花冷えのブログ

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DV、暴力、モラハラ、薬物、女、異常、人格障害医師、反社会性パーソナリティ、借金、性犯罪、盗み、精神患者、認知症患者、詐欺、傲慢、
大阪の精神科医の実話に基づいた物語、、、
毎週日曜日に投稿、、、

ーーーーー相変わらず、病棟は忙しかったーーーーー

しずくは、近頃の二階堂のスタッフへの対応に悩んでいた。

それは、そのまま病棟看護師たちの不満でもあった。

「主任、二階堂先生の話し方、何とかなりませんか?」

「……例えば、どんなところ?」

問い返すのがやっとだった。

(怒鳴っているのは知っている……でも……きっと疲れているのよ……)

「わかりませんか?」

「……少し口調がきつく感じるところかな。二階堂先生、当直も多いし……疲れているのよ」

自分に言い聞かせるように、そう答えた。

その時、二階堂が病棟に現れたーーーー

「ピッチ鳴ったけど!何!?俺、今から非常勤先行くんだけど!!早くしろよ!!!」

怒声が、ナースステーションに響く。

「あの……すみません。保護室の柳原さんの点滴指示がまだで……do処方をお願いします」

「do?は?なんで君が決めるの?誰がdoって言った?」

チッ、と舌打ちをして、診察室へ入っていく。

(doじゃないなら……なんで診察室に?指示出すの?出さないの?……困る……)

「佐久間主任、僕ね、忙しいんだよ!今から吉田総合病院の当直なんだ!」

(え……吉田総合病院?近藤さんの勤務先……?)

「あ……申し訳ありません。柳原さんの精神状態がまだ不安定で、食事もなかなか進まず……」

「看護師のレベルが知れてるよな。食事ひとつ食べさせられないなんてさ。……はい、do処方」

「……ありがとうございます」

「しっかりしてよ!」

怒鳴りながら、二階堂は病棟を後にした。

しずくは、その後の看護師たちの不満を、どこか上の空で聞いていた。

(近藤さんの勤務先に……二階堂先生が当直……?非常勤で……?どうして……)

「主任!!聞いてます?!」

その声に、はっと我に返る。

「ごめん、ごめん。聞いてるよ。二階堂先生のこと、師長に相談してみるね。今日はごめんね」

そう言って、その場を収めた。

日勤終了間際の病棟は、さらに慌ただしさを増す。

しずくは、点滴を受け取りに薬局へ向かった。

「佐久間主任、忙しそうですね」

奥から出てきた薬局長が、苦笑いを浮かべる。

「二階堂先生の処方ねぇ……薬局もちょっと……ね」

含みのある言い方だった。

そんな調子で一日が過ぎ、しずくが家路についたのは、20時を回っていた。

(……今日も、なんだか疲れた……)

ビールを開けた、その瞬間——

携帯が鳴った。

二階堂からだった。

しずくは、電話に出なかった。

シャワーを浴び、ベッドに横になる。

それでも、何度も、何度も携帯は鳴り続けた。

やがて——

着信履歴が20件になったところで、音は止まった。

ーーーーー外は雨が降っていたーーーーー
ーーーーー春の訪れとともに、何かが芽吹こうとしていたーーーーー