「あれ?日比ちゃんはどこだ?」
いきなりオリジナル衣装で登場したため、日比ちゃんを探すのに1分以上かかった。
いつもは髪を縛っているが、この日は綺麗な黒髪を下ろしていた。
写真で髪を下ろした日比ちゃんを見たことはあったが、生で見たのは初めて。
「なんて美しいんだろう……」
日比ちゃんのオリジナル衣装は気まぐれプリンセスみたいな、白いかっこかわいい衣装。
「まるでの本当のお姫様のようだ…」
『HELLO TO YOU』では踊っている最中、ストールのような布が何度もずり落ち、無防備な肩が露出した。
「ゴクリ…これが高校生のひびこか…」
この日が日比ちゃんが高校生になって初めてのパフォーマンス。
高校生の日比ちゃんも桁外れに可愛かったので安心した。
3月の研修生発表会では『恋泥棒』を堀江葵月ちゃん、金津美月ちゃん、児玉咲子ちゃん、山田苺ちゃんと共に披露した日比ちゃん。
あの『恋泥棒』は今まで見た中で1番のパフォーマンスだった。
今回の発表曲『Fantasyが始まる』では、『恋泥棒』以上のパフォーマンスを見ることができるだろうと期待し、その時を待っていた。
2番 児玉咲子 未熟半熟トロトロ(こぶしファクトリー)
『HELLO TO YOU』が終わり、全員のオリジナル衣装を改めて見たが、そこで目についたのが"さっこぴん"こと児玉咲子ちゃんの衣装。
「あ、あれは…」
そう、2年前の実力診断テストで披露した衣装に似ているトマト風の衣装だった。
さっこぴんは2番目だったので、すぐに出番がきた。
頭に目玉焼きの髪飾りを付けている。よく見ると靴にも目玉焼きが付いていた。
相変わらず可愛い歌声だ。
そして、冒頭のサビが終わったところで、さっこぴんが衣装を脱ごうとした。
「ん?なんだ?」
なんとトマト風の衣装が、青い縞模様の衣装に早変わりしたのだ。
客席からは「おぉ~」とどよめきが起こった。
さっこぴんはパフォーマンス後こう語っていた。
「今までは赤い衣装を着ていましたが、高校生になったので大人っぽくしたいなと思ってやりました。」
私はそれを聞いて、またさっこぴんに心からの拍手を送った。
リコピン星が消滅してしまったのは残念だが、パフォーマンスも含め、とても成長していた。
日比ちゃんの出番は20番目。
その間にも印象に残るパフォーマンスがあった。
『初恋サイダー』を歌った江口紗耶ちゃんは歌声が綺麗でとても良かった。上野先生にドラフト1位と評価されるだけある。全員曲でソロパートを任されることも多いし。これからが楽しみ。
『会いたい 会いたい 会いたいな』を披露した土居麗菜ちゃんは歌もダンスも成長しており、今まで見たことのない土居ちゃんだった。難しい曲だったと思うが、よく頑張ったと思う。
前のブログで「今年は絶対日比ちゃんに投票する」と書いてしまいましたが、みんなの真剣な姿を見ていると「そんな贔屓票を投じていいものか」という気持ちも生まれ、心の中で葛藤していた。
17番 中山夏月姫 この地球の平和を本気で願ってるんだよ!(モーニング娘。)
そして、17番。
本番前、緊張しずぎて楽屋でお茶をこぼした中山夏月姫ちゃんの出番だ。
可愛らしい赤のギンガムチェックの衣装を着て登場。
なつめちゃん曰く、ギンガムチェックは今年の流行りらしい。
さすがは流行に敏感なオシャレ女子だ。
そういえば、他にも何人か赤のギンガムチェック衣装の子がいたが、誰だったろう?
