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希望ケ丘動物病院の院長ブログ

動物は、私たちにとって掛けがえのない大切な存在です。
時には人を癒してくれたり、支えとなってくれることもあります。
私たちは、そんな動物たちをどうしたら救えるか?
どうしたら治せるかを常に念頭に置き、親切・丁寧・誠実に日々の診療をおこなっています。

令和元年当院をご利用いただきまして誠に

ありがとうございました。

本年は12月30日(月)まで通常どおり診察

致します。30日は20時までの診察となりま

す。

新年は1月4日(土)から診察開始致しま

す。

来年もよろしくお願い申し上げます。




当院の看板猫『くうちゃん』です。

雄15歳
5歳の雌猫が長い虫のような物を吐いたと

いうことで来院しました。




来院時にはまだ生きていて動いていました

これはマンソン裂頭条虫という腸内寄生虫

で通常猫の便によく見られる瓜実条虫とは

違った種類の条虫です。

糞便検査でも便中に卵が検出されました。




瓜実条虫がほとんど蚤が媒介するのに対し

てマンソン裂頭条虫は中間宿主の爬虫類

や両生類の蛇や蛙を食べて感染すると言わ

れています。便からだけではなくこのよう

に吐物に出てくる場所もあります。

この猫は千種区のマンションの高層に住ん

でいて普段の生活環境からは感染は考えら

れません。名古屋市内でも川辺に住んでい

る場合は感染の可能性はありますが。千種

区の当院で検出されることは極めて珍しい

です。

関東のご実家に連れて行かれたことがある

そうですが、現在のところ感染経路が解明

出来ていません。

キャンプや旅行に犬や猫を連れて行かれる

場合はこういった寄生虫の感染の可能性も

ありますので注意して下さい。

定期的に検便するのは早期発見、早期治療

に有効です。
日常よく外出している生後5ヶ月の雄猫が

帰ってきたら後肢に怪我をしているという

ことで来院しました。

診察すると後肢はまったく負重できず、

体温も35度2分と著しく低下していまた。

レントゲン検査の結果大腿骨骨頭部分の骨

折と骨盤のうちの腸骨という部分の2カ所

の骨折が判明しました。




状況からみて交通事故にあったものと思わ

れました。体温が低下しているのも強い外

力を受けて外傷性ショックを起こしている

ためです。

輸液療法や鎮痛消炎剤、抗菌薬などで約1

週間くらい治療して状態を改善したうえで

骨折の手術を行いました。




腸骨は骨プレートと骨スクリューで固定し

ました。

大腿骨頭は骨頭切除術といって折れて骨ど

うしが当たって擦れる部分を切除して骨ど

うしが当たらないようにして臀部の筋肉

で後肢を安定させる方法です。

体重の軽い猫や小型犬ではこの方法で問題

なく普通に歩けるようになります。

この猫も手術後3週間でかなり歩けるよう

になりました。

少しの怪我だと思っていたら今回のよう

な重大事故の場合もあります。

飼い主さんが異常を早く察知して病院に来

院されることが重要です。

雄猫の場合発情期には外へ行きたい欲求

が高まりますので去勢手術されることが

良いでしょう。