「なんかポストに入っててさぁ~。怖いから一緒に開けてくんない?」



事の発端は、彼の家に異物が投函されていたことでした。


「わざわざそのためにアパートまで来たんですか。郵便で届けてくれれば良かったのに」

「なんか梱包に梱包を重ねるのめんどくさくてさぁ」

「へぇ…」


それは生魚を入れるための発泡スチロールの箱で、『ナマモノ』として発送されたようでした。

しかし、中身が分からない程とても軽く持ち上がります。


「入ってるのがもし生き物とかだったら警察に行かなきゃなぁ~ってさ」

「私的にはそっちの方が困ります。だったらまだ藁人形の方がマシです」


でも、そういう物はこの中には入っていないと、私達は薄々感づいていました。


「…あの、宛名ありましたけど」

「ほんとだ。まぁ当たり前か…」


宛名には、彼の名前ではなく

『ケンタロー』

と、彼がユーチューバーとして活動している時の名前が書かれていました。


「…あんまり俺のこと知らない人かもね?」

「熱烈なファンが居たもんですね」


そのまま、安心と不安半分で発泡スチロールの箱を開封しました。



「写真だ」



白い発泡スチロールに、なんの封もされずに入っていた一枚の写真。

おそらく、なまものとして届いた物。


「写ってんのこれ、…木かね?」

「ですね」



・「ケンタロー」と、本名ではなくユーチューブ名を記名した宛名

・何故か生物として届いた写真

・写真に写っている大木


これらの謎を抱えたまま、私達二人はとある旅に出ることになりました。




「久し振りのドライブだけど、これってどっちかっていうとお仕事だよな~」

「しょうがないでしょ。あなたが私の事ユーチューブでしゃべっちゃったんだから」

「だってー!!あんなの届いたのにさぁ~ネタにしない方がおかしいでしょ!」

「ユーチューバーの言っていることは理解出来ないですね」

「ちぇっ!」




これは、とある心霊写真から始まった話です。