唇って何の為にあるの?って聞かれました、唇は身体の外側と身体の内なる外側の境界にあるゲートであり、頬の肌のように乾いている訳でもなし、口の中のように濡れている訳でもない、その中間の状態にある、あくびで口を大きく開けたり、口笛を吹く時にすぼめたり、伸縮に対応できるし、閉じることもできる、食べ物を摂る入り口であり、声が出る出口でもある、口は顔の前面にあり、点が3つあるのを人の顔に見てしまう錯覚をもたらす最小構成要素の一つであり、女性や子供の可愛らしさも表現もできるし、一文字に結んで固い意志も伝えることが出来たりもします、漫画では唇を少し開き上下の歯を噛み合わせを見せることで悔しさを表現できますし、歯を見せず唇をポカンと開けば唖然とした表情や間抜け面も演出できます、舌との共同作業でチェッと舌打ちのアピールも可能で、伸ばした人差し指と中指と薬指を尖らした唇の先に当てチュッと外側に軽く振れば、愛嬌と一緒にキッスの瞬間移動も可能です、勿論本格的な接吻も可能で、それが為に欲望の対象にされたりします、唇からは音の声だけでなく顔の印象操作を補助することにより内なる声も発することも出来ます、舌を出してあかんベーの下半分や出した舌を振り回すことによりベロベロバーの要素にもなります、ひび割れて血が出れば寒く乾燥した天候と痛々さの伝達も可能で、ヘルペスなどの出来物が現れると胃腸の状態のお知らせにもなります、媚薬など出ないのに歌の題名になったり、上下重ね合わせて震わせながら唾液の飛沫を噴だせば子供同士の喧嘩の原因にもなり、同じ操作でブーと音を強調すればおならの音に似せることもできます,江戸家さんなんかは小鳥のさえずりを脅威の音色で奏でます、あそこまで似せれば本物が寄って来たとか?逆に鳥のほうでも人間の声色を使える種類もいたりします、大工さんは釘を何本か咥えて釘打ちのお手伝いにも使いますし、柳沢さんはタバコの箱のセロハンとコラボさせて警察無線のものまねにも使いました、打撲を受けると多少歯は守れるが衝撃と歯との挟み撃ちで傷つくとすごく痛いし、少し内側なら傷が治りにくく口内炎になったりもします、紅をささずとも多少赤みがあるので肌の白い人なら美しさが際立つことになり、美人の条件となったりします、うちの母親なんかは自分で雪のような白い肌に苺のような赤い唇と自慢すると、周囲からハイハイ!とかわされボケにしてもらえる効果もあったようです・・

 

 全く、唇を表現するのに説明しつくせない潜在能力と限がないとも思える表現が可能ですが、これは唇が内と外のハザマにあるからに他なりません、この世のハザマには無限の可能性が含まれているのです、空間が無くても境界はありますこの境界に無限の可能性があるのです、コースターが上り坂を上がる途中、下り坂を下る途中は、慣性力や重力の影響で抵抗を受け自由を束縛されるところがありますが、慣性力で上がりきって下がろうという瞬間バランスが釣合い重力の束縛から解放される刹那があるのです、唇は出入り口です、入る側から見ても、出る側から見ても境界です、口は災いを呼び、口が奇跡を起こします人の数を表すのに人口としています、一人に一つのモノなら別に人頭でも良さそうですが、人の頭数とは表現しても人の数は人口なのです、人は頭でモノを考えますが、必須条件は口で食べることなのです、食べる必要でお腹が空いたとアピールします、言葉の通じない外国に滞在する事になった人が身振り手振りで最初に学ぶ言葉がお腹が空いた、だそうです、食べる事が第一で、生きることなのです、卑弥呼の時代に後漢の王に奴隷を貢物として献上した時も生口何人と表現されました、口は命の代名詞なのです、そして献上された生の口の使い道は無限の可能性を包含するのです、口から発せられる言葉は人の悩みを和らげ、メロディは感情を呼び、勝利の勝どきは兵士の心を奮い立たせます、それぞれ形に捕われない千変万化の変化が可能です、薬を受け入れ、毒も侵入します、唇の内側と外側にはそれぞれにバランスがあり人を生かしそして死なせます、内なる宇宙と外なる宇宙は唇によって区切られ唇を通して連絡し合います、だからその出入り口である唇には無限の可能性が出入りするのです、入り口が在れば出口も在ります、こちらも陰陽逆の同等の作用がありますが、誤解を招く恐れもありますのでここでは割愛します。本当は唇に限らず生命活動を営む全ての器官やそれぞれの細胞にも出入り口が備わり、命の通路となっています、動物だけに限らず植物の細胞にもそんな出入り口が存在し、顕微鏡で拡大して観察すると何故か唇のような形状をしています、勢いで言ってしまうと、空気を振わせて声を造りだす声帯も、光を取り入れる瞼も、究極的にはお腹の中の新生児の出口もみんな唇形状なのです、唇を重ねて愛が生じ、生命が侵入して新たな生命の誕生という奇跡をもたらすのです、唇は命でありそして奇跡の出入り口なのです・・・