MTVをボーッと観ていると1つののPVが目に留まった。
黒人の少年が赤ちゃんの頃の幸せそうな家庭のシーンから始まる。しかし少年になり、ゲイであることが父にバレて、キツく責められる。同じ学校の想いを寄せる白人の男の子の家に行くが、2人で同じベッドで眠ってしまい、白人の少年の父に見つかって、逃げるように家を出る。学校ではゲイであることでからかわれて、次第に孤立していく少年。自暴自棄になり自分の家で頭に銃を突きつけるが、思い直し、どこかに電話する。その後大人になった少年が男性同士のカップルになり、子どももいる幸せそうな家庭を築く。最後に何かの数字が表示される・・
PVはなかなかヘビーな内容だけど、曲はラップにしてはメロウな感じで好みではあった。
何度か見ていると、出てくる親や教師はどこかで見たことのある俳優ばかりで、かなりお金をかけて作り込まれてることがわかった。
気になったので歌手名を見るとLogicという人だ。検索してLIVE版を観てみた。
ラッパーらしからぬメガネをかけたのび太くん的風貌のLogicがステージの鏡張りの場所で歌い始める。振り返りながらサビに入るとLIVE会場が目の前に広がり、後ろ向きだったことがわかる。そのまま観客に強く訴えかけるように歌う。
「君に生きてて欲しい」
ストレートな言葉が胸に響いた。
感情が一気に溢れ出して身体が熱くなった。
自分の伝えたいことをそのまま言葉にするなんて芸がない。アーティストは比喩的にメッセージを伝えるべきだ、そんなことを考えていた自分を、理屈でなく、ズバンと撃ち抜いた。
夢中でこの曲について調べた。
タイトルは自殺予防ホットラインの電話番号であること、グラミー賞を獲って、数年前に世界的なムーブメントを巻き起こしていたことを知った。
曲を作って歌っているLogicは本人のインタビューによると、親に虐待されて育ったらしい。
小さい頃、父親に車の中に半日も放置されたり、母親には首を絞められたことすらあると語っていた。
両親が別れて父親のパートナーとなった女性が心の大きい人で支えとなってくれ、何とか生きてこられたと語っていた。
そんなストーリがあったとは・・
ますますこの曲が大きい意味を持つように感じられた。