ゴム風船を膨らませる時、一度肺に息を溜めて置いて一気に空気を送り込みます、最初はゴムの抵抗が強いが一度膨らんでしまうと後は追い足すだけで想定の大きさまでは楽に膨らませることが出来ます、これはゴムの伸びる力を空気が入っていない状態が一番温存されているコトを意味します、伸びるにしたがい元に戻ろうとする復元力が弱まり、それ以上伸びない限界をこえて空気を送り込むことが出来たらゴム風船は破裂します、限界に膨らませたゴム風船を口元を括らずに手を離すと空気を吐き出しながら進行方向の空気の抵抗を受け不規則に飛び回ります、膨らませる時とは逆に完全にしぼむ少し前の瞬間が一番ゴムの復元力が大きくなるので空気を力強く吐き出して素早く飛んで落下します、ゴム風船の場合は伸縮する性質のあるゴムの膜を介した外圧と内圧のバランスが圧力の差を無くそうとする作用でこうなりますが、紙風船の場合は内と外の空気圧は同じなので小さな穴が空いていても空気が吹き出すことはありませんし、膨らませる時にも少しの力でコト足ります、ゴムの形状を維持しようとする性質はモノの動かしにくさとよく似ています。
モノは重いモノほど動かすのに大きな力が必要で軽いモノほど小さな力で動きます、そして動いてしまうと後は抵抗力に減速されながらも慣性力で動き続けようとします、例えばボウリング場のレーンは抵抗を少なくする為にオイルが塗られ、重いボールに初速を与えて投球すると最初はレーン上を滑って進みガターに落ち込まなければ、その後転がり始め与えられた回転方向にもカーブしながらピンを倒して最後にはその後のゴム板の緩衝装置に受け止められて破壊力を相殺され機械で所定の位置に送られ戻ってきます、プレーヤーの力で初速を与えられ移動したボールは緩衝材にぶつかることにより動きを止められます、モノは動かしにくく動けば止めにくくなります、動いている途中は動いている速度を感じません、電車の窓から流れる景色を見て動いていることが分かりますが、窓の外の景色が映像であったとしても動いていると錯覚を起こしますので、目を閉じればガタゴトの振動を感じ動いていることは解っても一定の速度なら速度そのものは感じません。
もし人間が慣性運動の速度を感じてしまえば大変です、地球は自転しているし、太陽の周りを公転もしています、銀河の一員としても回転していますし、銀河そのものもアンドロメダに向かっています、人は地球号に乗って物凄い速度で宇宙の壮大な旅に出ているのを体感するコトになります、ビックバン理論では宇宙は膨張していることになっていますというより、宇宙が膨張しているらしいからビックバン理論が提唱されたのです、高精度の望遠鏡で遠くの銀河を眺めたらその銀河から地球に届く光のスペクトルが赤方偏移しているコトが宇宙膨張の証拠なのですが最近どうやら加速しているらしいと言われています、しかし加速しているなら速度を感じるはずです、それは地球号に乗っている人にも感じるはずです、でも感じることはありません、これは地球号が物凄い速度で多重螺旋軌道を移動はしていますが、大規模の為、ほぼ直線といえる慣性移動をしているか身体に速度変化を感じることの無い僅かな加速若しくは減速していると言うコトになります、ならビックバンは要りません、ビッグバンは宗教的に神がもっと光あれと言ったことと辻褄を合わせようとされた感があります、この世界が生まれたコトを神の為せる業だとしたかった人達の発想でしょう・・
モノの運動には加速と等速と減速のみ3つしかありません、この世にある限り停止状態はありません、一見そう見えても実はすざましいい速度で移動しています、ただ普段はそのコトに気が付かないだけなのです、モノが存在すること自体運動の賜物であり、その運動が停止すれば存在も消えます、だからこの世のモノに止まるという状態は無く、ただエネルギーの加減速と力を温存させた等速運動のみあるのです、エネルギーが加わって速度が増し、エネルギーを消耗して速度が遅れます、そしてその間はエネルギーを温存した状態即ち一定のエネルギーが保持されている状態なのです、その事実が明らかになるのは何らかの障害に出会った時しかないのです、これが大自然の法則でありマクロからミクロまで貫く真理なのです、人間にもその真理を外れての事象は無く、その理屈は人生に反映されてしまいます、その理屈に逆らっても吹き飛ばされるだけで、いかにその風を捕まえるかが人生の明暗を分けます。
この加速と減速を上手に利用すると、不可能めいたコトが可能になったりします、その風向きに乗るだけで為すべきコトは為されていきます、その状態でどんな種を撒いても大きく成長しますし、悪い種を撒いてしまうと悪いコトを成長させてしまいます、雪の結晶が空気中のミクロな塵が結晶核となって綺麗な形に成長するように、正しい方向の選択が正当な結果をもたらすのです、正しい方向とは自分が制御できる方向のコトです、自分が自分を思い通りに制御できれば他人も制御できるようになります、ただ時間の調整は必要です、臨機応変の速度は重要ですが機が熟すのに時間が必要な時があります、焦ってゴリ押ししてもしくじるし、機を逃してもやり直しを強いられます、絶好のタイミングでアクセルを踏み、丁度好いタイミングでブレーキを踏み込むコトで上手に難所を切り抜けるコトが可能になります、怖くなって止まろうと想っても無駄です、人生に停止はありません、温存された力で壁に激突するだけです、そして未熟さも言い訳にはなりません、掛かっているのは誰のでも無い自分の人生だからです、だから言い訳も強がりもさっさと捨て去り、自分の人生を正しい方向の軌道に乗せるコトに真剣に取り組まなくてはならないのです・・・