秋は運動会や行楽のシーズンです、暑くも無く寒くも無く日本では実りの季節でもあります、出始めの頃は高かった果実も南の地域から順番に大量出荷されだすので価格も安値に落ち着き、味は美味しくなります、山々の景色は北の地域から順番に紅葉に染まっていき常緑樹のキャンパスに色取り取りの華が咲く様相です、車で行楽に出かける途中でも季節を感じることが出来ますし、壮大な大自然の演出は眺めていても飽きることはありません、そこに山寺の
伽藍が紛れていたりすると、何とも表現できない趣が加わり、今も昔も変わることのない悠久の時を体感できます、記念にパチリと景色を写真に切り取りますが、実際目の当たりにするモノを映し出すことは叶わないようです、でも記憶の中にはその時の少し肌寒かった清浄な空気を思いっきり深呼吸して、たとえ一瞬でも自分が大自然に採り込まれたような一体感まで残すことができます、そんな記憶は都会の喧騒の中、少しでも秋を感じることがあれば、また行こう!と気持ちを誘います、いくら有名な写真家が撮影しても芸術作品とすれば素晴らしいモノであっても、本物の臨場感というかライブ感とは比較が出来ません、写真には残せないモノがあるようです、だから人は本物を味わいを身体全部で確かめる為に行動し出かけます、これに温泉と上げ膳据え膳が付いていれば、もう何もいりません、このまま時間が止まればいいのにとまで想えたりします・・

 

 腕のいい漫才師のボケとツッコミのキャッチボールはTVを通しても充分笑えますが、これも会場に出向くとまた違います自虐的なギャグから相手のコケ落とし、タタミカケなど様々な技術があるのでしょうが、一度どこかで会場の空気がボッと小さく沸くと、そこを集中的に煽ります、次はドンと笑いが起こり、その後はもう止まりませんドン、ドン!、ドカン!と会場全体が
爆笑の渦に取り巻かれます、現場にいれば一人だけ冷静になんてことは不可能です、お笑いのプロに笑いの神経の弦を徐々に弾かれ、強弱を付けながら最終的には全ての弦をジャンジャラ、ジャンジャラやられてしまうので制御が効かなくなります、お腹が痛いからもう止めて!と腹を抱えて笑うことの意味を知ります、演じる側もこの笑いの渦を自ら創り出し、その中
に身を置くことに喜びを感じ、ある種の中毒になり止めれなくなるそうです、これはお笑いだけではなくおよそ会場でライブを行える全てのアーチスト達に共通することです、ただ欅坂46のコンサートを観に行って爆笑は出来ないでしょうが、現場特有の空気がありその空気を介して音やリズムや旋律の波が観ている人の身体を共鳴させるのです、わざわざノリに出向いているのでここでも一人冷静になんて人はいないでしょう、彼女たちはビジュアルも大事ですがダンスの技術も必要です、熱狂的なファンは彼女達が可愛く歌って踊ってくれたらそれで満足出来るかも知れませんが、彼女達はプロなのでそうはいきません、過密スケジュールの中トレーニングや練習は欠かせません、彼女達の業界も決して甘いところではありません、客を喜ばせることに喜びを覚えることが出来るでしょうが、飽きられると淘汰されていきます、適当になんてことは通用しません・・

 

 テーマパークや遊園地に行くと大概お化け屋敷があります、最近はロボット技術や音響、照明、空調などの技術も駆使して計算配置されているのでそれなりに楽しめるようですが怖さそのものは無くなってきているようです、やはり実際に生身の人間が所々にそれなりの衣装で暗闇から突然現れるスタイルがマジで少し怖いです、昔こんなスリラー館に入ったことがあります、暗い迷路に入る前に説明を受けます、うちのお化け達は突然現れて近づいて来ますが、お客様の50センチメートル以内に入ることは絶対にありません、だからお願いがあります、お化けにも触たり叩いたりしないで下さい、くれぐれもよろしくお願いしますと、私はたかが
作り物のお化け屋敷にそんなクドイ説明を受けなくても、本物のお化けが出るわけでもないのにとタカを括っていましたが、迷路に入って暫くすると、いきなり真っ黒なローブで身を包んだ真っ白な無表情の西洋お化けの仮面がトン、トン、トンと仮面の角度を変えながら高速で近づいてきます・・ウッウォオ~と不覚にも声を上げてしまいました、ビックリもしましたが確かに怖い、連れはキャーと悲鳴を上げながら次の順路に逃げていきます、キャラの違うお化けが絶妙のタイミングで飛び出します、2回目3回目になると、とうとう連れはパニックを起こし泣きながらお化けに殴り掛かります、あれ程言われていたのに・・まったく・・私はお化けにご免!ご免!と謝りながらも少し焦って進路を見失います、暫く硬直した特殊な時間を過ごすと何やらお化けの右手が動いています、あっち!あっち!と人差し指で方向を示しながら・・私はサンキュサンキュと英語で礼を言って連れの手を引いて無事脱出し事なきを得たのでした・・

 

 実際に出かけたり、出向いたり、入り込んだりの行動をすると、頭の中で想像するのとは違う体験や空気を味わえます、いくら優秀な設計者でも机の上で描いた通りには現実は合わせてもらえません、現場で実際やってみないと答えは導き出せないのです、行動するからこそ、新しい発見や特別な体験が味わえます、行動することが全てに優先されるのです、設計は後でいくらでも書き直せます、ぐずぐずしている間に時間は過去へ過ぎ去って行きます、そしてその中にはとても素晴らしいモノや美味しいモノがあったかも知れません大事なチャンスを逃していたかも知れません、この世の中はゴリ押しだけでも上手に事は運びませんが、何も行動しないと何の機会も手にすることが出来ないのです、しかし生きている限りまだまだ未来から沢山巡ってきます、敏捷に行動できるトレーニングを欠かさず積極的に行動し、自分だけのチャンスをモノにしましょう!・・・