真理が地上に実在し、真理が地上に行われる時には、人間はすでに人間ではないですよ。人間は人間の形をした豚ですよ。真理が人間にエサをやり、人間はそれを食べる単なる豚です。

-坂口 安吾


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彼は、「真理というものは実在しない。即ち真理は、常にただ探されるものです」としている。

探すことの中にしかなく、しかし、探さずにはおれない。

しかも、もしあきらめ探さないとするならば、やはりそれは正しくない。

例えば、人間とは、そういうものである、か。


坂口 安吾
坂口安吾全集〈15〉


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いやなことをどうしてもしなければならないなら、いやいやすることが大切である。いやいやすることに耐えられなくなったときに、自分から献身に切替えて、楽な気持ちで同じことが楽しくできるようになったなどと自慢するのは、自己欺瞞をさらけ出したみっともないことである。

-串田孫一


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詰まらぬ嘘を自分に許して、大人になったなどと合理化を行うのは、まさに厚顔無恥というものだ。


串田 孫一
思索する心

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他人から尊敬せられるには、ただ自分で自分を重んずればいいのだ

-トーマス・マン


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言うまでもないが、他人に対してなされる、自分は重んぜられるべき存在なのだという主張は、十分に自分を重んずることができていないがための、不安から生まれたものである。

そのためもちろん、それよって他人から尊敬されることなどない。


トーマス・マン, 実吉 捷郎
トオマス・マン短篇集


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生徒の勉強は性格にたいする試練であって、知性にたいするものではない。

-アラン


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学べない者の多くは、自らの知性が試されていると感じている。

だから、少し考えて分からなければ不安になって、早くも逃げようとする。

問題は、そういう怯えた性格にこそ、ある。


アラン, 原 亨吉
人間論

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人間は精神である。しかし、精神とは何であるか?精神とは自己である。しかし、自己とは何であるか?自己とは、ひとつの関係、その関係それ自身に関係する関係である。

-ゼーレン・キルケゴール


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人間以外の生き物も、他のものとの関係を持っている。

それは、例えば、生態系と呼ばれるものだ。

人間もまた、やはり生態系の中にいる。

しかし人間だけが、その生態系という関係に、関係しようとする。

人間は、自己を取り巻く状況を意識し、それに関係する。

つまり、関係に関係する存在である。

人間の人間たるゆえんは、そうした関係にある。

言い換えれば、人間だけが自己についての意識を持っている。

それ以外のこと、例えば、道具を使うことや、二本足で歩くというようなことは、人間の本質的な属性ではない。

人間は自己を意識し、だから、未来に不安を覚え、それでも勇気を持って生きようとするという高さを持った、独自の存在だ。


キルケゴール, Soren Aabye Kierkegaard, 桝田 啓三郎
死にいたる病、現代の批判



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