曲がはじまり、ステージには自信に満ち溢れた表情をしたなつめちゃんが立っていた。
「これが見たかったんだよ…」
思わず双眼鏡を握る手に力が入る。
そして、サビに差し掛かる直前、くるりと華麗に回りながらキラキラの衣装に早変わりした。
この曲のMVのパジャマからキラキラに変わるところを再現したそうだ。
実力診断テストは衣装もセルフプロデュース。
さっこぴんも同様、こういった仕掛けを用意したりして目立つのは、アイドルとして絶対に必要な能力だろう。
また2人共、その衣装チェンジにはそれぞれ意味があり、ちゃんと説明できたことも立派だ。
そして発表が終わり、稲場さんに衣装のポイント聞かれた。
ギンガムチェックの衣装を見せるため、キラキラの衣装を、まるでスカートをめくるように大胆に捲り上げた。
「ゴクリ…これが中学生のなつめか…」
また今回のなつめちゃんの生写真には、ものすごく気合の入った書体で名前が書かれていた。
こんなTシャツを作ったら売れるだろう。
20番 日比麻里那 Fantasyが始まる(モーニング娘。)
ついにこの時がきた。
イントロがかかった瞬間、鳥肌が立った。
普段はニコニコしていることの多い日比ちゃんだが、この曲ではクールでカッコいい表情をしていた。
いつも以上にキレのあるダンス。
そしてAメロの指をクルクルさせる振りでは、指が髪に当たり、ファサッと綺麗な黒髪がなびいた。SEXYでごめんね。
道重さんがやっている動画を何度も見て練習したのだろう。
「あぁこれは完全に日比ちゃんに投票だな」
こんなに1分38秒が短く感じたのは初めてだ。
前回の『ガラスのパンプス』を遥かに超えた素晴らしいパフォーマンスだった。
発表後の感想では「去年は最後まで体力が持たなかったけれど、今年はできました」と話していた。
一方、審査員のたいせい氏には歌の部分を指摘されていた。
『Fiesta! Fiesta! 』のレコーディングで段原瑠々ちゃん(お誕生日おめでとう!)をべた褒めしていた、たいせい氏。
日比ちゃんもそんな方からアドバイスをもらえたのは良かったと思う。
レッスンを受けて見違えるほど歌が上手くなるメンバーもいるし、今後は日比ちゃんの歌にも期待したい。
そして中島早貴さんからは「ニコッとする表情がめちゃ好きです」と言われていた。
「俺も!俺も~」なんて思っていたら、次の瞬間、中島さんが気になる一言を言った。
「きっとモテるタイプだろうなと思います」
モテるタイプ?
それは"ヲタにモテるタイプ"ということか?
それならいい。
中島さんが言うのだから、そういう意味と捉えたい。
でもそれが"学校でモテるタイプ"という意味だったら…どうしよう…
不安が私を襲った。
たしかに日比ちゃんみたいな可愛い子が学校にいたら、好きになる男子が居たって不思議ではない。
そんなことを考えていると、今まで華やかで明るかったステージが突然暗く感じた。
「マジでやめてくれ…」
開演前よりも心拍数が上がってきた。
気持ちを落ち着かせるため、水を飲もうをしたとき、松原ユリヤちゃんの声が聞こえてきた。
「ふぅ~」
ステージを見ると、ユリヤちゃんが春恋歌の簡単なダンスを一生懸命踊っていた。
「あぁユリヤちゃん…最高だよ…」
その瞬間、私のネガティブな気持ちは一気に吹き飛んだ。
まこと氏が慎重に言葉を選んで発言していたのは、私のようなメンタルの弱いヲタを不安にさせないために気を使っていたのかもしれない。
そんなこんなで、悩み抜いた末、日比ちゃんに投票して結果発表を待った。
結果発表のとき日比ちゃんは、ずっとニコニコしていたでござる。可愛いかったな~
そしてベストパフォーマンス賞は『Fiesta! Fiesta! 』を歌った島倉りかちゃんに決まった。
島倉ちゃんが前に出ると、ちょうど重なって日比ちゃんのかわゆいお顔が見えなくなってしまった。
そこで、なつめちゃんのほうへ視線を移すと、私は驚愕した。
今まで見たことのない、ものすごく悔しそうな表情をしていたのだ。
BP賞を獲った島倉りかちゃんは、なつめちゃんや日比ちゃんの同期。そりゃ悔しいだろう。
私もそれまでは楽しかったのでヘラヘラしていたが、ハッと我に返り「楽しい」よりも「悔しい」という思いのほうが大きくなってきた。
おそらく受賞を逃した、なつめちゃん以外のメンバーも皆、悔しいと思っていたはず。
だが、1番悔しい思いをしているのは体調不良で参加できなかった、井上ひかるちゃんだろう。
その後、なつめちゃんは『彼女になりたいっ!!!』のソロパートを希空姉さんと一緒に、とびっきりの笑顔で歌っていた。