小学生高学年の頃には、父親によくサウナに連れていかれました、父親は過去に力仕事をしていたからか肩こり症があったり、腰を痛めていたので、マッサージを受けて痛みをほぐす目的があったのです、腰の痛みは力仕事も原因になったでしょうが、本人曰く、私が生まれる前ですが父親の兄、即ち伯父さんの長女が何かの流行病から菌が骨髄から脳に回り、治療として近い親族の骨髄液が必要だと医者に言われ、娘を救う為、献身的に自分の骨髄液を何度も提供する兄を視ていられなくて自分も何度も提供したのにも原因があるのかなぁとも言っていました、結局この長女は治療の甲斐無く、亡くなってしまうのですが、この骨髄液を採取する注射が、太目の針を背中に突き刺される、それはそれは痛いモノだったそうです。
父親は商売をして多少の余裕がある人だったので、時たまサウナに行っては、サウナに入ったり冷水に浸かったり、汗を流した後、マッサージを受けるのが好きで結構、通う人でした、父親の肩は私も含めて家族全員が揉んでいます、少々の力では全然効かないコリになっているので、マッサージを施術するおばさんも、もてる力を全て指に込めて、四苦八苦されていたのを思い出します、小学生の私にはマッサージの必要は無いので、父親がダブルで施術を受けている間、風呂を上がればすることが無く暇を持て余し館内を行ったり来たり時間調整が必要でした、父親はそんな私を視かねて、中学生の頃にはお前もついでに受けろと・・
かくして若い身空でマッサージ室の穴あきベッドに横たわることに・・もうくすぐったいやら、痛いやらで大変です、中学生の頃の私は、父親の身長を追い越していたので、うつ伏せになって薄いタオルケットを被せれば隣の小父さんたちと見分けは付きません、そこまでして、父親が私をサウナに連れて行く理由は、私を風呂に浸からせてやろうと言う気持ちもあったでしょうが、人一倍寂しがりやだったし、一人で行くのが心細かったのかも知れません、しかしその後の父親の私に対する、扱い方と言いますか、連れて行き方と言いますか、多分、イザという時の用心棒の役割もあったと思います、施術ベッドでマッサージを受けながら、おばさんとの雑談に、必ずと言って良いほど、俺は小柄だが息子は大柄だと自慢し回りにアピールしていました、小柄だと言う事にコンプレックスがあったのでしょう・・その後私が自動車運転免許証を取得してからは個人運転手を兼ねるようになったのは言うまでもありません。
父親は小柄な体格でしたが気は強く、若い頃はボクシングもしたりしてHジムのH会長に特に目を掛けて貰い本人曰く、6回戦位までは無敵だったが、8回戦に上がったとたんKOされ止めてしまったそうです、人を殴るのは好きだが打たれ弱かったのでしょう、面白く無いことがあると良く暴れる人でしたので、よく制止していました、父親も拘束されるのは嫌なので拳を振り回します、6回戦ボーイとは言え元ボクサーの拳をまともに顔面に食らうと痛いので、私も顎を引き顔の角度を変えます、そこに拳が飛んできます・・・空手に拳受けという受け技があります、相手が複数だったり、交す時間が無かったりすると、拳そのもので相手の蹴りや突きを止めるのです、受けと同時にダメージを与えることの出来る高等テクニックです・・この場合はいわばデコ受けです、私の石より硬い前頭部に拳を当ててしまった父親は、痛かったのか拳を庇いながら言いました、貴様~俺の拳を頭で殴りやがって~そんな無茶苦茶な!・・
話はそれましたが、私もサウナでマッサージを受けることを覚えることに成ったのでした。
私が独自で行ける様な年代になると、出張先や休日を利用して時たま利用することになりました、結構長いことお客さん馴れしている私は、マッサージのおばさんによく話しかけられ、取りとめもない話を面白おかしく雑談に応じることがあったと記憶しています、ある時のことです、久しぶりにサウナでマッサージを受けると、担当になったおばさんに、お客さん5年ぐらい前に、そうそうあそこのベッドでこんな話をしていたでしょう!と言われます、おばさんちょっと勘弁してください!このお店は何度も来ているので5年前にも来たかも知れません、はっきり覚えていませんがその辺のベッドにも寝転がったでしょう、そんな話もしたかも知れませんでも、担当でも無かったおばさんが何故そんなことを覚えているのです、早く忘れてくださいよ!いやいやお客さんの印象はちょっとやそっとじゃ取れません、私もこの職場が長く不特定多数のお客さんに施術するので、よほどのことが無ければいちいち覚えていませんそれを記憶さすのはお客さんの方に原因があります、私が何をしてのでしょう?すれ違いざまにおばさんのおしりを触ったとかも無い筈ですが?そんな原因を持っているなら、世渡りがギクシャクして何にも出来なくなるじゃないですか!こんな私でも珠には秘め事のマネ事もしたいのに・・・
こんな先輩がいました、中肉中背で容姿は普通レベルの少し上、歌が上手で弁もたちます、この先輩が町でガールハントをします、町で可愛い女の子を見つけると、そ~っと後ろから近づき、だ~れだ!と通常は両手で目隠しするところを、胸に手を当てます、当然キャ~となりますが、それは計算済みのようです、振り返れば知らない男、不審者どころか痴漢行為です、この先輩はそこからが本領発揮です、オーバーアクションで謝罪し、親しい女の子と間違ってしまったと、半泣きになって弁明します、迫真の演技で・・女の子側からしたら、いきなり男女間の距離が狭められた状態での出会いです、でも視れば余り変な男でもなく、一生懸命謝罪し弁明するので、誠意もあるようにも視えます・・・結構この状態からお友達になれるそうです、
