運搬できます。(頑張れば、ですが、、、)




これからベビーチェア第三弾の製作に入るので、早速こいつを活用できそうです。
ブナのデスク。

天板は短手方向に材を板剥ぎし、脚と繋がったデザインの貫を天板面に見せてすっきりした構造を目指しました。



デスクの内側に一回り小さいデスクが納まっています。



使用する部屋は限られた広さなので、普段は重ねて部屋を広く使え、大きなものを広げたり二人でデスクを使いたい時に、デスクを広げられるようにしたいとのご要望にお応えして製作しました。

デスク小を引っ張り出してきて正方形やL字型にレイアウトすることで、広い作業面を確保できます。







ただデスク小を引っ張り出すだけでは、高さが合わなかったり、繋げた時にデスクがきれいな正方形にならなかったりといった問題にかなり悩みました。
デザイン・強度・使いやすさのバランスが難しく、試作の域に留まってしまった部分もありますが,
方向性としては満足できるものになったと思っています。

納品先には小さなお子さんが2人いたので、将来的にはお二人の勉強机になりそうな予感。


樹種:ブナ
仕上げ:ウレタンクリア塗装
寸法:W1250xD700~1400xH730


Fソファの二人掛けタイプです。(一人掛けタイプはこちら)
こちらも同じデザインで、木フレームの中に、L型のクッションを納めています。



座り心地を設定するのに苦労しましたが、
ソファとゆったり目の食事椅子の間くらいを目指しました。

座面は食事をしやすいように傾きを付けず、
背の角度もソファにしては起こし気味にしています。
その分座面の中央での沈み込みをしっかり確保して、
背のウレタンを柔らかめにすることで
深くもたれればリラックスした姿勢で過ごせるよう配慮しました。

ソファとテーブルに挟まれた状態で、できるだけ入り込み易くする為に
アームをショートタイプとし、テーブルの脚は中央からの持ち出しています。




部屋が狭くなるのではと心配していましたが、
二人掛けとしてはコンパクトなソファなので圧迫感もなく、部屋に馴染んでいました。




サイズ/ソファ:W1520 D710 H670(外寸)
    テーブル:W1400 D700 H600
樹種 /オーク
仕上げ/オイルフィニッシュ

一人掛けソファはこちら


樹種・カラー・仕上げなどのご相談にも応じます。
ご注文、ご質問等お気軽にお問い合わせください。

http://kikkaworks.com/


自営を始めて思うのですが、世の中のモノの価格が本当に安いな~と感じます。
テレビなんて数万で買えてしまうし、1万円以下で飛行機に乗れたり。。。
電化製品などは、部品点数や、製造に関わる人間の多さを考えると恐るべき価格です。
でもそれが大量生産、技術の発展でもありますね。

でも、ほぼ同じ機能を満たしてくれるモノが、時代毎に価値が大きく変わってしまうのは、
変わらずに長く使ってもらいたい家具を、変わらない環境で製作している私には少し違和感を感じます。

安いに越したことはないですが、少しの価格差にあくせくするなら、
それだけの価値のあるものだときちんと主張して、それがわかってもらえる購買層の範囲で商売する方が合理的な気がしてしまいます。(世間からずれてしまっているのは承知の上!)

この一年、家具の価格、設計や製作に対する対価にはかなり悩みました。
私の頭の中も、上記のような世の中の価値感のままだったので、言われても無いのに高い気がしてしまったり。。。

でも、ある時、お世話になっている椅子張り屋さんや研磨屋さん・材木屋さん・車の整備やさんなどに支払いをしている時に、なんだか気持ちのよい感覚があることに気づきました。
ちゃんと利益を出してこういった支払いも普通にできてきた、というのも理由としてありますが、
今お世話になっていてこれからもお世話になりたい方々に、お客様から頂いた大切なお金が渡っていくことがその理由ではないかなと思い当たりました。

もちろんパラパラと無くなっていくことに不安もありますが、どうせ払うなら払いたいと思う相手に払う方が、多少の価格差で特をするより断然気持ちがいいです。

なので、我々もお客様からそう思ってもらえるようなモノづくりをして、気持ちよく商売が続けていけるようがんばればいいのかなと思いました。
時代に逆行するようなスローな商売ですが、欲しいものをあるものの中から探すのではなく、
時間をかけて顔を付き合わせて欲しいものを作る、ということを求めている方々も増えているように思います。

あまり細かいことを気にせず、まずは自分たちが納得できるものを、という原点を忘れてはいけないなと思う今日この頃です。