以前,野良猫の子猫が家に紛れ込み何日か連続で居座るようになりました、隣のお宅の庭にも出没していたので隣のご主人は、家は猫なんか飼う気は無いんだと、見つける度に少し痛い目に合わせて置かないといけないと追い立てます、結果、我が家の猫の額ほどの敷地に逃げ込んできて処置に困ったことがありました、我が家にも猫を飼ってやる選択肢は無かったので、結局保健所に相談する為に連絡すると、担当の人は、何だか動物愛護団体の人の様な口調で保健所では野良犬は危険があるので対策が執れるのですが、猫には適用されません、しかし野良猫は自活できる動物なので決して駆除されることだけは許してやってください、と哀願するように話します、私も別に殺処分にしてくださいとお願いしている訳ではないし、その気も無かったのですが、いくら自活するとは言え、仮置きされたゴミ袋を破り生ゴミを撒き散らし、お礼のつもりかどうか判りませんが排泄物まで残していきます、この悪臭は耐え難いモノがあり、その対策を伺っているのだと説明すると、保健所では野良猫が嫌いな周波数の音波を出す機器を貸し出しています、何種類かあって高級な機器ほど効果は見込めるが費用が高く設定されています、それでも購入されるよりはずっとお得ですよと、猫が寄り付かなくなったら返却も可能ですしと営業を始めます。
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そのうえホームセンターで、植物には影響が無いが猫は寄ってこなくなると言う謳い文句の顆粒状のモノを購入し撒くと、何ともいえない激臭ですが、野良猫は寄って来なくなりました、しかし電池が切れると矢張り進入されるみたいでその都度いたちごっこは続きます・・
世間には野良猫だけに限らず望まれない存在が沢山あります、と言うより自分自身もその存在の一つでしょう、生きて暮す為にどこかに居を構え、法的には権利云々があり所有することを認められもしますが、元来誰のモノでも無い筈です、仮に法的に権利があっても守る努力を怠ると取り上げられてしまいますし、世代を重ねれば権利は無くなっていきます、不動産
を所有すれば固定資産税が掛かり搾取されます、譲渡や相続したり売買しても矢張り税は発生して不動産は目減りすることになります、野良猫にとってその生活の為の行動範囲は自分の縄張りであり、他の個体との干渉はあれど、基本的に自由に徘徊出来ます、町に住む野良猫は時折その町の住人に追い立てられるので、少し警戒心が強くなっているかも知れません、でも生れ落ちたその場所が彼らの住処であり、田舎に引越ししたりもしません、貴重な食料と成り得る生ゴミが入った週2回の集荷日は彼らにとっては絶好の機会であり、鼻を利かしピンポイントでゴミ袋に穴を空け食料を引っ張り出します、そして喰えるモノを喰うだけです、ついでに撒き散らしたゴミのお片づけをすることも有りませんがマーキングだけは忘れません、彼らにとってそれは生活そのもので、誰に憚りようもない生態なのです、自分達が生きることを妨害しようとする人間こそが望まれない厄介な存在なのです、彼らは人間に襲い掛かったりすることはありませんし、追い立てたりもしません、彼らが人間を受け入れるしかない様に、人間も彼らを受け入れるしかないのでしょう、彼らに生きる値打ちが無ければ人間にも生きる値打ちは無いでしょうし、人間の存在に意味が在るなら彼らの存在にも意味が在るのです、野良猫はたった一例ですが大自然のバランスとして存在するものを余り追い立てると今度は自分達が追い立てられることになるのかも知れません・・
ネイティブアメリカン達は誰よりもいち早くアメリカ大陸に暮し始め大自然とも共存していました、彼らにとって大地はそこで暮らすみんなのモノであり、権利を定めて独占するとういう考えは持ち合わせていませんでした、そこにほんの数百年前にヨーロッパから新天地を求めて移民が大西洋を渡りやってきて、東海岸に上陸し暮し始めるようになりました、コロンブスは初めて大陸を観た時そこはインドだと思っていたそうです、だからそこの住民をインディアンと呼んだそうです、アメリカ大陸発見!なんと自己中心的な表現でしょう、元々それこそ氷河期に海が凍り地続きになったときから移り住んだ原住民がいるのに、発見はないでしょう!でも法と呼ばれるある種の人間だけが恩恵を独占できる人間が拵えたルールの使用者達は、原住民から大地を取り上げ迫害し僻地に追いやりました、大自然のバランスを無理やり歪めた勝手な正義が目下のところ地球上で最も力の大きい勢力となっています、ネイティブアメリカン達の立場から観て、大陸は見つかってしまったのであり、勝手なルールは正義でも何でも在りません、ただの暴力です、しかし彼らはそんな自分達の運命も大地の意思だと受け止めグランドキャニオンの奥地に移住し、ひっそりと暮しています、彼らは決して暴力で台頭してきた新住民を憎んではいません、何時かはリベンジしてやろうなんて考えも無いでしょう、しかし大自然はそんな意思とは関係なく無理やり歪められたバランスを揺り戻そうとするかも知れません、歴史の事実を都合の良いように改ざんしても、無かったことにしようとしても、寄せては返す波のように、大自然の振り子はいつか振幅が止まり逆の方向に振れ出すのです、まして悪意を持って迫害や蹂躙を繰り返す暴力には速度が加速されて元の方向に戻されるのが世の慣わしなのです・・・