こう言うと
真面目に介護をされている方
特に家族介護をされている方には
語弊があるかもしれませんが
認知症ケアはぼくにとっては
趣味なのかもしれません。
一応プロではあるのですが
BPSDに対して
未だに考え込んでしまう事があります。
認知症には
物忘れなどの記憶障害や
場所・時間・人などの見当がつかなくなる
見当識障害など
中核症状に分類される根本的な症状。
そしてそこからもたらされる周辺症状。
これがBPSDと呼ばれるものです。
抜け落ちた記憶に不安になり戸惑い
それを補う為の行動や心理のあり方が
BPSDです。
具体的な症状としては
「徘徊」「物盗られ妄想」
「暴言・暴力・介護拒否」「弄便」「異食」
等々。
数限りなく無数にあります。
以前は問題行動とか迷惑行為・異常行動と
呼ばれていました。
でもその言い方はこちら側からの見方で
ご本人の内面の側には立っていないとの事で
BPSDと言われるようになりました。
BPSDとは
behavioral and psychological symptoms
of dementia
つまり「認知症の方の振舞いと心の症状」と
いう事です。
認知症の方の行動と心を忖度する事が
必要になってきます。
国際ジャーナリズムから
日本のマスメディアは権力に忖度すると
批判されていましたが、
マジョリティーたる権力側への忖度は
民主主義の否定につながります。
ぼくは民主主義の根は
マイノリティーへの忖度だと思っています。
認知症の方への対応は一人一人が違うので
個別への思いが必要になります。
おひとりおひとりへの忖度が必要なのです。
例えばお食事後に
「財布盗られた」とおっしゃる入居者様は
食事を食べたら代金を払わなければ
と思いお金を払おうと財布を捜すが
見つからない、
私は食い逃げするわけがない、
だから財布を持ってないわけがない、
だから盗られたに違いない。
多少の独断はあっても
考え方の展開は間違ってはいません。
また別の入居者様は
お箸の使い方を忘れ
こんなん食べられへんと怒りだします。
箸の使い方がわからないのだけど
ご飯がまずいと怒り出すのです。
そんな時は一旦お膳を下げ
小鉢に食事を移し小分けにして
チョット小声で
「作ってみたんだけど
一回味見してもらえます?」と
小鉢を左手
スプーンを右手に持って頂きます。
4回くらい繰り返すと完食され
「美味しかった」と言って頂けます。
この方にこの時は
これで上手く対応できますが
別の日や別の方には
上手くいかない事もあります。
ドキュメンタリー映画
「毎日がアルツハイマー」の関口祐加監督は
A案、B案とよく言われますが
この案がよくなければ
別案で行こうという身軽さを
おっしゃっているのだと思います。
その為には作戦の引出しを
沢山持つ必要があります。
この方法を考えるのはぼくは楽しいのです。
騙す事になっている介助者も
いるにはいます。
今の思いや悩みを考え忖度し
その事に対する解決かどうかを
考える事が大切なのでしょう。
家族介護者ではなく
施設介護者である事は気持的には
楽だと思います。
関口祐加監督はお母さんが
アルツハイマー型の認知症と診断された時
色んな方に相談したのですが
1人だけ「認知症を楽しんで下さい」と
言った方がおられたそうです。
認知症介護を楽しむ事、
認知症ケアが趣味という所以です。