夫婦に話し合う時間は大事です、話す内容は自分の現状報告とこれから予定される行事の対策、そして相手の足らないところの指摘です、家庭が今どうゆう状況に置かれているか、やってる仕事の見通しはそれなりに伝えておくことで心構えが出来ます、しかしあまり心配事に繫がる事柄は伝えても混乱を招く恐れがあるので、意識的に伏せられたり隠されたりします、全く秘密の無い夫婦もいないでしょうが、職場で知り合った人からアプローチを受けたとか、自分のミスの為、業務に穴を明けてしまったとか、要らぬ心配をかけたり、少々の問題は自分で解決してもみ消そうとあえて伝えなかったりします、そのまま無難に乗り越せれば問題は無いのですが、時として悪い方向に展開して、隠すことも叶わない夫婦の問題に発展することもあります、問題を未然に防いだり大きくなる前に対策を計る為には何事も話し合うことが有利なのですが、そうそう相手に素直に伝わりません、お互いに云いたい事を自分が思ってるように伝えようとするし、自分が痛いことは聞きたくなく耳に入りにくくなります、子供の教育の事のような共通の話題でも各々の考えや想いが反映されぶつかり合うことがあります。

 

 人は誰でも自分の視点から物事をみるので、その視点が違う以上同じには成りません、相手を理解する為には相手の視点に回り道をして物事を観て、相手の考え方に立脚して判断すると、同じ方向から問題に向かうことが出来るのですが、お互いが同じ作業する条件が付きます、自分が思っていることは素直に入っても思っていないことは無理やり入れにくいので話し合いで解決しないのです、いっそお互いに責任を分担して任せ、話し合いを持たない方が良い時もあります、面と向かって言い争うのではなく問題と言う敵に取り囲まれても背中合わせで二人で陣を組み目の前の敵に対抗すれば夫婦がぶつかる事も有りません・・

 

 ラリーと言う自動車レースがあります、自動車関連のメーカーがスポンサーとなり走る広告のようにステッカーが所狭しと貼られたボディに、車がひっくり返っても乗っている人を守る装備が施され、過酷な山道や砂漠の道なき道を区間を区切って長時間掛けて走破し総合タイムやその正確さをを競う、乗る人にとっても車からみても極限レースです、一区間走れば足回りはドロドロに汚れボディは傷だらけに成ります、ラリーカーにはドライバーとナビゲーターが二人一組で乗り込みそのチームワークが勝因の鍵となります、ドライバーはただでさえ走行が難しい悪路を高速でぶっ飛ばし、そのままカーブに突っこむと車をドリフトというテクニックでハンドル操作だけではなく車を滑らせて進路を変えます、一つ間違えば命取りにもなるので、持てる力全てで運転操作に取り組まなければなりません、道が合っているか、経過したタイムが予定どうりか、考えてる暇も余裕もありません、状況に合わせた細かい指示は助手席のナビゲーターが担当します、車の中で振り回されながら地図と時計を確認し如何に適切な誘導が出来るかで勝ち負けの道を分けます、命がけのドライブテクニックと劣悪な状況下での冷静な判断、そして悪路に持ち堪える強靭な車の三つ巴の条件が必要な競技です、一度優勝でも出来ればその車のメーカーはその性能に対し絶大な評価を受け車の売上も確実に上がります、そしてドライバーとナビゲーターは一緒に表彰台に昇り拍手喝采を浴び名誉と実績と褒賞を手に出来ます。

 

 このドライバーとナビゲーターのチームワークはラリーだけに留まらず数多くの事象に適用されています、会社の経理と営業の関係も同じです、会社の経営は言うまでも無く営業が大事ですが、経理を疎かに考えると必ず破綻します、一見地味な経理作業は一見派手な営業活動とセットなのです、一人でやる個人商店なら両方一人でこなしますが、二人以上いれば作業は分担されます、重い荷物を持ち上げるクレーン作業もクレーンのオペレーターと荷物をワイヤー掛けしたりする玉掛け技術者とのセットですし、テニスのダブルスも共同作業ですし、保育園の保育士の先生も怖い先生役と優しい先生役が決められ共同作業で園児を上手に誘導するそうです、夫婦関係だけではなく人は誰でも自分が大事に思っていることを優先し、相手の大事に思っていることは2の次にしか置けないので話し合いによる解決が難しいのです、話し合いで決るのは相手を屈服させることかも知れません、それならいっそ話し合いは必要最小限に留めて、役割を分担し共同作業をすることが正しい選択になります。

 

 ペンギンは片方が卵を温めている間に片方は漁に出かけますし、蚊もメスの吸血活動をオスが命がけで羽音を立てながらサポートします、彼らは話し合いなど出来ませんがやるべきことは出来てます、夫婦で3人掛けのソファーを移動させる時、片方が前に進めば片方は後ずさりしないと目的は達成できないのです、ラリーのドライバーとナビゲーターはシートに腰掛け同じ方向を向いていてもやっている作業は分担するように夫婦関係もそんなチームワークを心掛けて問題に取り組めば解決の近道になるのかも知れません、国際問題も共同作業で解決しそうなモノですが、相手国を屈服させたい気持ちが前面に出て何時までたっても解決しません、もっと大事なコトが沢山あるだろうと想いますが・・・