結婚するまで、家にいてね。
母の言葉だ。
言った本人は忘れている。
小さい頃に言われたその言葉を
私は35年間遵守していた。
もちろん母を責めるつもりなど毛頭ない。
自分による自分への擦り込み。
自分の生き方に限界がきた。
昨年、34歳の時だ。
真面目に、他人の期待に応えようとする生き方は
自分自身を殺していた。
仕事を辞めるか・辞めないかという問いが
死ぬか・死なないかという問題になっていた。
結局仕事へは、行けなくなった。
身体が動かなくなったのだ。
今思えば。そこまでの状態にならなければ
私は精根尽きても頑張ってしまうから。
紆余曲折あり、私は実家を出た。
今月から一人暮らしを始めた。
人生ではじめての一人暮らしだ。
しかも無職である。
自分の食べたいものがわからない。
電気代が怖くて、エアコンがつけられない。
何より一番恐ろしいのは
私は自分のためにお金を遣うことができない。
実家に帰る時や
実家に帰った時。
人に会う時や、お礼をする時。
自分以外のためなら
何も気にすることなくお金を払える。
しかし一転、自分へのこととなると
我慢するほうを選んでしまう。
その方が楽なのだ。
冷蔵庫も洗濯機も電子レンジも
買おうと思いながら迷い続けている。
今のところ持たずとも生きている。
やりたい仕事はない。
彼氏はいない。
本当に何の見込みもなく
ただ、一人暮らしをすることを目的に
一人暮らしをはじめた。
自分がいかに意志を持たずに
流されてきたのかを感じる。
今までは母が作ってくれた料理を、食べるだけだった。
だけど今は、自分で探している。
自分は何が食べたいのかと。
受け取るだけではなく、見つけようとしている。
それは案外簡単なことではない。
自分で人生を拓くということの偉大さを
それを多くの人が成し遂げていることを。
私は35年目にして体感することとなっている。
明日、何が起こるのかわからない。
半年後どうなっているのかなんて
もっとわからない。
でも、生きていることも死んでいることも
私にとってはもうよくわからない。
私の代わりに
私を生きてくれる人はいない。
必ず死ぬと決まっているのだから
死に急ぐことはやめようと決めた。
今、一番困っていることは
自分にお金が遣えないことだ。
自分が豊かでなければ
人に豊かさを提供することは難しい。
口だけの女にはなりたくない。
まずは自分を満たすこと。
愛することに向き合っていこう。