「"権利と義務"なんて、存在せぇへんぞ?」
ドスの効いた声色、眼鏡の奥から覗かせる鋭い目。
若い時、グレーな業界でいわゆる"切り取り"を行っていたというO部長はそう言った。
その仕事の中で、借金のカタに何人も債務者が命を落としたという。
入社して2年目、20歳の冬だった。
場所は東京の両国。
東京支店立ち上げの先鋒として選ばれた私は、O部長を筆頭にO部長の古くからの部下であるというKさんHさんと共に拠点となっていたマンションの一室にいた。
冒頭の"権利と義務"という話は、以前から専務のKさんに何度も言われてきた話だ。
「権利を主張する前に義務を果たせ」
プロである以上、実績を出さないと発言権は無い。
営業という実力社会では当たり前の話だ。
それをO部長は真っ向から否定した。
見るからに叩き上げで成り上がってきたであろうO部長の口からそんな言葉が出るのは意外だった。
もちろん、そこには色んな意味合いが含まれているだろう。
「専務のー...そのマネジメントは間違ってはいないと思うが、俺に言わせると少しいやらしさがある。若い衆をそうやって焚き付けるだけが上じゃねえよ。」
その様なニュアンスのことを言われたと記憶している。
K専務の言葉にも、そしてこのO部長の言葉にも厳しくも愛があった。
つくづく、当時の自分は良き師たちに恵まれていたのだなと今振り返りながらしみじみ感じる。
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