万一絶対受け入れられなくても、この先輩の場合、御免なさい~と言って3歩程離れると、もう忘れ去られるというか、特殊能力を養ってきたというか問題にもなりません、被害者からは蚊にかまれた程度の感じになるのかも知れません、印象を残さないのです、私が仮に同じことをすると地獄の先まで出刃包丁を持って追い掛け回されます・・・もっと影が薄くなりたいと想ったものでした・・
話はそれましたが、サウナに出向き、高温サウナの一番位置の高いところでじっくり汗を搔き、次は冷水に浸かります、心臓から遠い部位から順々に冷水に身体を馴らし一気に頭の天辺まで冷水に浸ります、開いていた汗腺が閉じていきます、その後、今度はお湯に浸かります、閉じた汗腺がまた開きだし、全身に芋虫が這いずり回る感覚と言いましょうかピキピキと生体反射を味わいます、このコースを3度ほど巡り、体中の老廃物が汗と一緒に流せたかも?という感覚をもって、マッサージ室に向かいます、コースに掛かる時間を見計らってマッサージの開始時間を予め決めているので、余り順番を待つことなく施術を受ける事が出来ます、担当のおばさんが来てベッドに誘導され、大抵はうつ伏せ状態から始まります、次も大抵、今日はどの部位を重点的にほぐしましょうか?と尋ねてくるので、私は大抵、全部と言います、身体に触れて頂ければご理解いただけますというと、大抵、ホントだこりゃ酷いとなります、すると大抵、お客さん貴方の体のコリの程度は1度2度の施術では治せませんよ!といわれます、分かっています1度2度の施術で治そうなんてそんな欲深いことは考えていませんと伝えると、次は大抵、強さ加減はどの位がいいですかとなるので、私は大抵こうお願いすることにしています、私の体をマッサージするのに特別強い力は必要ありません、かといって撫でられるだけでも意味がありません、おばさんの何時も使っている握力の中くらいの強さの少し弱い目の力で充分です、ただ一つだけお願いがあります、出来ることなら私に施術しながら
少しでも楽にしてあげたいと気持ちを込めて欲しいのです、他はまな板に乗った鯉ですので、おばさんの自由にしてください、私の長めの経験からこうお願いすると、元来、癒し精神のお持ちのマッサージのおばさん達は、素直にそうしてくれて、少しは楽になります、ただおばさんの中にも頑固な人もいますので、最後まで自分のスタイルでという方に当たってしましますと、案の定効果は期待できません、そんな時は、ただひたすら時間が過ぎるのを耐えることになります、常時相手が変わる状況でも相手に合わせるという感覚が無ければ臨機応変な施術は望めないでしょう・・もう一つ男性の方が担当になると私はお断りします、男性に触られると全身寒イボが立ってしまいます、、だからヨボヨボで死に掛けの方でも良いので女性に代わってくれるようお願いします、駄目ならその日は諦めて受けずに帰ります。
私は訳けあって、UFOキャッチャーに嵌り、達人に近いレベルまで腕を上げたことがあります、採り集めたぬいぐるみだけでも1000匹は優に超えてしまって置き場も無かったのでオークションで安値を付けて売り倒しました、10センチ位の小さなモノから、150センチ以上の大きなモノまで、UFOキャッチャーにも、稀には手を出してはいけない機械も混ざっています、どう間違っても店側に採らせる意思が感じられない設定に出会うことがあります、これはいち早く見極め、いくら落ち掛けに見えても手を出してはいけません、見えない部分で接着剤止めしてある場合もあります、それは爪を引っ掛けた時の獲物の動きで分かります、クレーンの精度をわざわざ運搬途中でガタつかせ投入口まで運ばせない設定のモノもあります、悪質です、あともう少しを演出するのです、店員が頼みもしないのに横に付き惜しい!後、もう少しとか言いながら、客の悔しさを煽る場合もあります、中にはポーカーフェイスで、少し採り易い位置に置いて上げましょうと言いながら実は返って難しい位置に置きなおすふざけた店員もいます、通常は何度かチャレンジすれば落とせるように設定されています、ぬいぐるみの仕入原価が200円なら400円以上使わせれば店側の勝ちとなります、逆に何度かチャレンジしなければならない設定をするのが店側の腕の見せ所になります、二つ爪のクレーンならぬいぐるみが獲物としたら挟み上げても落ちない位置と方向があるのですその方向を外すとぬいぐるみは上がりません、だから始めはそういう位置にある機械を物色します、運よく見つけられたら一回のチャレンジで採ることも可能です、それでも欲しいモノがあるときは、一回二回で徐々に位置調整していく方法もあります、ある時はタグの環っかを狙います、正確に狙って入れば確実に上がります、投入口で落ちなくても店員さんを呼べばくれます、機械によっては店員も想像出来ない方法を発見する時もあります、正攻法でなくても、これは店側との勝負なのです、お金を使ってストレスを持って帰ることも出来ません、獲物を獲得してこそストレス解消の娯楽になります、実は私はクレーン運転士の免許を持っています、クレーンの操作に関してはいささかの自信があります、その自信と、正確な位置決めと操作、そしてもう一つ大事な要素が採れるというイメージを強く念じることなのです、案外その念がフラフラ落ちかけの獲物を投入口まで運んでくれるものと勝手に想っています、気持ちを込めることや込めてもらうことは日常生活で結構有効なのです、特に個人的な身体のバランスの調整や、ぬいぐるみの獲得という決して世間を騒がせることも無い、言わばどうでも良いレベルの課題に関しては・・・そう考えるとこの世も少し面白く映るじゃないですか!・・・