本日紹介する本は、


『完全講義 民事裁判実務の基礎―訴訟物・要件事実・事実認定』です。


この本は、要件事実の基礎を解説した本です。


著者は裁判官です。


3部構成になっており、第2部の要件事実がメインとなっています。



それでは、レビューをします。


まず、良い点ですが、


冒頭に事例が設定されており、
自分で考えながら、主体的に読み進めることができるという点が挙げられます。


また、大事なところは、実体法と関連付けて解説されていますし、
何より、読者を想定して非常に丁寧に書かれてます。


さらに、ワンポイントレクチャーという項目で、
初学者が間違えやすい事項について、わかりやすく説明されています。


『紛争類型別の要件事実』(法曹会)は、解説が薄くて解りにくいと考えている

法科大学院生、司法試験受験生は、ぜひ本書を手に取ってみることをお勧めします。


加えて、嬉しいのは、第3部に事実認定の基本が解説されている点です。
この部分は、司法試験の受験後か司法修習に入る前に読んでおけばよい部分ですが、
よく配慮された本だと感心させられます。


次に、改善してほしい点ですが、


特にないですね。


あえて言えば、プロローグに登場してくる司法修習生、指導弁護士、相談に来たおばちゃんなどを、
本文でも登場させて面白くしてくれれば良いな~、なんてことを思うくらいです。


ちなみに、司法修習生にも、この本を持っている人がけっこういます。



以上、要件事実に悩んでいる司法試験受験生は、ぜひ読んでみて下さい!!




大島眞一『完全講義 民事裁判実務の基礎―訴訟物・要件事実・事実認定』の点数は、

95点です。


大島眞一『完全講義 民事裁判実務の基礎―訴訟物・要件事実・事実認定』は、こちら


    ↓   ↓


完全講義 民事裁判実務の基礎―訴訟物・要件事実・事実認定
完全講義 民事裁判実務の基礎―訴訟物・要件事実・事実認定 大島 眞一

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本日紹介する本は、


山口厚『新判例から見た刑法』です。



この本は、山口厚教授が法学教室で連載していたものを


加筆・修正してまとめた本です。


参考書として位置づけられる本です。



この本は、隠れた名著だと思います。



では、さっそくレビューします。



まず、良い点ですが、


近時の重要判例を取り上げ、


短いながらも、かなり深く検討しています。


取り上げられている判例は、近時の注目判例で


試験のネタに使われてもおかしくありません。


新司法試験平成22年の不作為犯・過失犯は、


ばっちり載っています。


もちろん同じ事例ではありませんが、


試験委員の関心領域は、こういう論点にあるのかな、


というものがわかります。


さらに、一般に受験生にとって分かりにくいと思われる


詐欺罪や誤振込み事例については、


他の犯罪に比べて詳細に論じてくれてます。


山口先生独自の考え方が出てきたりするのですが、


非常に説得でわかりやすく、


山口説をとっていない方も十分理解できると思います。


ここだけ読むだけでも価値があります。




次に、改善してほしい点ですが、


分厚くなってもいいので、


40章くらいまで増やしてほしいという点です(現在は21章です)。


重要判例について山口先生の考え方をもっと知りたいですからね。


そこは、山口先生の基本書を読め!ということなのでしょうか。




最後に、本書を読むときに気をつけたい点を述べます。


やはり山口先生という超一流の学者であっても、一学者にすぎませんので、


上記判例を読むときには、同時に最高裁調査官解説を一緒に読むことをお勧めします。


判例の位置付けと学者の問題意識が同時にわかると思います。




山口厚『新判例から見た刑法』の点数は、90点です。



山口厚『新判例から見た刑法』は、こちら


     ↓   ↓


新判例から見た刑法 第2版 (法学教室Library)
新判例から見た刑法 第2版 (法学教室Library) 山口 厚

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本日紹介する本は、


藤田広美「解析民事訴訟」です。



藤田先生は、元裁判官で、司法協会の「民事訴訟法講義案」の著者の先生です。


「民事訴訟講義案」を基本書にしている受験生は多いと思います。



藤田広美「解析民事訴訟」は、旧司法試験の論文過去問を題材しにして書かれていますから、


基本書というより演習書に近い本という位置付けになります。


もちろん、基本事項も書かれています。



この本の良い点は、


何といっても旧司法試験の論文過去問を題材にしているという点です。


旧司法試験の問題は、とてもよく考えられて作られているので、


変な問題を検討するより、効率的に勉強の核を作ることができます。



しかも、実務を踏まえて記述されている点が非常に良いです。


例えば、準消費貸借における旧債務の存否の証明責任について、


判例を知っている方が多いと思うのですが、


実務は基本的にこの判例の立場に立っていないということが分かります。


この辺は、元裁判官ならではですね。



一方、改善してほしい点は、もう少し分析を詳細にしてほしいという点です。


ですから、上級者は、この本を読みさらに自分で思考するという使い方、


初級・中級者は、「スタンダード100」という予備校本や、


和田吉弘「司法試験論文本試験過去問 民事訴訟法」(辰巳のLIVE本)などを併用する


という使い方がよいと思います。



藤田広美「解析民事訴訟」の点数は、85点です。



藤田広美「解析民事訴訟」は、こちら↓



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解析 民事訴訟 藤田 広美

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