仲良くしようよ


なんだかトレンディ俳優みたいな笑顔を見せた彼を
以前みたいに愛しいとは思えなかった。


罪作りな人…


もうかわいいとは思えない
自分の捉え方も変わったのかなと思うとちょっと悲しいけど。



ただ
あんなことがあったのに怒らずこうしてまた会う時間を作ってくれた、こういう冷静なところは好きだなぁと思った。



でももう自惚れはしない。


こうして会うことで私の頭を冷やし敵に回さないよういにしてるのかもしれない。
なにしろ私は10年分の2人の記録を持っているんだから
彼にとっては怖い存在なはず。


よく大物芸能人や政治家などものすごい権力を持っている男が
女性問題一つで、あっという間に転落していくのはこういう風に甘く見て粗末に扱った女からの報復が大半だからね。


本物の男ならきちんと義理と人情で最後まで女に愛される器になりなよって言いたい。



いつか
すっかりこの人から恋愛感情が抜けた暁には一緒にお酒を飲みながらこういう説教をたれたいと
正面に座る彼の眼鏡越しの目を見ながら思った。



そろそろ約束の1時間になろうとしていた。



彼はしっかりと次の予定を1時間後に入れていた。



エッチするときは2時間
エッチしないなら1時間



彼の女に使う時間の定義はどうもそういうことらしいね。