昔、父親が頼みもしないのに四柱推命の先生に私の運勢を鑑定してもらい、その結果を持って私にお前の命式がこうだから駄目なんだとか、こうしなければ為らないんだとか言い出した時期がありました、残念ながら父親としたら自分の息子を修正してやろうとする善意の部分もあったのでしょうが、この頃の私はとても父親の言うことを全て鵜呑みに出来ない経験もしていたし、親が白と言えば黒いモノでも白いと言えと無理やりな性格も持っていたし、何より私に対して嘘をつくことを何か楽しんでいるところも有りましたので、父親の忠告は素直に耳に入りませんでした、けれども父親の言葉の中には今尚、胸に刻み込まれた珠玉の教訓もいくつか混じっていました、父親は意識してか無意識か今となったら確かめる術はありませんが、息子の性根を無理難題を押し付けることによって鍛えていたのです、すぐ壊れてしまうガラスや陶器のような私の弱い精神を観て、というより私のその精神が父親の何とかしなければという行動を呼び込んだのかも知れません、そのお蔭かどうか確証はありませんが私は結構打たれ強い性格を自認しています、但しこの打たれ強い性格は世間に出ると、何故か周囲の人から打たれ易く成るというか打ち込みを呼び込む部分が出てきます、でもそこからは自分の対処の範疇なので父親に一切責任はありませんが・・

 

 ただ母親が,あぁ!この事だったのか!と私の人生の事象が前もって見透かされていた様な忠告をされたことを回想し、私に話してくれました、言われた時は普通に考えて有り得ない、何のことか理解出来なかったけれど、現実を目の当たりにするとこの事でしかないと・・ 私は身体的にも精神的にも自分なりですが限界に追いやられた時期がありました、壁に向かって一人で話していた状況は実際少し分裂しかけてたとも言えるでしょう、何故自分だけ・・その答えが知りたくて、自分の人生の事象を同時期に言い当てた二人の先生に会って見たいと父親に申し出て紹介を受けたのですが、この四柱推命の先生がその一人だったのです・・

 

 本屋さんの二階で鑑定をされていた先生は予約を入れて相談者と面談します、予約の時間まで少し待機所で時間を過ごし、ほどなく呼ばれました、父親は何度もお伺いを立てていましたのでデータが保管されています、先ず父親が相談します、すると先生は貴方は前にも言いましたが、ご自分のエゴを少し抑えて・・とか何とか説教され、ほんの2~3分で開放されます、私は口には出来ませんでしたが、その通りだと心の中で相槌を打っていました、そして私の順番です、私のデータも既に保管されて在りました、先生は何を相談したいかは後で聞かせてもらうとして先ず貴方の命式の説明をしましょうと・・いきなり、貴方は頭が切れる・いえいえそんなことは・周囲の者がみんな愚か者に視えませんか?・いえいえそんなこともべつに、いや賢いんだ!でもその頭から出される智慧には必要な使い道があり、貴方は周囲の人をサポートし、縁の下の力持ちに成る為の使命があります・・そんな!私もサポートされる側が楽そうでいいのに・・それから約一時間近く、私の命式の事を熱弁されました、そして一通りの説明が終ると、さて、ご相談内容は?と聞いてくれましたが、私は先生に、いいえもう結構です、先生のご説明の中に、私の疑問や理不尽に感じていたこと、その解答が全て含まれていました、全ての解答が自分に在ると言う事がよく解りました、長いご説明感謝します、と礼をして其処を後にしました、その先生の説明の中で、貴方は二重人格に成らなくてははならないというくだりが有りました、貴方が真っ直ぐな心で世渡りしたくても世の中は決して真っ直ぐでは無い、ずるく、汚く、歪んでいるところも在る、いくら貴方が智慧を絞って真っ直ぐな心のまま歩んでも、ボロボロに傷ついて潰されてしまう、だけど真っ直ぐな心を捨ててはいけません胸の置く深くに仕舞って置いて、世間向けの人格を拵えなさい、その造りモノの人格を前面に押し出し世渡りをしなさい、そうすれば、いくら傷つけられても護るべき本当の人格は傷つくことは無い、その気になれば新しい人格を造り直すことも出来る・・これは四柱推命から導き出される解答と言うより、この先生の世界観の部分もあるのでしょう、私が苦しんで差し出した手にこの先生を通じて大自然が一つメッセージをその手に乗せてくれたのだと解釈しています・・

 

 ダイヤモンドは炭素Cで出来ています、炭素には複数パターンの繫がりで構成されるカタチがありますが、ダイヤモンドは格子状の強固な結晶で構成されています、物質の硬度はこのダイヤモンドを一番固い硬度10として設定されルビーやエメラルド、サファイヤなどの宝石の結晶が後に続きます、ダイヤモンドは一番固いので傷つきにくいのですが、そうすればどうしてカットしているのだと言うとダイヤモンドはダイヤモンドで共摺りにより削られカットされているのです、しかしいくらダイヤモンドでも強い衝撃を加えれば割れますし、元素が炭素Cなので理屈ではよく燃えます、中学校の理科の先生は説明はしてくれますが生徒達が確認できる大きさのダイヤモンドの燃焼実験はしてくれませんでしたので、視たことはありませんが・・しかし上手にカットされたダイヤモンドは光の中に含まれている虹色をキラキラ反射して見る人の感動を誘い心を奪います、そして本当は誰もがこんなダイヤモンドを胸の奥深く一つずつ持っています、ただ自分自身で自分の人格を汚して、光を歪めて外側に本来の綺麗な光を放てなくしているだけなのです、生きている限りそのダイヤモンドはなくなりませんし、傷つくこともありません、大自然のメッセージをキラキラ反射して発信することも可能なのです、メッセージを送受信することは大自然の手伝いをすることですがそのメッセージは同時に自分自身にも伝えられているのです、そして何時の日か寿命が燃え尽きる時そのダイヤモンドも燃え尽きます、燃えて光となって元の光の国に戻ります、ダイヤモンドの光は永遠なのです、光の国に行けば見返りも求める事無く地球にやってきて悪の怪獣や星人と戦って人類を助けてくれた、縁の下の力持ちのヒーロー達に出会えるかもしれません・・・